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於多福おたふく 之図


KISEI  YUKARIHANA    MUSEUM  OF  ART  
  


表紙
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紙本水墨淡彩色紙。昭和52年。1葉。縦27cm。横24cm。

「お多福の面」は顔の輪郭に軽快な筆遣いがある鮮やかで可愛い面です。顎の膨らみ、細い頭髪、可愛いい目、口元、鼻、眉には大和絵人物表現の独特な描写があります。面と共に赤と青色の結び紐にも構成的な美しさを感じます。 「鬼の面」は仏画の仁王像にも似た描写です、顔面の描線が力強く爽快です、牙の生えた口元、頭上の角か怖くても憎めない愛嬌がある面の描画です。「鬼の面」から節分の厄払いを、「お多福の面」からは招福を願う人間の願望が窺えます。
鬼(災難を象徴する)を追い払う宮中の追儺の厄除け行事が節分として民衆に伝承した様です。鬼とは悪であるという対象ではなく、スポーツに於いての対戦相手とすれば懸命に相手に向かう闘争心の形相として捉えても良いでしょう。仁王像や四天王像の形相も背後に守護する慈悲深い如来、観音等の偉大さを誇示する男性を表現した親しまれる存在です。女性の「鬼女」「般若」「山姥」等は邪悪な行動で恐怖を与える鬼ですが、前罪を悔悟 して再生する鬼も存在します。


「面」は彫刻とは別のものです。「面」には人格がそのまま表されます。人格の確立してない人間の「面」は、根の無い草のようです。

芸術は理解したり、知識を得るものではありません、味わって心が豊かになるものです。

芸術には個性がなくてはなりません。個性の中に普遍性を観た時、個性が本物になり、伝統的芸術になります。

人間の顔が異なるように能力にも違いがあります。その中で唯一つ自分でなくては出来ないものを見付ける事です。これが個性です、






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