「これから論文を書く若者のために」
出版後の進行状況
若手研究者のお経
進行状況ホーム
8/31(木)
の進歩 洗濯機について
洗濯機の具合がおかしいので、買い換えようかという気になってきた。せっかくだから、乾燥も出来る方がよい。洗濯物を干すたびに、「こんな行為に時間を浪
費していてよいのか」と思ってしまうのだ。何事も見た目と謳い文句で決める私は、National
のドラム型洗濯乾燥機にしようかと思っていた。ところが、価格コムとかの掲示板を見ると、かなり評判が悪い。ドラム型全般に
不信感が募った。縦型洗濯乾燥機にするべきか(たとえばこ
んなの)。いやそもそも、洗濯乾燥機の乾燥機能に期待を寄せるのは間違っているという意見も散見される。むしろ、洗濯機と乾燥機を別々に買う方が
良いのやもしれない。洗濯と乾燥を兼ね備えた物よりも、それぞれに機能特化した物の方が当然優秀とも思える。はてどうしよう。どなたか、私が選ぶべき道を
ご教授下さい。
三年生の実習レポートを読んでいる。図表に単位を書いていないものが非常に多い。「単位(実習の)は不要なのか?」はあまりにウケないとして、図
表には必ず単位を書くように。
私の講義の最終回で「これ論」の内容の話をし、タイトルの付け方も説明した。それをさっそく取り入れて、魅力的なタイトルにしようとしていた人も何人か
いた。講義した甲斐があった。扱かったテーマは全員同じだけれど、解答はそれぞれに違うはず。「自分はここに着眼した」と訴えるタイトルならば、レポート
の一ページ目を広げる時の期待感が増す。「惹き付けるレポートは惹き付けるタイトルから」だ。
8/30(水)
の進歩 あんの体重予測
あんは、もうすぐ生後六ヶ月になる。
あんに関してものすごく一杯あるお願い(トイレ覚えて、甘噛みやめて、家具を囓らないで、無駄吠えやめてなどなど)の一
つは、「あまり重くならないで」だ。籠に入れて、電車やバスで移動するときに大変なのだ。じゅり(体重 10 kg)みたいになっては嫌、せめて
7-8 kg
に留まって欲しい。「あんの父は 4.5 kg、母は 7
kg」という情報に期待を寄せた。しかし、我が家に来た当日、その「物体」の重量を測定してみると、生後 50 日というのに 2 kg
もあって暗然とした。生後 50 日は、人間だと 3 歳児に相当する。なのに、お
父さんの半分くらいの体重があるとは。異常だ。その後も、とどまることを知らぬ直線的な体重増加を示している。
つぶらな瞳で、一日 48.7 g の体重増加(y = 0.0487x - 0.6147)を続けるあん。R2
= 0.9968 と、絶望的なまでに当てはまりが良い。
昨夜量ったら 7.85 kg もあった。同じ月齢の頃、じゅりは 5 kg であったというのに。「5 kg --> 10
kg(じゅりの成犬時)」からすると、「7.85 kg --> 15.7
kg」ということか。ああ早く体重増加が止まってくれと、雨乞いのような心境(神にスガル)で祈るのであっ
た。
ひじりと、卒業研究のモデルの議論をした。Mathematica
のファイルは、一年後の自分でもわかるように、出来るだけ親切に書こう。そうでないと、後で苦労することになるよ。
今日も、生物学科三年生の実習レポートを読んだ。論文のように熱心に丁寧に書いてくれているレポートがいくつかあり、感激した。かたや、イント
ロ・材料と方法を書かないレポート(8/28 の進歩参照)が非常に多い。読み手である私は当然知っているの
で、実習の目的や方法を書くこともないという気持ちになっているのであろう。しかしレポートというものは、「問い」と「解答」を示す物である。問いかけ
ず、解答を得るための方法も示さずでは、レポートとしては不完全だからね。来年は、イントロ・材料と方法をきちっと書くように言おう。
カタクリのレポートでありながら、オオバコについて熱く論じているレポートがあった。論じている内容はカタクリのものだったし、深い考察でとても良いレ
ポートだった。どっか(4 ページ目くらい?)で、カタクリがオオバコに入れ替わった模様である。
8/29(火)
の進歩 実習レポート
生物学科三年生の実習レポートを読んでいる。三年生が頑張って書いてくれたのだから、私も頑張ってコメントを書き込んでいる。当然のことかもしれないが、
個人差が激しい。熱心に書いてあるレポートは読んでいて楽しいし、いろいろコメントも書きたくなる。一方、ほんの一部だけれど、やる気の無いことがひしひ
しと伝わってくるものもあった。確かに、各実習課題ごとにレポートが課せられるので、それらをみんな丁寧に書くのは大変だ。私の課題に対してお座なりなレ
ポートを書いた人も、他の課題については熱心に書くのであろう ---------
とは思えません、正直なところ。たぶん、熱心な人はどの課題についても熱心に書き、そうでない人はその反対ではあるまいか。素直に、私の課
題が(少なくとも一部の人にとって)つまらないと認めればいいのにねえ。
使えるデータが少ないせいで、考察に苦労してることも伺えた。ただでさえ難しい課題(とくにカタクリの方は、学術的にも未解決の問題を議論して貰ってい
る)なので、みんな大変だったかも。ごめんね。こういう場合は、新たな仮説を提唱するという姿勢で書くと良いと思う(今さら言うことか)。
・取ったデータを元に、仮説を示す。
・その仮説を検証する方法を議論する。
こうすると、ぐっと面白味が増してくるはずだ。
フキの論文は考察を構想中だ。自分の中で暖まっていくのを待っている。
8/28(月)
の進歩 迷惑メール
私が使っているメールソフトは Eudora
である。他のソフト同様、迷惑メールを自動的に振り分ける機能もついている。でも、駆除率は半分くらいで、迷惑メールがどしどし受信箱に来てしまう。一
方、ごく稀に、迷惑メールでないものを駆除してしまうことがある。迷惑メール駆除箱を開いてみると、ごくたまにであるが、非迷惑メールが入っていることが
あるのだ。先週末も、そんなメールに気づいた。発信後すでに二週間近く経っており、しかも、出し手にとってかなり大切な内容と推察出来た。8/11
に陸女寿司に行ったときに、「随
分よっぱらって先生に色々からんだ気がします。すいません。後からすごく後悔しました」(8/9-11
の記述)という土松からの、御礼のメールであったのだ。私からの返信が無く、気に病んでいたみたい。ごめんねえ、全然気付かなかったのだ。陸女寿司でのこ
とは、楽しかったという記憶しかない。それにしても、よりによってこのメールを振り分けるとは、やるな Eudora。
フキの論文は、イントロもだいたい完成した。残すは考察だ。苦手なんだよね、考察を書くの。とりあえず、どういうことを書くのか方針を考えた。今
日はそこまで。
生物学科三年生の実習レポートを読み始めた。イントロ・材料と方法を書かずに、結果からいきなり始まっているレポートがけっこうある。いけません
よ、それじゃ。
・どういう問題に取り組んでいるのか
・問題解決のためにどういうことをやったのか
この二つをきちっと書くこと。何が問題なのかを理解することはとても大切なのだ。この二つを的確に書くことは、優れた考察をすることと同じように重要なこ
とである。
8/27(日)
の進歩 見学に来たのなら静かにしていなさい
午前中は、あんの学校に行った。勉強に使うおやつを忘れたので、ペットエコに寄って買おうとした。ところが、財布も忘れていることを判明。やむなく、教室
でおやつを恵んで貰うことにした。今日は、しつけ教室を見学に来たコーギー(と飼い主;犬だけが見学に来ていたらすごい)がいた。このコーギー、とんでも
ない馬鹿犬で、「ぎゃんぎゃんぎゃんぎゃん」吠えまくっていた。あんは集中できず、伏せさえ出来なくなってしまった。迷惑なコーギーだ。小学校の授業参観
で、授業中に、「ぎゃんぎゃんぎゃんぎゃん」とお母さんが四つんばいになって吠えて
いる場面を
想像してみよ。いかに迷惑かわかるであろう。それと、教室で貰ったおやつがまずいのか、あんはぺろっと吐き出してしまう。これでは勉強にならない。あん
は、おやつに釣られて向学心を燃やすのである。結局、今日の学校はさんざんであった。
教室が終わってからどこかに遊びに行きたかったけれど、財布を忘れたのでやむなく帰宅した。そして、庭仕事をしたり、あんを散歩に連れて行ったり
して過ごした。
あんの散歩では、先日見つけた名所に行った。まったく緑が無い一軒家があるのだ。敷地内にはすべて、砂利をまいてあるかコンクリートを打ってある。庭
(居間らしき部分の前)にも、全面にコンクリートが打ってある。どこを見ても、植木も草花も全くない。鉢植えも置いていない。雑草さえ一本も生えていな
い。植物が全く無いさまは不気味である。合成着色料の固まりのようなお菓子を食べた気分になってくる。どんな人が住んでいるのか、是非とも見てみたい。そ
して、植物に対する意見を思い切り述べて貰いたい。
8/26(土)
の進歩 惨敗
ベガルタ仙台がモンテディオ山形に惨敗した。0-1 という最小得点差だったものの、酷い試合内容だった。
今日は暁子が帰ってくる。祝勝会の準備のために、藤崎と朝市に行った。朝市では、鮪と牡蠣に加え松茸を買った。20 本弱を 3000
円で売っていたので、「6 本だけ売ってくれ」とねじ込み 1000 円で購入した。今夜こそ、豪快に熾きを作って、松茸の炭火焼をするのだ(8/20 の進歩参照)。
暁子が帰ってくると、あんは大喜びであった。私には見向きもせず、暁子の顔を舐め続けている。「ちょっとはこっちにもお愛想してよ」と言うと、三回だけ
舐めて暁子の所にまた戻って行くという、まさに形だけのお愛想であった。面白くねー。じゅりは暁子にばかりなついていたので、あんはそうならないように気
をつけているのに。
その後、留守中の勉強の成果(しつけの成果)を見せたり、散歩がてら動物病院に挨拶に行ったりして過ごした。
四時に、山形に向かって出発した。あんも一緒だ。「どうせ待たせておくなら、自宅でも車内でも同じ」と、連れて行くことにしたのだ。ベガルタの服
をあんに着させスタジアムの外を歩いていると、皆が注目してくれた。そして、スタジアム近くの広々とした公園で遊ばせて、試合開始を待った。
試合開始。凡ミスを連発して、形を作れない。とくに千葉が酷かった。そして前半 18
分に、コーナーキックから失点してしまった。横浜戦でもコーナーキックでやられた。修正が必要だ。その後も、煮え切らない時間が続く。何しろ、選手に動き
がない。前線の選手は、スペースに走り込むことも、動いてスペースを作ることもしない。ただ立ち止まってボールを待っているだけ。相手が組織を整えている
所に、足元から足元へ繋いで中央突破しようとする。これでは守備網にかかるだけで、シュートにさえいけなかった。それでも強引に突破してしまうはずのロペ
スが絶不調で、「ただの人」になっていた。ようやくにして形が出来てきたのは、大柴と中島が投入された後半 17
分からだ。この二人(とくに大柴がすごい)が労を惜しまずスペースに飛び込み、好機を作るようになった。大柴と中島のワンツーからの突破(最後のトラップ
が長く、シュートには至らず)は、まさに仙台がやるべき攻めであった。しかし、ゴール前 5 m
からのシュートをボルジェスが外すなどして、得点をあげることなく終わってしまった。コアサポからは大ブーイングが起きた。
上位三チーム(柏・神戸・横浜)が揃って勝ったので、三位との勝ち点差は 9
に開いてしまった。しかも仙台は、これら三チームより消化試合数が一つ多い。残り 14
試合でこの差をひっくり返すのは、かなり厳しいと言わざるをえない。しかし、私は決して諦めない。世間は、「柏・神戸・横浜に昇格争いは絞られた」と思っ
ているかもしれない。「仙台はもうさようなら」と。突然話がそれると、祇園祭り・葵祭り・時代祭りを「京都三大祭り」と呼ぶ。これに対して京大応援団は、
自分たち主催の「前夜祭」(学園祭の前日に行われる祭り)を含め、「京都四大祭り」と呼んでいた。この強引さを、私たち仙台サポも身につけなくてはいけな
い。昇格争いは、「柏・神戸・横浜・仙台」に絞られたのだ。
幸いにも、次の柏戦まで二週間空く。気持ちを切り替えてきっちり修正し、首位の柏を撃破せよ!
そうすれば、雰囲気は一挙に好転するであろう。
柏戦では、チアゴネーヴィスに替えて、大柴を是非とも先発に使って欲しい。大柴の献身的な無駄走りが仙台を救う。大柴の動きが刺激となって、チーム全体
も活性化するであろう。大柴に期待だ。
帰宅後、松茸の炭火焼・松茸の土瓶蒸し・小鯛の蒸し物・本鮪中落ち・牡蠣などを肴に豪華反省会をした。うまかった。
8/25(金)
の進歩 明日は山形戦
ベガルタ仙台は明日、敵地でモンテディオ山形と戦う。絶対に勝たなくてはいけない戦いである。これから連勝を続けないといけないのだ。横浜戦での戦いぶり
が出来れば、自ずと結果はついてくる。私はもちろん、敵地に乗り込む所存である。チアゴネーヴィスに替えて大柴が先発して欲しいなあ。
もっとも、明日の対戦相手が本当にモンテディオ山形なのか、疑問も残っている。モンテディオ山形が、「決戦!一歩もゆずれないvs仙台」
というキャンペーンを張っているのだ。明日の対戦相手は「決戦!一歩もゆずれない」か? どのみち、油断をしてはならぬ。
生物学科三年生の菊池(佑)君が、研究室に遊びに来てくれた。菊池君も仙台サポで、一緒にホームゲームの応援に行く約束をした。そして、人生につ
いて深く語り合ったのであった。またいつでも来て頂戴。
8/24(木)
の進歩 希望湧く
今朝は、目覚めたら九時だった。久しぶりにぐっすり寝た。充足感があったためと思う。昨日の引き分け(仙台 1-1
横浜)は確かに痛かった。でも、勝ちたいという気持ちの入った試合だったし、内容も良かった。昨日のような戦いを続けることが出来れば、まだまだ十分に昇
格の可能性はあると思う。
とくに良かったのは大柴だ。後半途中から出場し、攻撃の幅を広げてくれた。スペースへの走り込み、縦パスを呼び込む動き。大柴のおかげで磯崎も水を得た
ようになり、横浜の左サイドを何度も破った。やはり、チアゴネーヴィスではなくて大柴だ。早く先発復帰して欲しい。
どうせ寝坊したのだからと、今日は雑務の日にした(なんでそうなる?)。溜まっていた編集委員の仕事を片付けたり、自然科学総合実験のレポートを
採点したり、秘密の作業をしたりして過ごした。
雑務に飽きた頃、生協の担当者がやって来た。パソコンの液晶画面の修理を依頼していたのだ(8/10 の進歩参
照)。「パソコンを一週間くらいお預かりして修理します」だと。しょうがない、その間はノートパソコンを使うことにしよう。それと、修理の間は、パソコン
を使わない仕事をするようにしよう。三年生のレポートの採点とか。
「17 インチを 20
インチに替える話はどうなりましたか?」と聞くと、「えっ?」と忘れていたみたいであった。そして、「それは無理ということで」と断わられた。無謀な要求
なので、端から取り合って貰えなかったようである。ちっ。私は一応、真剣であったのだ。
ぶっちーが、イチジクの結実率のデータ解析の相談に来た。先日渡した「R
で行う一般化線形モデル」(8/21 の進歩参照)を読んで頑張ってくれたようである。ぶっちーの質問に対し、
「これ(R
で行う一般化線形モデル)には何て書いてあるの?」と、書いた本人とは思えない答え
方に終始した。ほとんど忘れちゃっているのだよ。どの方法が良いのかという問いには、「勉強になるからいろいろ試してみて」とはぐらかすのであった。でも一応、ロジ
スティック回帰をやってみようということになった。
8/23(水)
の進歩 今夜は横浜 FC 戦
ベガルタ仙台は今夜、ユアテックスタジアム仙台に横浜 FC を迎え撃つ。現在二位の横浜とは勝ち点 6
の差がついており、しかも横浜の消化試合数は一試合少ない。差を詰めるため、絶対に勝たなくてはいけない試合である。万一敗れたら、自動昇格(二位以内)
が絶望となりかねない(負けちゃった場合に備えて、「絶望である」と断定はしないでおこっと)。
仙台は、先発を四人入れ替える模様だ。右サイドバックの中田に替えて菅井、センターバックの池田に替えて丸山、左サイドバックの村上に替えて磯崎、ボラ
ンチの富田に替えて梁を起用するようだ。絶好調だった第一巡のメンバーに戻す(サンタナ監督談)ということらしい。中田に替えて菅井は当然だ。怪我のため
菅井が欠場していたのだから、直ったら戻ってくる。第一巡のセンターバックは白井と木谷だった。その白井は怪我のために長期離脱中である。池田に替えて丸
山というのは、池田のプレーが悪かったというより、年齢的にも丸山の方が白井っぽい
からという感がしないではない。村上に替えて磯崎は、仙台サポがずっと待ち望んでいた交替だ。村上の手抜き守備には皆うんざりしていた。そ
して思い起こすと、磯崎が出ていたときの仙台は絶好調で、村上が出るようになってから駄目になってきたのだ。村上の駄目な子ぶりは、かくもわかりやすいの
である。富田に替えて梁というのは、ボールの貰い手としての梁の動きに期待してのことか。
大柴が控えに入るという話である。足の手術からついに復活!
仙台の前線に足りないのは、スペースに走り込む動き・ボールを呼び込む動き・スペースを作り出す動きだ。豊富な運動量でこれらの動きをやってくれるのが大
柴である。チアゴネーヴィスに替わって途中出場した大柴が前線を活性化し勝利を導く。サンタナ監督は、「大柴の働きはビッグサプライズ」と驚く。大柴がレ
ギュラーに定着して、仙台の快進撃が始まる。てなことを楽しみにしよう。
気がかりといえば梁か。久しぶりの先発起用で燃えているのは頼もしいのだが、「最終ラインからの積極的な飛び出しをみせるなど、助っ人3選手に積極的に攻撃参加」(サンスポよ
り;太字は私)。いくら久しぶりとはいえ、攻める相手を間違えてはいけない。
昨夜、「最後のナイチンゲール-ひめゆり隊と同じ戦火を生きた少女の 記録」(日本テレビ系列)を見た。訴えたいことはよくわかるのだけれど
………。あまりにわざとらしくてクサく、辟易してしまった。制作者が訴えたいことを、登場人物がそのまま台詞でしゃべっている。弁論大会の青年の主張みた
いな台本だった。惹き付ける物語というのは、わざわざ語らなくても伝わってくるものである。
研究でもそうだ。私は常々、「「○○を調べることは興味深い」と自分で書くな」と言っている。「興味深い」と書くのではなく、いかに興味深いのかを説得
する努力をせよ。きちっと説明すれば、ほっておいても読者は興味深いと思ってくれるのだ。説得に自信がないと、ついつい自分で「興味深い」と書いてしまい
がちである。しかし、興味深さを説得出来ないのは、そもそもつまらない研究課題だからである可能性が高い。「この噺は面白いんですよ」と落語家自らが言っ
てしまうとどっちらけだろう。それと同じ。
フキの論文執筆のための文献集めは峠を越えた。よって今から、我がクラブを応援にユアテックスタジアム仙台に出発する。その前にあんと一時間くら
い過ごし、夜遅くなることをごまかす。試合後、歓喜のビールを飲もう!
8/22(火)
の進歩 あれに似ているかも
あんが我が家に来てもうすぐ四ヶ月。甘噛み・粗相・いたずらとの格闘の日々は続いている。甘噛みはだいぶ治まったものの、まだまだ止める気配はない。私の
手を、うにゃうにゃ噛んで遊んでいる。トイレにいたっては、我が家で暮らした
113 日のうち粗相しなかったのは 1 日だけ(8/19)という記録を打ち立てた。この記録
がどこまで伸びるかげんなりされる(ただし、トイレを柵で囲むことでぐっと改善されたことは確か)。いたずらの被害は甚大。2,8000
円したパキスタン絨毯の端っこを食いちぎられ、10,0000 円したベッドと 5,8000 円した机と 680
円した雑誌には歯形が付いている。新品のスラックスを履いたその日に爪で穴を開けられクラクラした。子犬との生活って、こんなに大変だったけ?
じゅりの時はもっと楽だった気がするが。
あんは、生後 50 日ですでに体重 2 kg あった(じゅりは、生後二ヶ月で 1.4 kg
だった)。その後もとどまることの無い成長を続け、生後五ヶ月にしてすでに 7 kg
を超えている。異様に大きいために、子犬らしい可愛らしさにどうも欠ける気がする。じゅりが子犬の頃やペット屋で見る子犬と比べると、この感は強まってし
まう。あんは何かに似ているなあと思っていたら、今日になって思いついた。あれだ、千
と千尋の神隠しに出てきた巨大な赤ん坊だ(「坊」;このページの下の方)。
可愛いあん。でも巨体。
こうやって見比べると、あんの方が全然可愛い。しかし、どこか共通する物があるという一点の思いを拭えない飼い主であった。
フキの論文を書くための文献読みを今日も行った。隠れた雌雄異株(日本語訳いいかげん。cryptic dioecy
のこと)の論文が出てきて、これはかなり関係するかと焦った。隠れた雌雄異株の雌株は、発芽能力の無い花粉を付ける。花粉を集める訪花昆虫を誘引するため
という説が有力である。フキもこれで片付けられてしまうのか?
フキの雌花序の中には、両性小花(雄しべと雌しべを持つ)が少数混じっているのだ。この雄しべも、花粉を集める訪花昆虫のためのもの???
と考えて、フキ雌株の雄しべは花粉を作らないことを思い出した。これでは誘引の意味がない。となると、隠れた雌雄異種で片付けられる心配もない。でも、花
粉を付けないという文献引用をどうしよう。今のところ、このことをはっきり書いているのは山と渓谷社の図鑑だけだ。かなり大切な情報だけれど、図鑑を引用
してしまっていいのかね?
8/21(月)
の進歩 R はどうなっている?
ぶっちーが、統計解析のやり方について質問に来た。正規分布にするためにアークサイン変換をしているので、「そうではなくて、R
で一般化線形モデルをしなさい」と助言した。実を言うと私は、2004.9 に、「R
で行う一般化線形モデル」という文書を大々的に書き(この日記で、執筆の苦闘を書きつづった)、学生らに密かに配ったのだ(内容に自信が無いので密かに
配った)。ぶっちーにも、この文書を密かに渡した。基本的な所はわかると思うから、読んでみて。それと、わからないことがあったら聞いてくれ。ただし、私
から答えを引き出すことを期待しないように。もう R のこと忘れたわ。
というわけで、R の最近の進歩はどうなっているのだろう。時間が取れたら勉強したいと思う。
国立情報学研究所主催の、学術情報リテラシー教育担当者研修の講師を務めることになった。大学図書館の教育担当者を対象に、レポート論文の書き方
の講義を
することになったのだ。これからレポート論文を書く若者が対象ではないので、今までの「これ論」の講義とは少し異なったものになるであろう。さてどんな話
をすべきか。期日が近づいたら考えよっと。
フキの論文を書くための文献読みに勤しんだ。今週中に終わらせたいところだけれど、はたしてどうなるか。
8/20(日)
の進歩 初松茸
店頭に松茸が並んでいたので、夏が早く終わることを願って、松茸を食べることにした。しかも、焼松茸と土瓶蒸しという豪華二本立てだ。せっかくだから炭火
で焼こうと、飛騨コンロも
買った。炭を並べて着火剤を点け入浴。風呂から上がる頃には熾きになっているであろう。ところが、着火剤をけちったためか、全然熾きになっていなかった。
30
分ほど粘ったけれど、小さいかけらしか熾きにならない。一か八かと、その状態で松茸を焼いてみた。しかし火力があまりに弱く、何時まで経っても火が通らな
い。とうとう諦めてガスコンロで焼いた。悔しい。近いうちにもう一度、炭で焼くことに挑戦しよう。
NHK で、ソウル大学黄元教授による捏造事件の特集を見た。これを見て、ずいぶん昔の、洗濯洗剤の CM
を思い出してしまった。汚れ物を洗濯機に入れる。次のカットでは、「落ちたわあ」と、真っ白になった服を手にして喜んでいる。当時は、こんな感
じの洗剤 CM
が多かった。洗濯の過程を見せずに「落ちたわあ」と喜んで見せて、その洗剤の力を信じる人がいるのか。まったくもって非科学的な CM
である。
ところが科学の世界(まさに科学的であるべきところ)では、それを信じるのである。論文では、実験や調査の方法を書き、次にいきなり結果を書く。読者
は、そういう結果になったと信じるだけである。まさに、「この洗剤で洗濯します」「落ちたわあ」を信じるのと同じだ。著者と読者をつなぐのは信頼だけだ。
著者が「落ちたわあ」と書くからには、本当に「落ちたわあ」でないといけない。著者の責任は重大である。
信頼が唯一の絆であるということは、捏造はいくらでも起きうるということでもある。もちろん、ほとんどの研究者は捏造などしない。しか
し、下手をすると捏造に走らせかねない状況は少なくない。個人の功名心、高額(「必要な額」ではなく「高額」)の研究費を取ることが使命と圧力をかけてく
るお偉いさん(東北大生命科学研究科はまさにそういう所である)、高額の研究費を取りながら結果が出ないことの焦り。後者二つがもたらす歪みは、近年とく
に酷いと思うのであった。
8/19(土)
の進歩 大丈夫なのだろうか
ベガルタ仙台がコンサドーレ札幌に 1-3 で敗れた。10 人になった相手に 10 分間で 2 点取られるなんて、信じられない。
今日はあんの学校の日だ。10
時過ぎに家を出て、仙台第二警察犬訓練所に向かった。着いてみると、先客の犬がいた。ちょうど勉強が終わった所のようで、所長らしき人と長々と話してい
た。同時並行的にあんの勉強も始まったけれど、他の犬の存在に気を取られてしまっている。集中力を欠いて、伏せも出来ない。PTA
としては焦ったが、どうにもならなかった。ようやく先客の犬が帰り、あんも集中するようになった。そして、人の左横に付いて歩く練習をした。この練習、私
は軽視していたけれど、かなり重要らしい。帰ったら特訓しよう。
訓練士に、粗相しまくることを相談した。この所、トイレで全くしなくなっていたのだ。しようとしている所を見つけ追い立てると、以前ならトイレに走って
行った。ところが最近は、追いかけっこと思いこんでしまっている。トイレには走らずに、座卓の周りをぐるぐる逃げる。座卓を挟んで間合いをはかり、「どち
らに追うか」と思った瞬間に粗相をしてしまうのだ。
相談したところ、「トイレの周りを柵で囲って下さい」とのことであった。そして、しそうになったらトイレに閉じ込めて、するまで出さないようにする。自
宅に戻り、さっそくトイレの周りを囲った。そして、「ここに閉じ込めてくれるわ、ふっふっふっ」と手ぐすね引いて待っていた。ところがあんは、私が何もし
なくても、突然またトイレでするようになった。おかげで今日は、あんが我が家に来て
以来初めて、粗相無しの日となった。囲うだけでこうも変わるとは、わけがわからない。あんにしてみると、将棋の名人戦みたいに難解な読みが
あるのか。
ベガルタの試合は、夜の 7
時から始まった。今日は、祝勝会(予定)と同時進行にしようと、飲みながらテレビ観戦をした。立ち上がりは仙台のペースだった。ところが前半 15
分くらいから、札幌が支配するようになった。札幌有利のまま試合は続き、前半 40 分に先制点を許した。あーーあ。しかし後半 1
分に、チアゴネーヴィスが頭で流し込んで追いついた。後半 36
分には、ボルジェスの決定機を曽田が阻止して退場した。このプレー、曽田がかぶってボールを流してしまい、ボルジェスが GK と 1 対 1
になりそうになった。ところがボルジェスは、ボールを追うのではなく、自分から曽田にぶつかりに行ったように見えた。それが曽田の反則と判定された。札幌
サポも納得いかないだろうし、私も、「ボールに走れ」と不満に思った。ともかくも相手は 10
人となり、これで負けはなくなったと思った。ところがところが、後半 41 分と 44 分に連続失点して、1-3 で惨敗した。
今日の試合を見て、私はすごく不安になってしまった。我がクラブは、果たして J1
に上がれるのだろうか(宮城県域では一応、上がるつもりでいる)。相変わらず、ブラジル人トリオの個人技に頼った試合をしている。第一巡こそこの戦い方が
通用したけれど、他チームに研究され苦戦が続いている。「第11節山形戦(4月22日)以来、7位以上のチームから白星を挙げていない」(河
北新報より)のだ。抜本的な改革をしないと、このまま下がる一方かも知れない。
水曜日には、二位の横浜 FC と対戦する。絶対に勝たないといけない。これに負けたら、早くも黄信号が点ってしまう。今日負けた時点で
黄信号、横浜に負けたら赤信号という意見もあるけれど。
8/18(金)
の進歩 明日は札幌戦
ベガルタ仙台は明日、コンサドーレ札幌と敵地で戦う。ここで勝たないと水戸戦での勝利の意味が無くなる。必勝あるのみだ。
昨日は、こじこじと卒研の議論をした。今日はひじりとだ。心なしか元気が無いように見えた。「今後 10
年は不眠不休」と勝手に眼が語ってしまい、げんなりしているのか(昨日の進歩参照)。そういうときは、小田原の鰺の干物を食べて元気を出すべし。
昨夜、「デイ・アフター・トゥモロー」を見た。地球温暖化という深刻な問題を、ああもくだらないパニック映画にしてしまうとは、さすがアメリカ
だ。京都議定書を批准しないだけのことはある。それと、"The day after tomorrow"
をそのままカタカナにするという、馬鹿丸出しの題名もうんざりだ。確かに、「明後日」という題では何のことかわからん。しかし、創意工夫して、文学的な
「日本語の」題名を考えれば良いではないか。
今日も、フキの論文を書くための文献集めをした。けっこう古い文献(ネットから落とせない)もあったので、図書館に往復すること二回。図書館の新
着雑誌の棚を久しぶりに覗いた。ネットで文献を読めるようになったおかげで、図書館に行くこともほとんどなくなっている。昔は、たくさんの雑誌を重い思い
をして抱えてコピーに走り回った。それを思うと隔世の感である。
8/17(木)
の進歩 食い逃げじゃなかった
こじこじとひじりが大学院に順当な奇跡の合
格を果たして二週間経った(ふつうなら「奇跡の順
当な」とするのだろうが、あえて逆にしてみた。自分でも意図はわからん)。研究室に姿を見せないので、羽を伸ばしているのだろうと思っていた。先週の金曜
日には、合格祝いに陸女寿司に連れて行った。これですっきりして卒業研究を再開するかと思いきや、今週になっても研究室に来ない。ひょっとして食い逃げかという疑いが浮かびつつあった。しかし二人とも、本日燦
然と登場した。「今日からばりばり頑張ります」とのことだ。「存分に羽を伸ばしたので、今後 10 年は不眠不休です」とその眼が語っていた(私の主観)。頼もしい。
さあ、存分に頑張ってくれ。
注;ぶっちーも大学院に合格した。しかしちゃんと研究室に来ていたので、今回の話の登場人物ではない。
りんかのフキの論文を書くため、文献を集め読んでいる。雌花による雄花への擬態を調べた論文は、思ったより少ない。いつもよりは、文献集めは早く
終わりそうだ。
そこへ、りんかが久々に登場した。聞きたいことがあったので色々質問した。修論を提出してからもう半年、よく覚えていない部分もあるだろうけれど、どう
か思い出してね。
8/16(水)
の進歩 夏の風物詩
八月に入ると、いや正確には進化学会が近づくと、メーリングリストへの水幡さんの投稿が始まる。自説である新今西進化論に関する集会を進化学会で行うらし
く、その宣伝メールだ。もはや、この時期の風物詩と言って良い。去年の進化学会では、集会への参加者ゼロ。かなり打ちひしがれていたという話を聞いたが、
今は元気一杯のようだ。今年は、河宮さんという方がただ一人、水幡さんとメーリングリストで論争を繰り広げている。他の人は一切無視している。なら、お二
人だ
けでメールをやりとりすればいいと思う。
彩子の論文の改訂を一通り終えた。彩子に聞かないとわからないことがいくつかあるので、メールを送っておいた。彩子の返答待ちだ。よろしくね。
しばらく中断していた、りんかのフキの論文の執筆も再開した。材料と方法の章と結果の章はほぼ完成だ。イントロを書くために、りんかがコピーして
くれた論文を読んでいる。イントロでの問題提起をどうするか。フキだけの問題にしてしまってはつまらないので、一般性のある問題を提起しようと思ってい
る。となると擬態(雌花が雄花に似る)の話に持って行くのが良さそうなのだけれど、擬態と言い切って良いのかという疑問もある。「擬態」という言葉を使わ
ずに「似てる」と言うか。そういう問題か。
8/15(火)
の進歩 常識なし
今日も、彩子の論文の改訂に勤しんだ。そして、もう一人のレフリーのコメントを読んで憤激した。彩子の論文の主題は、夜の訪花昆虫と昼の訪花昆虫はそれぞ
れ、雄繁殖成功に寄与しているのか、それとも雌繁殖成功に寄与しているのかを調べることだ。Bell (1985)
の先駆的論文以来、誘引器官(花びらや蜜)が雌雄どちらの繁殖成功に寄与するのかという研究がいろいろ行われてきた。彩子の論文は、花の香り(夜の訪花者
の誘引に寄与)にも同じ考えを適用してみようと試みたものだ。これに対してこのレフリーは、「本論文の最大の弱点はここにある」と言ってきた。同じ訪花昆
虫(昼の訪花者にせよ、夜の訪花者にせよ)が花粉の送粉(雄繁殖成功)と受粉(雌繁殖成功)を同時に行う。だから、訪花昆虫の誘引は、雌雄両方の繁殖成功
に等しく寄与しているに決まっている、だと。このレフリー、繁殖生態学の基本の基本を知らないらしい。胚珠に比べ花粉の数は非常に多いので、受粉完了に必
要な訪花回数に比べ、送粉完了に必要な訪花回数の方がずっと多い。そのため、訪花昆虫を誘引するための資源投資(大きな花びらを作ったり、蜜をたくさん出
したりすること)は、雌繁殖成功というより雄繁殖成功を高めるためのものである。これが Bell (1985)
が示したことであり、繁殖生態学の教科書の 1
ページ目(比喩的な意味で)に載っていることだ。そんなことも知らない人がレフリーをしていいのか。しかも、「本論文の最大の弱点」なんて言う。教訓。自
分の専門と少しでも違う論文をレフリーする場合は、「自分が知らないのかもしれない」と常に謙虚になるべきである。
担当編集委員にも問題がある。このレフリーの主張を鵜呑みにしているのだから。自分自身で論文の価値を判断するのと同様に、レフリーコメントに対しても
評価を下すのが役目というのに。両者を平等に評価して最終判断を下して頂戴よ。
牧が来室。いろいろと話をした。ふっふっふっ。
8/14(月)
の進歩 二度目の重版決定
「これ論:大改訂増補版」の二度目の重版が決まった。新たに 2000 部刷って 7000
部となる。刊行から四ヶ月なので、大改訂版も好調と思う。お買い上げ下さった皆様、まことにありがとうございます。
一方、不快なことも早くも起きた。アマゾンに古本が出品されたのだ。「はじめに」の ix
ページで、「古本を売買しないで」と懇切丁寧にお願いしたのに無視か。前にも書いた(2005.8.29
の進歩参照)ように、古本の売買は、著作権の侵害に限りなく近いと私は思っている。2730 円の本を 2200
円で売るということは、私が知力を振り絞って書いた(ウケ狙いに満ちたこの日記のせいで、信じて貰えないかもしれないが)情報を 530 円で掠め取るということだ。許さん!
不要になったら資源ゴミに出そう。それでも古本を売買するならば、私への挑発と受け取るからね。
彩子のヤマユリの論文を改訂中だ。A4 で 9
ページものコメントが付いた。他人の論文によくもまあこれだけコメントするねえ。しかもかなりきっちり読み込んである。率直に言って、指導教官である私よりも的確に理解している。せっかくのコメントなので、がん
ばって直そう。Ecology に挑戦したけれど、残念ながらリジェクトでした。
8/13(日)
の進歩 鰹のたたきの作り方
鰹のたたきを自分で作る方に良いことをお教えしよう。本格日本料理の本に載っていたことである。私は今まで、鰹を炙った後、氷水にじゅばっとつけていた。
これが常識だと思っていた。ところがそうではないのだ!
「氷水につけてしまっては台無し」とまで言い切れるのである。鰹のたたきの旨さは、皮の直下の脂がとろっとした所にある。火で炙ることによって脂がとけ、
この旨みが出る。氷水につけると脂が固まってしまって、せっかくの旨みが失われるのだ。だから、炙った鰹をそのまま切る。そして、酢で叩くだけでよい。他
の刺身(冷えている方が美味)と違って鰹のたたきは、ほんのりと暖かい方が旨いのであった。てなことを書いてあったので試してみると、本当に美味しかっ
た。冷えたたたきとは全然違う。皆さんもお試しあれ。スーパーの魚売り場に皮付きの鰹が無かった場合は、「背側を皮付きで下さい」とねじ込むべし。「わか
りました」か「無理です」のどちらかになるであろう。
今日は、町内会の夏祭りの日である。豪華抽選会があって本当に豪華だ。一等はテレビなのだ。この景品のために町内会費を払っているような気がしな
いでもないので、祭りに行こうかなと思っていた。しかし、雨が降ってきて戦意喪失した。抽選会の時間にはあがっていたけれど、道路は濡れている。あんを連
れて行ったらびちゃびちゃに汚れて、お風呂の刑となるであろう。それよりも家で飲んでいようと、町内会費回収の可能性を自ら放棄したのであった。
8/12(土)
の進歩 ホームで久々の勝利
ベガルタ仙台が水戸ホーリーホックを 3-1 で下した。実に 7 試合ぶりのホームでの勝利だ。
試合は夜から。昼は、部屋の掃除をしたり、朝市に行って祝勝会のつまみを買ったり、あんをしつけたり、のだめカンタービレを読んだりして過ごし
た。
のだめは 15 巻まで出ているらしい。意識してゆっくり読んで、11 巻まで来た。15
巻まで読んでしまったらどうするか。現在も連載中とのことだけれど、雑誌の方は読まないようにしたい。なんとなく守りたい一線である。
夕方、ユアテックスタジアム仙台へと向かった。思ったよりも寒く、半袖の手をさすりながらの観戦となった。
ボランチには富田が入っていた。富田は、都並前監督がベルディユースから連れてきた選手である。都並前監督に非常に気に入られ、やたらと試合に起用され
ていた。本来はボランチの選手なのに左サイドバックで使われることが多く、不得手なポジションのためか、はっきり言って穴だった。その悪い印象がサポに焼
き付き、「富田は下手」が一致した評価となっていた。ボランチだと実力を発揮するという噂が流れてはいたけれど、今日、生で見て驚いた。富田は素晴らしい
選手だ。千葉の守備力に熊林の展開力を備えている。日本代表でいうならば、今野みたいにすごい。こんな頼もしいボランチがいたなんて!
仙台のボランチは、千葉と富田が確定であろう。もう一枚を、熊林・梁・磯崎らが争うことになりそうだ。
その富田が、一点目の起点となった。高い位置で見事にボール奪取し、ロペスにつなげる。ロペスからのクロスをボルジェスが頭で決めて先制した。その後も
仙台が一方的に試合を支配した。GK 小針は暇そうだった。ボルジェスが二点目を決めて、2-0 で前半を終えた。非常に素晴らしい 45 分だった。
ところが後半になると、悪いときの仙台に戻ってしまった。ラインが下がって前線との距離が空き、前線にボールがつながらなくなってしまった。後半
12 分に大和田に決められて
1-2。その後も、どフリーのヘディングシュートを許すなどひやっとする場面があった。これを入れられていたら、試合がどうなったかわからない。後半
25 分に、関口がヘッドを綺麗に決めて 3-1 となり、ようやく安心した。それからは良いときの仙台に戻り、ホームで久々の勝利を飾った。
水戸は、ロペスにマンマークを付けて来なかった。おかげでロペスは、自由にプレーすることが出来た。となると当然、仙台の攻撃は牙を剝く。「やはりロペ
スにはマンマークを付けるべき」という、反面教師の試合となってしまったかもしれない。
怪我の木谷に替わって初出場した丸山はまずまずの出来か。堅実なプレーで、水戸の FW
アンデルソンを押さえ込んだ。でもやはり、木谷の方が安心できる気がした。
GK
は、高桑を戻すべきではないか。小針はキャッチングが不安定で、何度もぽろぽろしていた。「ぽろ所」が悪ければゴールを決められてしまう。その点で高桑の
方がずっと安定している。
帰宅後、カニを食べながら祝勝会をした。なぜか酷い偏頭痛で辛かったけど、仙台の勝利を祝わずにはおけなかった。
8/11(金)
の進歩 あん、新記録を打ち立てる
八甲田から帰ってから、あんがいけない子である。二夜連続でベッドの上でおしっこ。一昨日の夜にいたっては、7 回の粗相(内約;和室で 4
回、書斎で 2 回、ベッド上で 1 回)という記録を打ち立てた。なんであんなにおしっこが出るんだ?
頭に来たので、ベッド(人間用の)ではなく、寝室に置いたケージ内で寝かせようとした。しかし、「んぐーーん、んぐーーん」と延々と泣き続けることに根負
けしてしまった(本当は、徹底無視しなくてはいけないのだけれど)。恐る恐るベッドの上に乗せてみたら、粗相することなく寝てくれた。昨夜は、和室で
1 回のみの粗相という標準の状態に戻りほっとした。それにしても、トイレの場所をいつ覚えてくれるのか。
とは言いつつも、トイレの場所をあんは認識していると思う。いけない所でしようとしているのが見つかると、トイレに走って行くのだ。和室の方が心地良い
というのか? どうもわからない。
またも欲しがり病が出て、台所の水栓を新しい物に替えてしまった。午前中に業者が来て取り付けてくれた。浄水機能付きの上、手をかざすだけで吐水
と止水が出来る(蛇口に手を触れる必要が無い)
というお洒落なものだ。洗い物をしているときに便利である。台所空間が豪華になってきて嬉しい。
今夜は、四年生の大学院合格祝いと土松の論文出版祝いを兼ねて陸女寿司に行ってくる。ずいぶんご無沙汰している。じゅりのことを話さないといけな
い。あんというすごい子が来ちゃったことも。
8/10(木)
の進歩 一点の翳り
20 インチの iMac ではなく 17
インチのものを買ってしまったこと(昨日の進歩参照)が、心の中で一点の翳りとなっている。翳りを抱きつつ画面に向かっていたら、液晶画面にも一点の翳り
を見つけた。一点だけ、光が切れているのだ。さっそく生協に電話をして、修理を依頼した。ついでに、「差額は払うから、17 インチを 20
インチに変えてくれ」と頼んでおいた(「替えてくれ」と書くべきと気づいたが、「変えてくれ」の方が味わい深いのでそのままにする)。自分でも、かなり無
茶な要求をしているのではないかと思う。でも、アップルに問い合わせてくれるそうだ。やさしいねえ。液晶パネルだけではなく、本体を丸ごと交換する必要が
あるのなら「替えてくれる」かも知れない。17 インチを 20 インチに「変えて」くれたら超すごい。
17
インチを学生に安く売ればよいという助言もあった。自費で買ったのならそれもいいけど、研究費で買ったものである。学生に売りつけて自分の口座に蓄えた
ら、新聞に載せてくれるかも。松本教授ほどの派手さはないが、「東北大助教授せこい」と見出しが躍るのもよし。
昨日は、オシム日本の門出を楽しんだ。素早く単純にパスを回すサッカー、第三の動きで相手を崩すサッカー。代表の試合を見て、面白いと久々に思っ
た。これからどんな風に進歩していくのか、楽しみでしょうがない。サントスは、前目のポジションで生き生きとしていた。あの、二点目の動き出しはすばらし
かった。
改めて思うのは、ジーコは駄目監督だったということ。ジーコは、選手に考えさせるために指示をしなかったのではなく、指示できなかったのだろう。日本の
黄金世代が、ジーコのせいで沈滞の四年間に終わってしまった。
昨日は、三年生の小泉君が、実習の時の写真をわざわざ届けに来てくれた。ありがとう。お茶でもご馳走すればよかった。気の利かないことをしてごめ
ん。
Composer について、千葉研の田辺君と河田研の津田君が教えてくれた。Mac で動くものとしては、SeaMonkey
というものがあるそうだ。さっそくダウンロードして使っている。心地よし。
8/9(水)
の進歩 モリナガ帰仙
モリナガが久しぶりに戻って来た。八幡平にフィールド調査に行った帰りに寄ってくれたのだ。そして、博士論文の方針を相談した。ヒメシャガの研究とコカイ
タネツケバナの研究の両方を載せようということになった。モリナガは、総合イントロや総合考察が書きにくいかも(二つの研究は、内容的にけっこう異なる)
と気にしていたが、そんなこと心配する必要なし。総合イントロ・総合考察なんて、適当に書いておけばいいのだ。今の世の中、大切なのは投稿論文である。博
士論文が博士論文として価値を持つ時代はとうの昔に終わった。博士論文を構成する章(それぞれが投稿論文となる)をきちっと書くことが大切なのであって、
「博士論文」として成り立たせるための部分(総合イントロ・総合考察)なんてお飾りに過ぎない。だから、コカイタネツケバナの論文に全力を注ぐべし。
研究室に来たら新しいパソコンが届いていた(7/27 の進歩参照)。箱から取り出し
てみて、失敗したことに気づいた。今までよりも一回り小さい、17 インチの iMac であったのだ。気が動転していて、20
インチを頼むべきところを間違えてしまった。私は、A4 二枚を横に並べられることに生き甲斐を感じる。どうしよう。
とりあえず、今までのファイルをコピーしたり、ソフトをインストールしたりした。ここで、困ったことが起きた。いい加減、Netscape から
FireFox に乗り換えようと思った(Netscape はずいぶん前に開発中止となり、FireFox がその後継である)。FireFox
をインストールして composer(html を書くソフト)を探したところ、どこにも入っていない。私はこれまで、Netscape の
composer でちょこちょこと自分のページを書いていた。FireFox にも composer があると思いきや。しょうがないから、ID
なんとかという専用ソフトを買ってみた。ところが立ち上げてみて硬直、使い方がさっぱりわからない。やむなく、Netscape
もインストールしたのであった。どなたか、FireFox(あるいは、他のブラウザ)で html を書く方法をご存じないですか?
8/8(火)
の進歩 あん、勉強得意
今日は休暇を取って、あんのしつけ教室に行った。仕事を休んで、子どもの授業参観に行くみたいなものだ。教室ではまず、宿題がどれだけ出来たかを見ても
らった。アイコンタクト・「待て」「あとで」をやって見せたら、「とても上手」と褒められた。今日はまず、「待て」の上級編をやってみることになった。お
座りやふせをさせて「待て」と命じ、あんの周りを二周するのだ。その間あんは、動いてはいけない。やってみると、簡単に出来た。次に、「あとで」の上級編
をやってみた。あんを左横に座らせ「待て」と命じ、私が一歩前に出る。そして「あとで」と呼ぶ。私の左横に来たら、おやつを上げて褒める。「あとで」と
は、散歩の時にあんが付くべき場所(私の左横)のことを指すらしい。ちっとも知らなかった。これ以外にも、お座り・ふせを何度も繰り返すというアクロバッ
トな技なども勉強した。今日も宿題をいっぱい出されたので、家に帰ってからたくさん勉強した。そうしたら、どれもちゃんと出来るようになった。体育会系と
思っていたけれど、あんは勉強が出来るかも。うれし。その割には、トイレに入れておいてもおしっこをせず、ベッドに上げた途端にしてしまうという悪い子で
ある。勉強ばかり出来て日常生活がきちっと送れない秀才型になってはいけない。
8/7(月)
の進歩 帰仙
実習も今日で終わり。実験所の掃除をして帰るのみだ。食堂でノートパソコンを開きこの日記を書いていたら、今井さんと渋谷さんが覗き込んできた。じかに読
まれると妙に気恥ずかしい。
10 時頃、実験所を出発した。ただ帰るのも寂しいので、三内丸山遺跡と鮮魚市場によるのだ。菊池君の車とバイク二台が私の車に付いて来たので、総勢
15
名となった。高原から下界へ降りると、地獄の暑さであった。炎天下で遺跡を歩くのは辛く、みんな消沈気味になった。そこで、「鮮魚市場で美味しい刺身をご
馳走する」と宣言した。青森駅前の市場に着き、場内を見物。ホタテ 30 枚・ウニ 2 舟・イクラ 2 舟・大トロ 1 さく・甘エビ 20
本・ヒラメ半身・スルメイカ 4
はいを豪華に購入した。弁当屋で白米を買おうとしたら拒否され青ざめたけれど、コンビニで佐藤の白米を買ってしのいだ。そして、休憩所のテーブルを囲んで
皆で頂いた。「美味しい、美味しい」と大感激してくれた。私と別行動をとったがために、多大なる不公平感を感じた方々へ。参考までに、大感激してくれた方
々の名簿を掲載します。ご自由にお使い下さい。石塚さん・菊池君・栗原君・小泉君・志賀君・芹澤君・武田さん・竹原君・田中さん・永見さん・羽田野さん・
林さん・丸岡さん・望月君。
二時過ぎに青森を出発した。車中では、武田さん・永見さん・林さん・小泉君がずっと歌を歌っていた。1 時間半ほど歌い続け、30
分睡眠。岩手山サービスエリアで休憩した。小泉君・永見さんが、「先生、眠いですか?」と心配してくれた。確かに眠かった。眠気覚ましを盛んに食べる姿に
不安を覚えたらしい。私の眠気を払おうと気を使ってくれたのか、車中で今度は、山口百恵・キャンディーズなど、私世代の歌を歌い出した。みんなよく知って
いるねえ。自分たちが生まれるけっこう前の歌である。私が、「りんごの歌」を歌うようなものではないのか。おかげで、事故もなく無事に仙台に着いた。
大学に戻って生物棟を見ると、途端に現実に引き戻されてしまった。熱心で愉快な三年生と過ごした夢心地の時間が終わっちゃった。講義も実習も終わり、三
年生との交流は一区切りとなった。寂しいなあ。いつでも遊びに来て頂戴ね。
帰宅後、108 時間ぶりのあんとの再会を果たした。会いたかったよう。
8/6(日)
の進歩 晴れ過ぎ
起きてみると、腹が立つほどの快晴であった。なぜに、大岳に登山した日だけ曇りだったのか。今井さんが、「でも、昨日も大岳に雲がかかっていましたよ」と
ネガティブに慰めてくれた。
今日は、別のブナ林に行って調査を続けた。その間私は、林の中でノートパソコンを広げ、昨日のデータの解析をした。オオシラビソの葉のコスト(葉重/葉
面積)と葉の寿命に物の見事な負の相関があり愕然。正の相関を期待していたのに、どうしましょ。議論のオチが無い。ギボウシの訪花のデータはおおむね期待
通りであった。
午後は蔦沼巡りをした。記念写真を撮って貰うときは、小泉君がいつも写真係りにさせられる。構図の取り方がうまいし、他者のデジカメというのに、持ち主
よりも使い方に詳しいのだと言う。確かにいつも、何らかの設定をして撮っていたようだ。沼巡り終了後、皆がアイスを食べている姿をじっと見つめる。大人は
そんなもん食べないのだ。正確には、財布を持っていなかったのよ。
実験所に戻り、データ処理と議論をした。夜の作業はしたくないという強い意志に満ち満ちた人々の気迫はすさまじく、データを見ながら非常に熱心に議論を
してくれた。オオシラビソの結果についても、丸岡さんの班や永見さんの班らが「なるほど!」と思う解釈を出してくれた。
夜は、花火大会に打ち上げにと大いに盛り上がった。なぜか、山脇君にフルメークする林さんと永見さん。けっこう綺麗じゃないか。「今から寝ます!」と宣
言し、床に座って机を枕に眠出した田中さん。「(昨日みたいに)階段で寝なよ」と声をかけたが、動く気配がなかった。せっかくだから、寝入る田中さんと
ツーショットを撮らせて貰った。ヨネクリンが檄辛の香辛料を出してきた。この世の物とは思えない辛さだそうで、その名も "Sudden death"
だ。実際、ほんのちょっと舐めただけで「痛い痛い」とわめく人が続出した。何も知らずに部屋に入ってきた宮島君は、警戒心無しにぺろっと舐めて、次の瞬間
に水道へと激走した。舐めた後の表情は、小泉君が一番味わい深かった。かたや武田さんは、「たいして辛くなぁーい」と平気であった。ヨネク
リンと同類だよ。かく言う私も、結構平気だったけど。付記:またひげゲームをやったけれど、やはりこれは危険なゲームだと思う。
8/5(土)
の進歩 はまる、はまる
起きてみると、大岳が青空に輝いていた。今日登れば良かったと後悔だ。でも、晴天の元での湿原歩きも楽しいであろう。というわけで、今日の午前中は湿原に
行くのだ。
湿原歩きの楽しみ(私にとって)は、足がずぼっとはまる姿を見ることである。一カ所、泥田のようになった難所があり、下手すると膝下まで埋
もれるのだ。今年はどうなるかとわくわくしながら歩いていたら、難所にたどり着く前に、渋谷さんがいきなりすぼっとやってジーンズが泥だらけになった。そ
こはウケる所はまる所ではない!
難所に到着。二歩踏み出した永見さんが、そのまま歩行不能になった。長靴がはまって足だけ抜けた。このまま放置するのも面白いなと思ったが、いちおう救出
した。この他にも、「素早く駆け抜ければいいんだ」とダッシュで突撃、三歩目で長靴が脱げ、五歩目で、靴下のまま泥に突っ込んだ姿を堪能するなどした。い
やーよかった。今年は四人もはまった。
調査地に着くと、ギボウシの前に座って訪花昆虫を観察した。一回 40
分を二回やるのだ。じっと座っているのは退屈なので、しりとりが三組ほど自然発生していた。生物学用語(?)限定しりとりなど、なかなか奥が深い感じで
あった。
午後は、ブナ林の調査を行った。レーザーを当てて樹高を計る機器の使い方を中静さんが説明。試しに林さんの身長を測ったところ、120
cm
であった。
今夜はデータ処理をすると宣言したら、何人もの学生が、「何時までかかりますか?(訳;早く終わらせて下さい)」と聞いてきた。そう言われると、やる内
容を減らそうと思ってしまう。議論は明日にするか。結局、8:00 - 10:30
くらいまで頑張った。終了後、「ひげゲームはやらない」と宣言してビールを飲んだ。お疲れさま。
夜、暁子より悲報が入った。ベガルタ仙台 0 - 1 ヴィッセル神戸。とほほだ。
8/4(金)
の進歩 温泉旅行じゃねーのか?
今日は、大岳登山をする。7
時に起きて、朝食のために皆が集合するのを待っていた(皆が揃って、酸ヶ湯温泉の朝食バイキングを食べに行く)。そこへ、昨日はねた女の子達は、早起きし
て朝風呂に行ったという情報が伝わって来た。風呂から戻ってきた田中さん・丸岡さん・石塚さんが、「みんなで集合して朝食に行くとは思っていませんでし
た」と言った。今一つ、真意がわからなかった。皆が集合してから、酸ヶ湯温泉の朝食会場に行った。バイキング用のおぼんを受け取ろうとしていたら、かの三
人が、「もう取って、置いてあるんです」と中に入っていった。そういう意味であったか。朝風呂の後、三人だけで朝食を摂ろうとしたところに、「皆が揃うの
を待っている」と電話がかかってきて、慌てて戻って来たらしい。朝風呂でさっぱりして朝食会場へ。まさに、実習じゃなくて友
達と温泉旅行に来ている姿であった。田中さんが、皿を持って追加の品を取っているのを見て、30
分放置するとさらに食欲が沸くんだと感心した。
大岳登山の出発時間が近づき、実験所の玄関に皆が集まってきた。さあ出発という段になって、羽田野さんが、「スニーカーが片方無いんです」と言ってき
た。見ると、黄色いスニーカーを右足に履いたまま、左足を探している。玄関中を探し回ったものの発見できなかった。こんなミステリーがあるのか。結局羽田
野さんは、長靴で登山することになった。
登山開始。どんどん雲行きが怪しくなって、仙人岱に着く頃には、完全に雲の中に入ってしまっていた。冷たい強風が吹き荒れ、寒くてしょうがない。山頂も
最悪の寒さだった。実習登山としては、ワースト 3
に入る物になってしまった。春の実習ではカタクリを枯らすし、この学年、どうも怪しい。しかし、毛無岱に降りた頃には風も無くなっていた。となると、最高
の気分での山歩きとなる。キンコウカが満開。これだけ美しいキンコウカは初めてだ。なんだかん
だで楽しい(と信じたい)大岳登山となった。付記:後で聞いたところ、学生の多くの感想は、「大変だった」であった。確かに、疲れるし寒いしで、大変なこ
とは大変だったか。晴れていたら印象はまったく変わるのだけれど、ま、「ついてなかった」と思って頂戴。
実験室に戻ってサンプル処理をした。夕方、宿泊棟に戻ってみると、黄色いスニーカーの左足が燦然と輝いていた。あれだけ探し回って見つからなかった左足
がなぜ、玄関のど真ん中に出現しているのか? なぞを残したまま、スニーカー失踪事件は一応の解決をみたのであった。
夜は、花火をした。その後、「ひげゲーム」というのをやった。一人ずつ 1 から順番に番号を言っていく。ただし、7 の倍数と 7
が付く数字のときは「ひげ」と言い、言う順番が逆転する。7 の倍数なんてわかん!
罰として散々飲まされてしまった。はい、記憶喪失です。かなり飛んだ模様です。
林さんには、「ひどかったです」と言われてしまった。ごめんなさい。はじけた私を見たいと言っていたのに、ぶつぶつぶつぶつ。
8/3(木)
の進歩 八甲田へ
今日から八甲田山野外実習が始まる。今井さん・菊池君・小泉君・志賀君・武田さん・竹原君・田中さん・永見さん・羽田野さん・林さん・丸岡さ
んと共に、車二台で八甲田へ向かった。去年は、9 時に出発したら 4 時に着いた。3 時集合と自分で言った手前、今年は
8
時出発にした。ところが、十和田湖畔に着いたときに既に 2 時であった。「4 時に着けばいいですよ」と盛んに言う人が一名いたけれど、おそくとも
3 時 30
分には着きたかった。集合時間通りに来た人に申し訳が立たない、というより、今夜ねぶたに行くためには、出来るだけ早く着く必要があったのだ(入浴食事を
手早く済ませ、6
時に実験所を出発したかった)。でも、湖畔を歩いて乙女の像を見たり、奥入瀬渓流で遊ぶなどしてゆっくりしてしまった。皆が嬉しそうにするし、実験所の植
物園内散策を取りやめれば遅れは取り戻せる(実習に行くんじゃないのかね)。結局、実験所に着いたのは 4
時であった。待たせてごめん。それにしても、去年より 1
時間早く出発したのにどうして同じ時間に着いたのだろう。やはり、その手の心理(早く出たら長く遊んでしまう)が働いているのか?
6 時 25 分に実験所を出発し、ねぶた会場へと向かった。会場には 7 時に着いた。14
名くらいの学生は、はねとの衣装を借りて跳ねに行った。私と、残りの 12
名の学生は見物に専念していた。私にとっては 3
年ぶりのねぶたである。やはり、東北の夏祭りは良い。
終わり頃、ふっと目をやると、デジカメで渋谷さんが私を密かに撮っていた。うむ、スターになった気分だ。しかし、女装した気持ち悪い
男(赤の他人)も嬉しそうに撮っている姿を目撃し、かなりがっかりした。
帰りに花火を買って帰ろうとしたけれど、なぜか売り切れ。今夜の花火大会は中止となった。そのかわり、満天の星空にみんな大喜びであった。
8/2(水)
の進歩 月初め談話会
月初めの談話会があった。中静さんが参加するのではないかとしばらく待っていた。しかしお姿が見えず、10
分遅れで始めた。午前中の生理生態の談話会には出
ていたのに、どうしてだろう?
建前上、七月いっぱいを受験勉強に費やした四年生は、先月の報告はあまりない。今月からは、気合いを入れ直して卒業研究に邁進しておくれ。ちのは、八甲
田での調査を一通り終えて帰仙して来た。一調査終えて帰ってきたのだから、八甲田報告をもう少し詳しくやってね。みっちーは、師の姿を見習いパソコン故
障。談話会資料を手書きで書いた。今年はヒメシャガの食害が多いそうで、データがまとまるのが楽しみである。去年と逆のパターンになったら面白い。今日の
主役はかとぅであった。エゾリンドウ・サワギキョウを用いた実験計画をびっちり書いてくれた。蜜の操作実験をするのだけれど、何を持ってコントロールとす
るのかが鍵となりそう。いろいろ議論した結果、1) 蜜量を減らした花、2) 蜜濃度を減らした花、3)
蜜量と蜜濃度を維持した花の三処理をすることにした。三番目の処理がコントロールである。他の花(何も処理をしていない花)は出来るだけ取り除くのが望ま
しいと思う。
今日の談話会で感じたこと。以前の談話会ですでに話したことも、必要に応じて改めて話す方が皆の理解は進む。「すでに話したこと」がすべて、「皆が理解
ずみのこと」になっているとは限らないのだ。重要なことは何度繰り返したって良い。大切なのは、先月の報告や今月の目標が、各自の研究に置いてどういう位
置づけにあるのかを知って貰うことである。モリナガはこれを実践している。資料の冒頭に研究の狙いを書き、それに続いて、これまでの経過
を繰り返しつつ、先月の
報告と今月の目標を書いている。こうすれば、先月と今月の位置づけが良く理解できる。談話会資料の書き方、工夫してみて頂戴。
明日から 7 日まで、八甲田山野外実習に行ってくる。天気は良さそうだ。楽しい実習にしよう! というわけで、次回更新は 7
日の予定だ。
8/1(火)
の進歩 これからホームページをつくる研究者のために
Academic Resource Guide 編集長の岡本
真さん執筆の、「これからホームページをつくる研究者のために」をお送り頂いた。研究者が情報発信することの大切さを訴えた本である。そして、インター
ネット技術の解説ではなく、「どうしてつくるのか」「何を書くべきか」について解説している。
ホームページで、自分の研究について情報発信しておかないと
いけないと薄々は感じていた(私は、論文の書き方については書いているが、自分の研究についてはほとんど書いていない)。岡本さんの本を読んで、研究紹介
を
真剣にやらないといけないと思った。何しろ、私の個人ページの
「研究紹介」は、1998 年の個人ページ開設からずっと工事中のままである。8 年間工事中とは、かえって金字塔で
はないか? ぜ
ひ、記録として加えて下さい。
岡本さんは、日記を書くことも勧めている。日記は私も一所懸命書いている。でも、岡本さんの勧める物とは全然違うと
思う(強い確信)。
岡本さんのご本の書名は、拙著「これから論文を書く若者のために」にちなんで付けて下さったものである。
「筆者が執筆を進めるなかで、常に意識していたのが、酒井氏の「これから論文を書く若者のために」であった。優れた書籍は「名は体をあらわす」の言葉通
り、優れた書名を持つ。そう実感させてくれる酒井氏の「これから論文を書く若者のために」は、常にこの本の起点であった」(p. 268)
ありがたいお言葉、恐縮です。深く感謝申し上げます。
大学院入試があった。私は、専門科目の試験監督をした。試験室に入った途端、「酒井さんだ!」という佐藤さんの声が聞こえた。中には、生物学科の
四年生が 20 人ほどいた。みんな元気かい、久しぶりだね。
「これから専門科目の試験を行います」と私が話し始めると、有賀君がすっと部屋から出ていってしまった。どこ行くんだい、こりゃ。おかげで、「試験が終
了するまで試験室から出ないで下さい」という決めぜりふを言えなくなってしまった(数分後、無事に戻ってきた)。
試験開始。今日が、第二の人生への旅立ちの日となると悟った受験生が一人いることは確認した。試験中、佐藤さんと目が合いにたにた笑ったあたりは怪しい
試験官であったか。それ以外は、盛り上がりに欠けた試験といえる。「帝国の陰謀だっ!
みな立ち上がれっ!」と叫び出す受験生が欲しかった。試験終了後、「それでは来年お会いしましょう」と言って、監督を無事に終えたのであった。
みんな、お疲れさまでした。