初めての静坐
1.基本姿勢
(1)足の裏を組み重ね、おしり臀部を軽くその上に置く。
(2)膝は少し開く。握りこぶし二つ位、婦人は一つ。
(3)腰を立てて、下腹に力を入れ、膝の短くなるように坐る。重心が足裏の重ねたところと両膝との なせる
二等辺三角形の中心に落ちるように。
(4)上体はまっすぐに、立てた腰の上に軽く据えて、胸の力を抜く。みぞおち鳩尾を引き込めるように。
(5)両手の掌と拇指とを深く組み合わせ、腹と股との界におく、拇指が腹に着くように。
(6)肩の力を抜く、腕に力を入れぬように。
(7)首をまっすぐにあご頤を引き頭の天辺を突き上げる心持ち。
(8)口及び両眼とも力を入れずに閉じ、額に縦皺のよらぬこと。閉じた眼球も水平を見る位置において下向き
にならぬよう。
2.呼吸の仕方
(9)呼吸は鼻孔にてする。吐く息はなるたけ静かに、自分にも聞こえぬ 位にして、徐々に長くはき出す。この吐く
息の時は胸やみぞおちの力を抜いて、徐々に下腹に力を入れる。ちょっと下腹に入れる力を緩めると自然に
息は入ってくる。
これを反復しているうちに益々下腹に力がこもってくる。静坐中は深呼吸ではない。下腹にぐっと力を込めて
の平常呼吸の練習である。
3.注意事項
(10) 静坐の時間は一日三十分以上、一日朝夕二回が最もよい。併し、如何なる時に如何に長く 行ってもよろ
しい。食後に行えば血色がよくなる。