「これから論文を書く若者のために」
出版後の進行状況

若手研究者のお経
進行状況ホーム


6/30(木)の進歩 お菓子が入って いた 今 日は、アオキの実習のレポート締切日である。提出先は私の部屋だ。昨日、部屋の扉にレポートを入れる袋を吊り下げて帰宅した。今朝袋の中を覗くと、お菓子が入っていた。???。賄賂か? それにしては、差出人の名前がない。平島君のレポートも一緒に入っていたけれど、両者の結びつきを断定するのは少々危険である。「まいいか、大学の先生っ て儲かるなあ」と思いながら、お菓子を食べたのであった。
 今日になって、皆が続々とレポートを持ってきてくれた。皆頑張ってくれたようだ。お疲れさまでした。とりあえず、中身とは関係ない部分で表彰だ。

先陣(一番最初に提出) 佐藤さん
最優秀枚数賞;最長部門 石橋君
同賞;最短部門 高橋君・中村さん
最優秀紙質賞;豪勢部門(紙が高そう) 秋場君
同賞;エコロジー部門(紙が安っぽい) 中村さん
最多ホッチキス賞(ホッチキス二個で留めている) 櫻井君・沢畑さん・宮岡君
地下茎の伸びを確かめるためにアオキを掘った意欲を非常に高く評価したい賞 高柳さん・渡邉さん
でも来年以降も実習を続けるのだから実習で使った場所でないところで掘りま賞 同二名
しんがり 児玉君

なんと、締め切りまでに全員ちゃんと提出してくれた。優秀な学年だ。中身に関しては、これからじっくり読んで評価するからね。
 昨日の講義で遅刻者が多かった理由を小平君が教えてくれた。実習をやっていて、休み時間にちょっとした作業をしなくてはいけなかったそうだ。そうであっ たか。
 みっちーの論文セミナー。食害がその後の花生産にどのように影響するのかを調べた論文を紹介してくれた。八甲田に行っている人が多く、参加者は六名しか いなかった。ちょっと寂しい。花期が進むと花が小さくなるというデータがあり、資源不足によるものだろうと考察していた。もー、私の論文を読んで頂戴 (Sakai and Harada 2004; Journal of theoretical Biology 226: 253-264)。資源不足だけなら、花の大きさはそのままに数が減ることが最適なのだ。花の大きさと数のトレードオフが非線形でないと、花は小さくなら ないのだよ。
 ベガルタ仙台は明後日、敵地で湘南ベルマーレと闘う。前節は出場停止だった熊谷も帰ってくる。我らの頼もしきキャプテン。「都並監督から“ピッチ監督” の称号まで与えられた主将」である(サンスポよ り)。仙台サポの九割方は、「ピッチ監督」という言葉を、称賛ではなくマジと 受け取り悲しくなっているであろう。
 食害がある元での最適種子生産の論文の、考察の章を書き進めた。新たに文献を検索したりして考察を補強。何とか見通しが立ってきた。
6/29(水)の進歩 眠い 生物学科三 年生対象の講義をした。なぜか、遅れて入室してくる人が多数。一コマ目の講義には出ていた模様なのに、何故に遅れてくるのか? 講義の内容は、植物の性表現の多様性がなぜ進化したのかという話であった。講義後半になると、寝てしまう人が数名出没した。がーーん。退屈であったのか。 今年の三年生はあまり寝なかったのに、今日は、今までの鬱積を晴らすような勢いであった。ちなみに、講義が始まる前から、机に突っ伏して爆睡している人が 一名いた。顔が見えないので、「一体誰だろう」と思いながら講義を進めていた。そして一時間ほどして起床。おかげで犯人がわかった。最期までずっと寝ていたらばれなかったのにねえ。
 食害がある元での最適種子生産の論文の、考察の章に取りかかった。いつもながら、考察は苦手だ。
6/28(火)の進歩 戦国 J2 戦国 J2 だそうだ(サンスポよ り)。甲府 (27)・福岡 (27)・鳥栖 (27)・札幌 (27)・山形 (25)・仙台 (24)・湘南 (22) (かっこ内は勝ち点)という熾烈な争いをしているのだから、まさに群雄割拠である。この戦国の世を切り従えるのはどこか。ついつい覇権を争っている気持ち になってしまうけど、勝ち点 47 でダントツ首位の京都がいるのであった。そういう意味で、強力な幕府と似たり寄ったりの大名という、堅固な幕藩体制が成立していると見る方が正しいのではないか。
 今日は、有賀君と片淵君が、アオキのレポートの質問に来てくれた。アオキが性転換するならば結果がうまく説明できそうという有賀君の仮説をあっさり棄 却。だって性転換しないのだからしょうがない。雌雄の繁殖コストの違いに着目して考えると良いと思うよ。「このレポートだけ、なかなか終わらなくて」とも らす片淵君に、私はちょっと不安になってしまった。ひょっとして、無理難題のレポートを出してしまったのか? 明日の私の講義、レポートにかかりきりになってみんな欠席か?
 イタポンが、今年の研究計画の相談に来た。明日にはもう、八甲田に旅立つそうである。雄性先熟の度合いと自殖率の関係、第一花と第二花の役割の違いをう まくからめた、面白い研究計画を練っている。第一花と第二花の自殖率の違いを推定することが鍵となりそうだ。この推定方法を検討しよう。また、これらをう まくモデル化したら、ますます面白くなるのではないか。それと、調査申請書類の仕事、ご苦労様。ありがとう。
 食害がある元での最適種子生産の論文の、結果の章を完成させた。さっそく、共同研究者の原田さんに送った。コメントよろしくお願いします。引き続き、イ ントロの改訂に取り組んだ。モデルを改良したので、イントロも少々直す必要があったのだ。で、一応完成だ。明日もう一度見直すことにしよう。残るは考察の 改訂。これは大変そうだ。
6/27(月)の進歩 生物学演習終わる 生物 学科三年生対象の生物学演習(英語の論文を輪読する講義)が終わった。みんな頑張ってくれて、充実した演習となった。一回につき一本の論文を読み切りで、 植物の繁殖生態に関わる五本の論文を読んだ。「どれが面白かった? どれがつまらなかった?」と聞いたところ、多くの人が、ミツバチの実験の論文(バーコードの様な模様が内側に描いてあるトンネルの中をミツバチを飛ばせ て、ミツバチのダンスの意義を調べた物)が面白かったとのことであった。確かに。よくこんな実験思いつくなあというすごいものであった。ただ、小嶋君は、 ミツバチの研究だけに留まる感じで発展性が無いという鋭い指摘もしていた。「遅延自殖の適応的意義を調べた論文」や、「花序が大きくなるほど、自殖が増え て他殖が減ってしまうことを示した論文」も面白かったようだ。一方、つまらなかった論文はあまりなかったようではある(みんな Nature, Science の論文だし)。ただ、五十川さんは、「性機能を終えた花は色が変わることの適応的意義を調べた論文」が、あまり印象に残らなかったという。なるほど。読ん だ中では、一番古い論文だったしね。伊藤君は、「一つの遺伝子が変わっただけで花の色が変わり、さらには訪花者(マルハナバチからハチドリへ、あるいはそ の逆)も変わることを示した論文 (Bradshaw Jr and Schemske (2003) Nature 426:176-178)」が今一つに思えたらしい。気が合うねえ。私は、「花の色が変わると訪花者も変わる」という部分は、「ああ、そうだろうねえ」く らいの感しか抱かない。「一つの遺伝子が変わっただけで花の色が変わる」という部分も、「ふーーん」くらいなのだ(モリナガから文句が来そうだけど。モリ ナガの研究の意義は理解しているつもりだぞ)。それに、"pollinator shift" とタイトルで謳っている割には、野生型(花の色は元のまま)も突然変異型(花の色変化)も、多数派の訪花者は同じ(マルハナバチ媒花はマルハナバチのま ま、ハチドリ媒花はハチドリのまま)なのだ。確かに、マルハナバチとハチドリの相対訪花頻度は大きく変化しているけど。突然変異型への総訪花数(マルハナ バチの訪花+ハチドリの訪花)は野生型への総訪花数より少ないので、突然変異型が侵入できないことも明白。つまり、その一つの遺伝子が変わったことで、 「マルハナバチ媒花 --> ハチドリ媒花」(あるいはその逆)という進化は起こりえない。「マルハナバチとハチドリの個体数が変化すれば」と書いてあったけれど、苦しい議論 だ。・・・・・何か話がそれてしまった。ともかくも、五十川さん・伊藤(聖)君・片淵君・小嶋君・小平君・安野君・山岸さん、お疲れさまでした。宣伝:こ ういう研究に興味を持ったら、是非とも酒井研にいらっしゃいませ。大歓迎します(演習は取らなかったけれど、私の講義に出てくれている人も!)。
 食害がある元での最適種子生産の論文の、結果の章を書き進めた。一段落したので、この日記を書いてから読み直すことにした。しかし、真面目なことばかり 書いていたら時間が無くなって、帰る時間になってしまった。あややややややや。
6/26(日)の進歩 アホでマヌケなアメリカ白人 前 から気になっていた、「アホでマヌケなアメリカ白人」を借りてきて見た。面白い。痛快。アメリカってほんと、どうしようもない国だ。日本も同じくらい、ど うしようもない国だけど。
6/25(土)の進歩 負けなくてよかった みちのく決 戦は 0-0 の引き分け。仙台としては、負けなくてよかったという内容だった。
 朝、目覚めると体がだるい。下半身が重く、微妙に熱っぽいような喉も痛いような。水曜日以来、どうも体調が悪い。でもまあ、ちゃんと動き回れるので、朝 一番に芝刈りをした。死ぬほど熱かった。なんだこれはという感じ。妙に眠くなったので、昼寝をした。
 午後三時過ぎ、じゅりを連れて山形へと出発した。途中弁当を買って、スタジアムに着いたのが五時前であった。入場後外に出ることが出来る(これは良い仕 組みだ)というので、車にじゅりを残して、席を取るために入場した。そして車に戻り、運動公園内をじゅりと歩いた。広いねえ、いかにも国体のために作った という施設だ。弁当を食べて、6 時 20 分頃に、「ちょっと待っててね」とじゅりに嘘こいて、スタジアムへと入った。
 入場者数は 1,9418 人。一万人以上が、黄金の仙台サポであった。今日は何とかという企画があるようで、山形サポには、新聞紙大の紙が配られていた。このブロックの人々は青、 このブロックの人々は白と、山形のチームカラーの紙であった。選手入場に先立ち、この紙が一斉に掲げられ、山形サポ陣取るスタンド全体に、青と白の 綺麗な縞模様が浮かび上がった。これを見た仙台サポは、「ニッポン、ニッポン!」のコールを送った。笑った。確かにこの青と白、日本代表の応援み たいだ。
 前半は、仙台の酷さが目立つ内容であった。選手起用失敗。左サイドバックの富田は相変わらず頼りない守備をして、富澤がたびたびカバーに引っ張り出され る。右サイドハーフに回された大柴も、「水を得ない魚」という感じ。やはり彼の仕事場は FW かトップ下だ。最悪だったのは村上で、位置取りが悪くバイタルエリアにスペースを作りまくるは、パスミスの連発でピンチを招くはと、まったく酷い出来で あった。一方の山形は、仙台の左サイドをたびたび破り、ダイレクトを多用して中央突破をかけてくる。そして前半 34 分、山形 FW 阿倍のシュートがポストに弾かれたところを、根本がゴールに流し込んだ。しかしこれはオフサイドの判定であった。帰宅後ビデオを見たら、「バー(注;実際 はポスト)に当たって跳ね返ったのにオフサイドなんてありえるのかよー」と叫んでいる観客の声が入っていた。この人はルールを知らない。阿倍のシュートが 直接根本の所に来ようと、ポストに当たってから来ようと、根本はプレーに関与している。だから、阿部がシュートを打った瞬間に根本がオフサイドの位置にい たら、オフサイドである。ビデオで確認したところ、シュートの瞬間、根本はオフサイ ドの位置にいなかったの。だから本当はゴール。仙台としては助かった。後半になると、仙台もまあ良くなってきた。後半 19 分、シュウェンクに替えて清水を投入。大柴が FW に上がった。ところがその四分後に、森川が二枚目イエローで退場となってしまい、反攻作戦が頓挫した。さらに五分後には、山形の大塚も退場となり、仙台や る気復活だ。そして、富田に替えて広大(渡辺広大のこと。広島大学ではない)を投入し、3-4-2 の布陣を取った。そしてなぜか都並監督は、大柴に替えて関口を投入した。なんで大柴を下げる?戻った大柴は、監督と握手もせず、ユニフォームを脱いでベン チに叩き付けていた。しかもこの交替の時、富澤が治療のため外に出ていた。構わず交替させようとする監督を、シルビーニョが慌てて止めていた。そりゃそう だ。三枚目の交替だというのに、もし富澤が駄目だったらどうする。結局、傷だらけの死闘も、0-0 の引き分けに終わった。相変わらず、監督采配に疑問が残る試合であった。
 帰宅後、ビールを飲みながら試合のビデオを見た。シルビーニョのあのシュートが後 3 cm 下にいっていたら、祝杯だったのになあ。
6/24(金)の進歩 絶対に負けられない闘いが、あちこちにある  明日は、モンテディオ山形とのみちのく決戦である。必勝あるのみ!  絶対に負けられない闘いがあちこちにあって、選手はさぞや大変であろうが、お仕事なので頑張って頂きたい。出場停止の熊谷の替わりに、ついにシルビーニョ が先発復帰するらしい。キープ力抜群の彼が入ると、中盤が俄然落ち着く。まだ本調子ではないらしいけれど、きっとやってくれるであろう。そのシルビーニョ はトップ下に入り、大柴は右サイドに回るようだ。私としては、逆の方が良いと思うのだけど。前回、ホームでのみちのく決戦に敗れ、山形県民歌を高らかに歌 われた悔しさは忘れない。今度は、私たちが山形県民歌を歌う番だ。じゃなくて、宮城県民歌ってあるのか?  秋田県民歌なら知ってるけど。私も明日、敵地に駈け散じる予定なり。
 今日は、沢畑さんがアオキのレポートの質問に来てくれた。取り調べを受けるみたいに、色々質問され、一つ一つ答えていった。これらの質問をつなぎ合わせ ると、どういうレポートになるのか、楽しみが膨らんだ。
 昨日に引き続き、食害がある元での最適種子生産の図描きに没頭した。結構な計算になってしまい、Mathematica が図を出力するのに時間がかかる。我慢するしかないと思いきや、数字を打ち間違えて、計算量が十倍になっているではないか。一時間近く無駄にしてしまっ た。その後も根気のいる作業を重ねた。そして最期の一枚が、出来たように見えた。ゆっくり確認して、完成! ああ、すっきりした。
6/23(木)の進歩 三年生頑張る 今月末 は、アオキの実習のレポートの締めきりである。三年生は、頑張って書いてくれているようだ。まず、伊藤(聖)君と小嶋君が質問に来てくれた。「質問があり ます」とレポートを見せてくれた伊藤君。で、質問は何かと思ったら、この方向で問題ないかという確認であった。見ると、いろいろ独自に解析して考察をして いる。偉い。草の形に関する私の論文を参考にしてくれていた。これから、個体密度に着目して性比のずれを説明しよう思っているとのこと。良い着眼だ。レ ポート楽しみにしているからね。小嶋君は、「雌雄で寿命が違うと、出生性比(種子の時点での性比)も 1 対 1 からずれるのではないか」と疑問を呈した。三年生がこれを思いつくとは驚いた。ダニを対象に、北大の佐藤さんが発表したモデルと同じ考えだ。たとえば雄の 方が寿命が長いと、雄の方がより多く繁殖に参加する。すると、雌を巡る雄間の競争が激しくなるので、雌を多く産む方が有利になるという考えである(これで 良かったっけ?)。つまり、出生性比が雌にずれる。小嶋君は、これをモデルで考えてみたいという。雌は一回だけ繁殖、雄は二回繁殖という簡単な状況で考え てみるといいと思うよ。これ以外にも二人は、いろいろ質問してくれて、充実感が伝わってきた。その後、児玉君も質問にやって来てくれた。三人が帰ってしば らくして、今度は高柳さんと渡邉さんがやって来た。見ると、手にアオキを一本持って いる。何じゃこれは? 雌雄で地下茎の伸びが違うかどうか見るために、掘ってきたのだという。偉い、というか豪快だ。そして、「先生、これは雄ですか、雌ですか?」と聞かれた。 花も付いていないし実も付いていない。正確なところはわからないが、花序の取れた痕の感じから、「雄ではないだろうか」と推定した(ごめん、確証は無 し)。そして、レポートで考察しようとしていることに関して、いろいろ質問してくれた。なぜか、「これ以上話すと(考察の)ネタばれになる」と気にする二 人。なぜ、ばれてはいけない? 私がレポートを読むのに。いろいろ話した後、「よし、雌を掘ってこよう」と飛び出していった二人であった。蚊に気をつけてね。こうやって頑張っている姿を 見ると、本当に嬉しくなってしまう。
 友蔵の論文セミナー。鏡像花(花柱が、左に向いた花と右に向いた花がある種)の適応的意義を調べた論文を紹介してくれた。Nature の論文なので、細かい手法はあまり書いていない。そのため、コントロール処理が、本当にコントロールになっているのかという疑問が生じた。でも、不思議で 面白い現象だ。
 生物学科卒業生の佐藤君(D2 のひさしの代)が訪ねてきてくれた。就職したものの、研究に対する熱意を捨てきれず、オーストラリアの大学院に進もうと決意したのだという。なかなか厳し い道のりらしいけれど、頑張って、是非ともその願いをかなえてくれ。
 ひさしは、明日からいよいよ八甲田に住み込む模様である。研究計画の相談に来てくれた。長花柱型と短花柱型において、雌雄の繁殖成功が対象ではない(長 花柱型の方が雌成功が高く、短花柱型の方が雄成功が高い)ことを調べるのだ。ただし自殖(または同型での受粉)の可能性もあるので、長花柱型(短花柱型) が作った種子がすべて、短花柱型(長花柱型)の花粉によって受粉したとは限らない。遺伝マーカーとかを用いて、異なる柱型間での受粉がどれくらいあるの か、調べる必要があるのではないか?
 食害がある元での最適種子生産の図描きに没頭した。Mathematica で描いた図を Apple Works にコピーして清書する。他に能率の良い方法は無いのかと思いつつ、もう何年もこうして図を描いている私であった。
6/22(水)の進歩 家庭の医学を読んで元気が出る人はいない  昨夜の夕食に、海老フライを食べた。量が多かったのか油が古かったのか、食べ終わった途端、胃がもたれてきた。今朝目覚めても直っていない。研究室に行く のは無理そうなので、とりあえず午前中休暇を取ることにした。じゅりは、ベットで寝ている私の枕元に座り、私をじっと見ている。そして隙を見ては、私の口 をぺろぺろ舐めようとする。折しも昨夜の「最終警告! 本当は怖い家庭の医学」で、パスツレラ症という、ペットから感染する恐ろしい病気の話をしていた。犬の 75 % はパスツレラ菌を持っているのだと。そして、1) ペットとキスをする、2) ペットと一緒に寝る、3) 自分の食器でペットにおやつをあげる飼い主は、感染の危険大だと言っていた。私は、3) はしていないけれど、1) と 2) はばりばりにしている。なにしろ暁子と、じゅりのくちびるを奪い合っているか ら。さらには、「あなたは最近、鼻づまりになったことはありませんか?」だって。そりゃもう鼻は悪い。昔からだけれど、一年半前(すでにじゅりは、我が家 の子となっていた)にさらに悪化したように思う。大丈夫かなあと思いつつも、多分大丈夫だろうという根拠の無い自信にも裏打ちされるのであった。だって、 ペットを寝室に入れるなと言っていたけれど、そんなこと出来るかっつーの。1) は少々控えるにせよ、2) は絶対止めないであろう。それで胃の話。午後になったら楽になったので、研究室に出てきた。そういえばこのところ胃の具合がおかしいし、「酒井さんは、海 老フライの食べ過ぎだろうと思ってしまいました。しかしこれこそが、病からの最終警告だったのです」だったりして。
 午後から、食害がある元での最適種子生産の論文の執筆を進めた。書くべきことが多くて混乱してくる。図も描かないといけないし。とりあえず地道に、一つ ずつ順番にこなしていくことにしよう。
6/21(火)の進歩 ところ変われば まれに 見る混戦の J2。二位以下は(かっこ内は勝ち点)、甲府 (27)・福岡 (26)・鳥栖 (26)・山形 (25)・札幌 (24)・仙台 (23)・湘南 (22) となっている。この混戦を表現するのに、それぞれの土地柄が伺える。まずは東北の新聞(サンスポよ り)。

「J2は2位・甲府と7位・仙台までの6チームが、勝ち点差『4』の中にひしめく大混戦となってきた」
甲府 (27)・福岡 (26)・鳥栖 (26)・山形 (25)・札幌 (24)・仙台 (23)・湘南 (22)

北海道の新聞(日刊スポー ツ北海道より)
「順位こそ6位のままだがJ1昇格圏内の2位甲府に勝ち点差は3」
甲府 (27)・福岡 (26)・鳥栖 (26)・山形 (25)・札幌 (24)・ 仙台 (23)・湘南 (22)

山梨の新聞(山梨日々新聞よ り)
「2位福岡、3位鳥栖がともに敗れたため、順位を今季最高の2位に上げた」
甲府 (27)・福岡 (26)・鳥栖 (26)・山形 (25)・札幌 (24)・仙台 (23)・湘南 (22)

同じ物を見ているのに、見え方はこうも変わるのであった。
 どうでもいいけど、何なんだ、神奈川新聞のイメージキャ ラクターは。こんだけ怪しい生き物もないぞ。
 食害がある元での最適種子生産の論文を書き進めた。原田さんの助言に従って、直感的な説明に改訂したのだ。なるほど、こんなに簡単な(良い意味で)話 だったんだと、感心した。
6/20(月)の進歩 本気か? いろいろな 報 道機関が、ライブドアの堀江社長が、ベガルタ仙台への出資を「前向き考えたい」と発言したと報じている(例えば河 北新報)。本気か? プロ野球参入騒動のときも、フジテレビ乗っ取り作戦のときも、こんな感じの発言をして、実際に実行に移した人だ。今回もひょっとすると実行に移すかも知れ ない。ベガルタ仙台にとって良いことなら歓迎だけど、何かなーという思いもある。ともかくも、有言実行撤退の人なので、しばらく様子を見ることにしよう。
 今日は、「双子のさくらんぼ」を楽しんだ。とは言っても、ゴールデンハーフが歌っていそうな 70 年代の歌謡曲を聴いたのではない。彩子が、実家で作っているさくらんぼを持ってきてくれたのだ。「味は美味しいけれど商品にならないさくらんぼ」というこ とだ。見ると、一つの柄に果実が二つくっついた、双子のさくらんぼがたくさんあった。さくらんぼはこんな風にもなるのかと、一柄で二粒の種子を味わったの であった。美味しかった、ご馳走様。
 食害がある元での最適種子生産の、数値計算をした。以前に作ってあった Mathematica のファイルを立ち上げ、新しい仮定を取り入れて少々改良。ところが、バグが出るは出るはで、しばらく頭がおかしくなった。ぐっと考え一つずつバグを除去。 おかげで、モデルに対する理解も深まった。それにしても、シミュレーションをやる人って、よくも気が狂わないなと思った。複雑なシミュレーションだと、い ろいろ訳のわからないバグが出るだろうに。それらを根気よく直していくなんて、想像しただけで疲労感に襲われた。
6/19(日)の進歩 じゅり坂 朝、じゅりを庭に出し ていたら、近所の子ども三人が、「じゅりと遊ばせて下さい」とやって来た。しばらくじゅりと遊んだ後、「もういいかい?」「まあだだよ」と、かくれんぼを 始めた。人の家の庭で何やってんだ。それに、隠れる所なんて無いだろう。それでも飽きもせず、何回もかくれんぼを続けていた。
 久しぶりにヨネヤマプランテーションに行って、野草などを買うことにした。途中、友蔵絶賛の讃岐うどんの店に入り昼食を摂った。駐車場は満杯、玄関の所 には、席が空くのを待っている人が 7-8 人いた。いつの間にか、行列が出来る店になっていたようだ。さもあらん、美味しいもん。ヨネヤマプランテーションには、「じゅり坂」と呼ばれる、入り口と 屋外売り場を繋ぐ坂がある。この坂を通るとじゅりは、必ずトイレをするのだ。今日も、おしっこをした。買い物を終え再びこの坂を通ったら、今度はうんちを した。見事。
 帰宅後、買って来た野草を植えた。そして、庭のあちこちを粛正した。植えた当初は可愛げだった草木が勢力を拡大し、隣の草木を被陰しあうという戦国の世 に突入しつつあったのだ。クロユリは既に討ち死に。他にも危ない草木がある。そこで、態度がでかい草木をすいて、光を平和に分け合うようにし向けた。これ でしばらくは平穏か。
6/18(土)の進歩 苦しみながらも 勝利! ベガルタ 仙台が水戸ホーリホックに 1-0 で勝った。引いた相手に苦しみながら、執念でもぎ取った勝利であった。
 今日の試合は夜七時からなので、庭仕事をすることにした。芝刈りをして肥料をまき、庭の、最後に残された荒れた領域に手をつけた。裏庭を綺麗にして、こ れで我が家の庭は完璧と思っていたら、東側の一画が汚いことを思い出したのだ。ただでさえ狭い所に、エアコンの室外機や暖房の室外機が置かれ、通りにくい 通路になっている部分である。芝は伸び放題、雑草も入り放題であった。そこで意を決して、ここも綺麗にすることにした。ここは洋風にしよう。まず、芝と雑 草を抜き、ウッドデッキに使う踏み板を敷いた。そして周りに、ウッドチップを撒いた。ところが、ウッドチップを一盛り撒いた瞬間、「これは格好悪い」と 思った。袋を開けてみると、想像以上に黒く、かつ、醗酵したチップであったのだ。「止めようか」と思いもしたが、とりあえず全部撒いてみることにした。そ して全体を眺めてみると、思った通り、もの凄く格好悪くなっていた。うーむ、明日にでもやり直すか。
 夕刻、美容院に行っていた暁子と落ち合って、仙台スタジアムへと向かった。今日は観客が多いなと思ったら、1,7023 人という、久々の準大台であった。同時刻に宮城野で行われた宮城のプロ野球会社の試合は 1,2000 人ほど(しかも、こっちは水増ししているであろう)なのだから、宮城県民がどちらを愛しているのかは明白である。
 水戸は、4-1-4-1 という変則的なシステムで、フィールド選手 9 人がきっちりスペースを消して守ってくる。この守備に苦しみ、前半の仙台は全然駄目であった。満足に中盤を作ることが出来ない。そしてパスミスを連発し て、ピンチをたびたび招いた。水戸は、ボールを奪うと、1 トップの岩舘に確実に繋いでくる。しかしそこから先はミスをしてくれることが多く、決定機にはいたらなかった。私は、後半頭からシルビーニョを投入すべき だと思った。中盤でボールがつながらないのだから、彼のキープ力・展開力が必要なはずだ。ところが、メンバー交替は無しであった。ようやく後半 22 分、リャンに替えてシルビーニョが入った。そして中盤を、熊谷・千葉がダブルボランチ、シルビーニョ・大柴が前目の箱型に変えた。水戸陣にスペースが出来 だしたこともあって、仙台の攻撃にリズムが出てきた。しかし点が取れない。「昔は、数々の終了間際の奇跡を生み出したのに」と思っていた後半 41 分、右サイドを切り込んだ大柴からのクロスをバロンがヘッドで合わせ、ついに一点を奪い取った。そのまま逃げ切り、1-0 で勝利!
 スペースを与えない水戸の守備に苦しんだ試合であった。選手同士が連動的に動いて、スペースを作り出す動きをしないと。決勝点を上げたバロンは偉い。し かし、自分の身長よりも高いボールはちゃんとヘディング出来ないのではないかと いう疑惑も生まれた。跳んでのヘディングシュートはことごとくふかしていたのだ。決勝クロスは低いボールだから良かった! 古巣との対戦に燃えた磯崎も駄目だった。後半 22 分にあえなく交替。彼が機能した試合って見たことが無い気がする。替わって入った富田は、試合ごとに良くなっているようだ。その内、ポジションを奪うか。
 今日の勝ちは大きい。これで、二位と勝ち点 4 差の七位になった。とはいっても、仙台が上がってきたというより、団子となってきた二位集団に付いて行っているという状況である。何しろ、二位の甲府から 八位の湘南まで、勝ち点は、にじゅう、7, 6, 6, 5, 4, 3, 2 と、「月月火水木金金」状態なのである。次節、敵地での山形戦に絶対に勝って、金曜日から水曜日に昇格だ!
 ハーフタイム、周りの人達が後ろを見上げていた。誰かいるのかと思ったら、ライブドアの堀江社長であった。報道を見ると、仙台への出資に前向きだそう だ。金を出してくれるのなら大歓迎だけど、乗っ取られるのは御免だ。
 帰宅後、私が用意しておいたつまみで祝杯を上げた。しかし、あれがない。生中継が無かったので、ビデオを見ながら飲むことが出来なかったのだ。CS さん、あんなにチャンネルがあるんだから、J の試合は全部生中継しておくれよ。
6/17(金)の進歩 明日は水戸戦 ベガルタ 仙台は明日、ホームに水戸ホーリーホックを迎え撃つ。きっちり勝って、今期初の三連勝といきたいところだ。チームを引っ張るのは大柴だ。サンスポが 「サッカー侍」と呼ぶ、頼もしき FW である。そのサンスポ、 大柴のことを今度は「職人」と呼んだ。「特筆すべきはその動作の機微。彼は、味方がボールを奪うことを察知すると絶妙のタイミングで「するする」と動き出 す」(サ ンスポより)。こうした玄人好みのプレーは、確かに「職人」と呼ぶにふさわしい。個人的には、「侍」「職人」と来ると、お家が取り潰しにあって、傘張りの内職をしている姿を思い浮かべてしまうが。と もかくも、明日もきっと、大柴・バロン・シュウェンクの攻撃陣が爆発するであろう。左サイドバック磯崎(今期、水戸から仙台へ移籍)の、旧主家切りのセン タリングも期待だ。
 彩子の論文セミナー。熱帯の植物を用いて、花の香りの集団内・集団間変異を調べた論文を紹介してくれた。麓の集団はサンプル数が多いのに、山の上の方の 集団ではサンプル数が 1 個体だったりと、調査の苦労はうかがえた。しかしなあ、花の香りを測っただけという感じがする。他のデータを加えてもっと深く解析して欲しいと思った。
 食害がある元での最適種子サイズの新しい解析を部分的に終えた。そしてその部分の原稿をいきなり書いてしまった。共同研究者の原田さんに送って意見を貰 うことにしよう。
6/16(木)の進歩 すし型 USB メモリ  暁子から緊急のメールが来た。すし 型 USB メモリ発見の報である。「今まで見たことがない! すし型 USB メモリです」。そりゃ、見たことあるわけがない! 感動のあまり部屋を三周だ。まぐろ・とびっ子・うに・いくら・うずら納豆・えび・サーモンが並ぶ写真を見よ。この意味の無さ。見る者をうっとりさせずには おかないではないか。「お皿は付きません。一貫ずつの販売です」の注もさりげない。「一貫¥8200(税込み)お好きなネタをお選び下さい」とは、銀座の寿司屋に入った心地にさせてくれる。
 今日は一日、食害がある元での最適種子生産のモデルの再解析を行った。これまでは、食害量が変動する環境下における、最適な種子の大きさと数を解析して いた。変動が大きくなると、種子をより多めに作るのかといった解析だ。しかし原田さんが、変動がない場合でも、どれくらい食害されるかなどによって、最適 な種子の大きさと数は変わると指摘して下さった。ならば、変動の影響の部分と、それ以外の要因の影響の部分を分離し、それぞれの影響を独立に調べる必要が ある。そのため、食害量が変動しない場合の、最適な種子の大きさと数も解析することにしたのだ。おかげで、この問題に対する理解が深まったように思う。
6/15(水)の進歩 一コマ目が休講 だと 生 物学科三 年生向けの講義をした。講義室に入ってみると人が少なく、「今日は一コマ目が休講だったんだ」と思い出した(私の講義は二コマ目)。確かに、一コマ目が終 わった後、わざわざ帰るのも何なので私の講義を取っている人もいるに違いない。わざ わざ帰る人もいるけれど。ついでに取っている人は、私の講義だけのために出てきたりはしないのか。それにしても今日は少な過 ぎると思ったら、三々五々やって来て、講義開始十分後にはそれなりの 人数となった。講義の中身は、親と子の対立・雄と雌の対立の話で あった。いろいろ面白い所だと私は思っている。学生の反応もまあまあ。しかし今年の三年生は、講義中にほとんで質問が出ないんだよね。遠慮せずにどんどん 質問して、講義を盛り上げていこうよ!
 講義終了後佐藤さんが、八甲田山野外実習の定員のことを心配そうに聞きに来た。心配無用、和室に十人は楽に入れるので、女子十人参加しても何ら問題ない よ。
 午後になって、三年生の伊藤君と小嶋君が、私の部屋まで質問に来てくれた。講義で紹介した花序の大きさのことや、生物学演習で読んだ遅延自殖のことなど に関して、熱心にいろいろ質問してくれた。二人とも興味を持ってくれているようで嬉しい。私は、とても楽しく時間を過ごすことが出来た。伊藤君は実を言う と、生物学演習の一回目で、惨憺たる燦然た る印象を残して去って行った学生である。その印象のままならば、彼の名は生涯非公開 にしておこうと思っていた。私は一応、人権に配慮しているのだ。しかし予想に反し て、その後の印象はうなぎ登りで、あっという間に超好印象に転化した。今と なっては一回目の印象も笑い話、よってここに堂々公開である。よかったかな? 付記;小嶋君は、私の本(「植物の形:その適応的意義を探る」)を読んでくれたらしい。がーーーん。あれを読まれてしまっては、今どんなに偉そうに振る 舞っても台無しだ。でも、ありがとう。
 ついでに二人に、「講義中になぜ質問をしないのか?」と聞いてみた。伊藤君いわく、「プライベートな質問で講義を止めるのは悪いと思って」とのことである。たしか に、恋愛相談とかのプライベートな質問は講義中は控えるべきだ。個人的に聞きに来てくれ、大好きだから。「プライベート=個人的に引っかかった点」という 意味なら、構わず質問すると良いと思う。引っかかったままだと、その後の話の理解がおろそかになってしまうし、他にも同じ点に引っかかっている人もいる可 能性がある。一方私にとっても、「どの説明が足りないのか」を確認することが出来て助かる。私は、質問時間も含めてちょうど時間一杯になるように準備して いるので、どんどん質問してくれる方が嬉しい。
 森林総合研究所の八木君がセミナーをしに来てくれた。伊藤君・小嶋君と議論していてセミナーに遅れてしまった。どうもすいませんでした。でも一応、理解 は出来たと思う。その後、神山さんが、岩手大学で行った卒業研究のセミナーをしてくれた。
6/14(火)の進歩 ホームページ大改装 意を決し て、当ホームページの大改装をした。とは言っても、まったく気づかない人もいるかも知れない大改装である。文書の数も増えたので、似たもの同士を一つの フォルダに納めるようにしたのだ。ウェブ版「これから論文を書く若者 のために」「なかなか論文を書けない若者のために」修士論文・博士論文 は、始めから投稿論文として書こうらは、「これから論文を書く若者のためのお経集」というフォルダにまとめた。「鮭のチンジャ焼き」「論文おちゃらか」も、やっぱ同じ仲間だよねと思い、このフォルダに入れた。整理の過程で、いろいろな 文書の場所も変えてしまった。前の URL ではつながらない場合は、トップページから辿って欲しい。
 大改装の直接のきっかけは、トップページに google の検索フォームを入れたことである。よそ者のくせにページのど真ん中にあり、態度がでかく見えた。一番下に追いやってやろう。しかし、いろいろな文書への リンクが貼られていて、一番下がずいぶん遠くにある。トップページをすっきりさせて、分相応な一番下にしようと思ったのだ。おかげで、えらく大変な作業を することになってしまった。
 ひさしの論文のマテメソと結果の章にコメントした。慎重派のひさしだけあって、英語はしっかり練られていた。他の文献の英語表現を参考にした後もうかが える。あとは、もっともっともっともっと早く提出することさえ心がけ れば良い。すばやく改訂し、他の章と共に提出するようにね。
6/13(月)の進歩 人の論文を無視するな 生物学科 三年生向けの生物学演習をやった。遅延自殖による繁殖補償が行われていることの完璧な証拠と自称する Kalisz, Volger, and Hanley (2004)(Nature 430:884-887) を読んだ。遅延自殖とは、1) 始めに他殖を行う、2) 他殖機会終了後、他殖に失敗した胚珠を自殖させるという仕組みである。これによって、他殖種子数も生産種子数(他殖+自殖)も最大に出来る(best of both worlds) と著者らは喜んでいるのだ。自殖で出来た種子の生存力がどんなに低くても、他殖に失敗した胚珠が死んでしまうより自殖種子になる方がましであるという理屈 だ。しかし私は数年前、best of both worlds は必ずしも成り立たず、他殖のみを行うことが有利となる場合もあることを示した(Sakai and Ishii 1999; Evolurionary Ecology Research 1: 211-222)。理屈は簡単。自殖種子の生産に資源を回すと、個々の種子は小さくなってしまう。自殖種子を作らなければ、他殖種子のみに資源を集中でき るので、大きな他殖種子を作ることが出来る。一般に、大きな種子ほど発芽定着率が高い。だから、総生産種子数が減ってしまっても、大きな他殖種子を作る方 が、次世代に定着する子孫の総数は増えうるのだ。なのに Kalisz らは、私のこの論文を全く無視。英語読めないわけじゃないだろー、アメリカ人なんだから。というわけで三年生には、「生物学演習でこれまで取り上げた中 で、一番酷い論文」と悪口を言ってやった。この論文を選んだのは私だけどね。
 三重大の原田さんに、食害がある元での最適種子サイズの論文に関してコメントを頂いた。いつもながらに鋭いコメントで感激だ。やはり共著になって貰うこ とにした。そして色々と議論を深めている。原田さんと議論すると、私がいかに表面的にしか物を考えていないかわかってしまう。
6/12(日)の進歩 かなり気がかりな日本語 午後三 時頃、仙台に戻った。車中で、「かなり気がかりな日本語」という本を読んだ。いかに日本語が乱れているかわかる本だ。自分の日本語を思い浮かべ冷や冷やで ある。
 私が気になる表現を一つ書いておこう。「させていただく」の多用である。「ドラマをやらさせていただいています」「始めさせていただきます」といった表 現が気になってしょうがない。聞き手が、ドラマをやる許可を与えたわけでもないし、始める許可を与えるわけでもない。話し手の方も、聞き手の許可を貰うつ もりはない。「させていただく」と言っておきながら実は、一方的に宣言しているだけである。なら素直に、「ドラマをやっています」「始めます」でいいでは ないか。話し手としては謙虚なつもりなのだろうが、かえって傲岸な感じを私は受けてしまう。
 帰宅後、大慌てで庭仕事をした。芝を刈って肥料をやって、一汗かいてしまった。またしても、風呂に入ってビールに突入だ。
 サガン鳥栖の松本監督が激怒したという、鳥栖対草津戦での大誤審のビデオを見た。あ れが PK かつイエローとはなるほど酷い。倒れた高須(草津 MF)と「倒した」八田(鳥栖 DF)は 3-4 m 離れたところにいて、両者はまったく接触しなかった。高須が勝手にバランスを崩して転んだだけである。いったい、どういう構造の節穴なら、あれがファール に見えるのだろうか? 主審の家本はプロの審判である。こんなやつがプロだなんてぞっとしてしまう。それにしても、J リーグの審判の質、どうにかならないものか。確かに、誤審は起こりうる。しかし審判自身が、「人間だから誤審は付き物」と思っているとしたら ………。誤審を少しでも無くすため、日夜努力していると信じたい。
6/11(土)の進歩 初の逆転勝利  ベガルタ仙台が横 浜 FC に 3-1 と逆転勝利した。いよいよ乗ってきたという感じだ。
 朝 8:55 の新幹線で東京へ。車内には、他にも仙台サポらしき人々がいた。手に旗を持っている。かたや私の手には、じゅりを入れたケージが。同じサポでも随分違うも のだ。昼前に横浜の暁子の実家に着いた。じゅりを預けて、暁子と共に三ツ沢へと向かった。入場者数は 5206 人。その内の半分くらいが仙台サポであった。私たちは今日は、コアサポのところではなく(アウェーの場合は、コアサポに混じって応援するのが通例)バック スタンドの真ん中アウェー寄りに座った。周りはみんな仙台サポだ。しかしなぜか一人だけ、横浜 FC サポがいた。ホーム側の仲間の所に行けばいいのに、なぜ、こんな所に座る? どっかねじ曲がっているのであろう。仙台は前半、苦しい展開を強いられた。中央に人を集め真ん中を攻めてくる横浜 FC。仙台は 1 ボランチなので、人を掴まえきれない。とくに、内田・北村・シルビオに苦しめられた。そして前半 9 分に、バイタルエアにドリブルで進出した小野への寄せが甘くなったところをロングシュートを決められてしまった。しかしその二分後に、コーナーキックから バロンが決めてすぐに追いついた。これが大きかった。後半立ち上がりから仙台は、千葉に替えてシルビーニョを投入した。シルビーニョはトップ下からボラン チまで流動的に動き、中盤を引き締めてくれた。仙台がボールを支配するも、なかなか決めてくれない。ようやく後半 28 分、シュウェンクのシュートがポストに当たったところにリャンが詰めて 2-1。後半 37 分には、バロンの見事のダイレクトパスで抜け出したリャンが再び決めて 3-1 となった。今日は、久々にメンバー入りした萬代が後半 32 分に投入された。サテライトで良い働きをしたのでご褒美らしい。しかし今日はてんで駄目であった。目立った活躍といえば、相手 DF とコーナー付近でもつれて倒れ、コーナーフラッグを引き倒したことくらいか。 しかも萬代は、フラッグを元に戻さずに去ってしまった。躾がなっていない!
 これで今期二度目の二連勝だ。しかも初の逆転勝利。気づくと、二位と勝ち点 6 差に詰め寄っている。チーム状態は確実に上向いている。次節は水戸を下し、次ヶ節に山形に乗り込んで、この前の借りを返すのだ。
6/10(金)の進歩 明日は横浜 FC 戦 ベガルタ 仙台は明日、敵地で横浜 FC と闘う。私も久々にアウェー参戦の予定だ。前節快勝した仙台であるが、気を緩めないことが大切である。一昨日の紅白戦の様子はというと。

「まるで本番だ。厳しいせめぎ合いが展開されたガチンコ勝負の紅白戦終了後、宮城県サッカー場に集結した約300人のサポーターから期せずして大拍手が起 こった。これまでにない光景に都並監督も「球際の激しさが出てきたね」と満足顔だった」(サンスポよ り)

選手達は気合い十分、今まで以上に気迫のこもった紅白戦をしたようだ。これなら心配ない。主力組が控え組に負けちゃったことを除けば。
 かとぅはいよいよ来週から、八甲田山実験所に住み込んでニッコウキスゲの調査を開始する。それに先だって、研究計画の相談に来た。かとぅの手元には、蜜 を何時間おきに採るべきかなどの研究計画を練った紙があった。見ると、論文掲載伺(論文を投稿するときに学科事務に提出する用紙)に書き込んであった。

投稿者名   4 時間おき 9時 -> 13 時 -> 17 時 -> 21 時
論文名    6 時間おき 9時 -> 15 時 -> 21 時
出版元    昼にためた蜜を夜に消費しているのではないか
経費(概算) 1つの個体で全部とらない   

なかなか味わい深い文書であった。では、調査を頑張って呉れ給へ。
 生物学科三年生向けの講義の準備を終えた。新たなデータを一つ付け足した。それでなくても、去年は時間が足りなかった講義。データを増やして、時間内に ちゃんと収まるか心配ではある。
 準備をする内に、種子生産における親と子の対立・雄と雌の対立が心の琴線に触れた。面白い研究になるかもという直感がしたのだ。この手の直感が当たる確 率は三割ほどだけれども、しばし考えてみることにした。
6/9(木)の進歩 祝 W 杯出場決定 日本が世界で 一番乗りとなった。ドイツ W 杯出場決定! 昨日の試合、前半はなんかちぐはぐしていた。でこぼこのピッチにボールコントロールがうまくいかないこともあったであろう。鈴木は、立ち上がりの絶好の シュート機会に空振りしちゃうし。後半頭から大黒が入ってぐっと良くなったと思う。サイド攻撃や DF の裏を突く攻撃が出てきて、得点の香りがしてきた。そして柳沢が根性のスライディングシュートを決めて日本先制。これでほとんど W 杯出場が決まった。終了間際に大黒が追加点を決めて万全。見事な試合運びで快勝した。W 杯は来年の今日開幕する。無性に行きたくなってきた。
 りんかの論文セミナー。雄個体・雌個体・両性個体が存在する植物における、性表現の遺伝的背景を調べた論文を紹介してくれた。友蔵師匠の献身的な指導の 元、一所懸命読み込んだ後が窺えた。二人ともお疲れさまでした。
 生物学科三年生向けの講義の準備をした。種子の大きさに関わる、親と子の対立、雄と雌の対立の話をするのだ。遺伝的すり込み(同じ遺伝子が、雄親由来の 場合と雌親由来の場合とで異なる発現をする現象のこと)とかの最近の研究を調べた。私自身の新しい研究のネタにもなりそうで面白かった。と、そこへ、三年 生の佐藤さんと金子さんが、学生実習のリポートについて質問をしに来てくれた。提出までまだ三週間あるのに偉いと思った。佐藤さんいわく、「レポート締め 切りが四つ、論文読みが一つあって、死亡です」とのことであった。金子さんは、昨日の代表の試合、「見ていて寝ちゃいました」と宣言。「鹿島の選手ばかり 出ていてむかついた」そうである。さすが浦和サポだ。
6/8(水)の進歩 鮭のチンジャ焼き ついに、鮭のチンジャ焼きを渋々ながら大発表した。これで、「これ論」に出てくる「鮭 のチン ジャ焼き」は堂々実在の料理となった。若者よ、「コンサドーレ札幌の選手が最も食べる回数が多いのは鮭のチンジャ焼 き」と高らかに読もうではないか!また、こうすれば美味しくなるという改良案があったら、是非とも私までメールを送って欲しい。自信が無いので「渋々」発 表なのだ。 「これ論」の二大疑惑と言われる「勝利を呼ぶ牛タン定 食仮説(ベガルタ仙台がな ぜ強いのかを説明する仮説)」と「鮭のチンジャ焼き」の内、前者に対する疑惑を払拭 することはもはや奇跡に近い(参考:ベガルタ仙台は現在 J2 の下の方の順位)。チンジャ焼きを立派に育てることで、せめて後者に対する疑惑を晴らさんと欲しているのだ。
 生物学科三年生向けの講義をした。片淵君・小嶋君・板橋君・伊藤君・小平君が、一番前の席にずらーっと並んでいた。一瞬、因縁をつけに来たのかと思った。しかしそうではない。熱心に聴いてくれたのだ。 ありがとう。励みになりました。今日の講義はアクシデントに見舞われた。講義室備え付けのパソコンを立ち上げて PowerPoint のファイルを起動しようとした。しかしなぜか、マウスの矢印が画面上で固まってしまって動かない。矢印を動かせないとファイルを起動できない。再起動して も駄目であった。やむなく、「研究室に戻ってノートパソコンを取ってきます」と言って、講義室から走り出た。50 m ほど走ったところで、私はノートパソコンを持っていないんだと気づいた(正確には、大 学には置いていない)。何意味無い走りをしているんだ。講義室に引き返し、「残念、いろいろ仕込んであって、是非見せたかった」と言いな がら、PowerPoint 無しに講義を始めた。しばらく講義を進めた後、念のためにマウスをがりがりいじってみた。そうしたら矢印が動き出した。ならばと、PowerPoint ファイルを起動して講義をやり直した。しかしそれはそれでやりづらかった。「いろいろ仕込んであって、是非見せたかった」と大言壮語してしまったのだ。これでウケなかったら目も当てられないではないか。 実際、さほどウケなかったのであった。付記;前回は参加者が少なかったけれど、今回は回復していた。良かった良かった。
 今夜日本代表は、北朝鮮を打ち破り、ワールドカップ出場を決める。さ、帰って、日本代表を応援しよう。
6/7(火)の進歩 月初め談話会 月初め談話会があっ た。かとぅ・ちの・彩子は、この夏の研究計画を紹介してくれた。それに対して皆がたくさん意見を言ってくれて、大いに盛り上がった。ひさしはついに、今週 中に論文(の一部)を私に提出すると宣言。待っていたよ! いたぽん・友蔵も、今月末には論文を提出するとのことである。私は今、自分自身の論文執筆に一段落着いたところ。時間に余裕があるので、鮭のチンジャ焼き の試作に精を出しちゃっている。だから、どんどん論文を持ってきておくれ。
 ヒラガの論文を改訂し、Plant Ecology に投稿した。うまくいきますように。
 本当は今日、鮭のチンジャ焼きを発表するつもりであった。しかし、写真がうまく取れなかったので、発表は明日に延期だ。今夜も試作をして写真を撮り、そ れを堂々載せるのだ。
 昨日、お隣のタイヤを目隠しするため、簾を付けてみた。確かにタイヤは見えなくなった。この点は良かった。しかし簾自体があまりお洒落ではない。無い方 がすっきりするようにも思える。さてどうしようか。
6/6(月)の進歩 第 16 刷出来 「これ論」の第 16 刷が出来した。新たに 2000 部刷って、1,7000 部となった。お買い上げ、まことにありがとうございます。今までは、「ベガルタ仙台が J1 で優勝しまくる」という説得力ゼロの物語が世に出ることに少々の引け目を感じていた。しかし今は新たに、「鮭のチンジャ焼き」という、実在しない料理の話が 1,7000 部も印刷されてしまったと 茫洋中である(5/20 の進歩参照)。でも、本を改訂するなどというのは敗者の発想だ。世の 中を本に合わせるべし!  ベガルタ仙台は、今年昇格を決めたら、2006 - 2010 年の J1 五連覇にぎりぎり間に合う。鮭のチンジャ焼きを自分で作ってしまう計画(5/22 の進歩参 照)も着々と進行中である。既に、作り方はだいたい決まっている。近日中に発表予定なり。
 午前中は、生物学科三年生対象の生物学演習をした。一回目に脚光を浴びた(すごく悪い方に)彼も、このところ頑張っている。一回目の印象が消えることは生涯無いであろうが、その後の印象はどんどん良く なっている。
 ヒラガの論文残念。頑張って改訂して、他の雑誌に投稿することにしよう。というわけで今日は、ヒラガの論文原稿を印刷しようとした。しかし、図を印刷し ようとするとだんまりになってしまう。さすがヒラガ。卒業してなお、すんなりとは進ませてくれぬわ。
6/5(日)の進歩 裏庭改造第二弾 裏庭の改造に取り 組んだ一日だった。
 6 時 45 分に起床。休日なのになぜ早起きしたかというと、町内会の草刈りが 7 時からあるのだ。この手の行事は、「いかに見事に草を刈るか」よりも、「誰が出てこないか」を監視することが目的となる。町内会の組長も務めていることだ し、真面目に参加だ。出かけようとしたら、じゅりがひんひん泣いて、離れたくないとすがりついた。で、じゅり連れで草刈りに行った。
 帰宅後、今日は裏庭改造の日と決意した。先日に竹を植えた裏庭であるけれど、まだまだな部分が残っていた。とくに、竹を植えた部分は伊勢砂利を敷いたけ れど、残りの部分は土むき出しのままであることが気になった。ここも伊勢砂利を敷くべきか。しかし土の味わいも捨てがたい。迷った挙げ句、土だと何かと汚 れる(靴の裏とかじゅりの足とか)ことを理由に、砂利を敷くことにした。さらには、踏み石も置くことにした。ダイシンで伊勢砂利を買い、ケイヨー D2 で踏み石を買い帰宅。重さに苦悩しながら、砂利を敷いて踏み石を置いた。お洒落になったと思う。ただ、ヒメシャラとイタヤカエデの向こうに見える、隣家の タイヤが無粋であった。お隣さん、タイヤがお好きなようで、裏庭にタイヤがたくさん置いてある。この前数えたら、8 組 32 本もあった(車は二台しかない)。私の想像を絶する世界であるが、きっと理由があるのであろう。ともかく、タイヤが見えなくなるように、簾でも目隠しに置 こうかなと検討中である。
6/4(土)の進歩 至福の一日 日本代表が勝つは、ベ ガルタ仙台が勝つは、こんな目出度い日って何年ぶりだろう。
 昨夜は十時頃に寝た。そして今朝の一時半に起床。ちょうど国歌演奏の時であった。にわかに緊張が高まる。試合は、日本が格の違いを見せつけた。個人能力 で日本が遙かに上で、バーレーンはまともに勝負できなかった。それにしても日本選手はうまい。ベガルタ仙台に見慣れている私には、同じ日本人に見えなかっ た。しかしそう易々とは点は入らなかった。緊張に耐えられなくなった私は、試合中というのに突然爪を切りだした。猫が毛繕いをして気持ちを静めるのと同じ 原理である。と、爪を切っているときに、日本が芸術的つなぎを見せて、小笠原が綺麗に決めた。試合に集中し切れていなかったため、喜びを味わい損ねた。悔 しい。後半になると、バーレーンがいきなりばてた。また、日本選手のうまさに、「ボールを取れない」と諦めが漂ったようにも見えた。動きの止まったバー レーン選手。まさかこんな相手に点を取られるはずもない。そう思いつつもどきどきは止まらない。後半中頃になると、さすがに日本も足が止まってきた。ロス タイムは三分。まだ二分台の時に、ピッチにボールが二個入った。主審が笛を吹いたので、ゲームを止めてボールを一つ出させるのかと思った。ところがそうで はなく、これで試合終了であった。ボールが二個入ってきたので、面倒だからと試合終了にしてしまったのではないか?「あれっ?」と思って、またしても喜び を味わい損ねてしまったではないか。
 これでドイツがぐっと近くなった。水曜日には歓喜を味わうことであろう。まだ爪も伸びていないであろうから、喜びを味わい損ねる心配もない。
 二度寝した後、仙台スタジアムへと向かった。選手は気合い十分と聞くが、好調の札幌相手にどれだけ戦えるのか。しかしその不安は、開始早々に消え去っ た。仙台は、勝利への意欲をたぎらせて、すさまじいプレスをかけてきた。一対一の戦いで勝ちまくり、高い位置でボールを奪う、奪われたらすぐに奪い返す。 日本代表のように、個対個の戦いで圧倒していた。そして前半 5 分、リャンからのボールを受けたシュウェンクが、振り向きざまのシュートを決めて仙台先制! さらに前半 10 分には、幸運なオウンゴールで二点目。前半 20 分には、大柴が左サイドに切り込みバロンとアイコンタクト。バロンは、札幌 DF 曽田がボールに眼をやった瞬間にすっと後に下がってフリーとなる。そこへどんぴしゃのセンタリングが来て 3-0 となった。さすが、甲府・市原時代からの大柴・バロンコンビだ。後半になると、札幌が猛攻を仕掛けてきて仙台は受け身となる。後半 10 分頃に仙台は、ダイヤモンド型から横並びの中盤に変更、熊谷と千葉のダブルボランチとなった。八人が待ち受けるという守りで札幌の猛攻をしのぎ、後半 33 分には、大柴が追加点まで奪ってしまった。4-0 で仙台が大勝した。
 今日は、選手全員がすばらしかった。わかったのは、財前を使わないと機能するということだ。運動量が少なく守備が嫌いな彼がいては、今日のようなサッ カーは出来なかったであろう。替わりに右サイドに入った熊谷は素晴らしかった。キャプテンとして、闘う姿勢を身をもって示していた。シュウェンクもさえ 渡っていた。一瞬の反転での突破にはほれぼれした。千葉も良かったぞ。一回だけパスミスをやらかしたけれど、中盤の底を一人でよく支えていた。交替すると き、富澤がわざわざ握手しに駆け寄っていた。木谷のカバーリングも頼もしい限りであった。これで、バロンとシルビーニョが調子を上げてきたらどんなチーム になることやら。
 仙台は、酷い試合を続けたと思ったら、今日のように、気持ちの入った素晴らしい試合で快勝する。なんというか、叱るに叱れない子である。今日も駄目だったらゲンコツだと思っていた。ゲンコツ で頭をかくふりをして、「良い試合だった」と褒めなくてはいけないわ。
 かたや札幌、和波いわく、「どこかに、油断じゃないが、スキがあった」(J's ゴールより)そう である。ここまで三連勝してきて、しかも相手が仙台とくれば、油断の 一つもしたくなる気持ち、非常によくわかる。
 都並「非」監督疑惑が深まった試合でもあった。選手達は、ミーティングで激しく意見をぶつけ合い、どう闘うべきかを話し合ってきたという。「指揮官に頼 りなさが見られたことで、かえって選手達に「自分たちがしっかりやらなくては」という意識が芽生えたのかもしれない」(たけし日記より)。まるでどこかの研究室だ(自立を促すために、私はわざと頼りなく ふるまっているのだよ)。そして試合中は、熊谷が「監督」としてチームを引っ張った。たとえば、中盤のシステム変更は、都並監督ではなく 熊谷の指示(希望)によるものであった(監督会見より)。 コーチが指示をしてみたり、熊谷が指示をしてみたり。要するに、都並監督がいかに何もしないかが、勝利の鍵を握るのであった。その熊谷、MVP に選ばれ、コカコーラ製品一年分を貰った。サポーターに挨拶に行った熊谷の左手にはジュースが一本握られていた。コカコーラ製品一年分って、あれか?
6/3(金)の進歩 今夜はバーレーン戦 日本代表は今 夜、敵地でバーレーンと闘う。小野が負傷したのでシステムを変えるのかと思いきや、3-6-1 のままで行くらしい。ボランチに中田、トップ下は中村と小笠原、1 トップに柳沢だそうだ。何か、小笠原と柳沢が結果を出してくれそうな予感がする。でもって、中澤の復活した DF ラインが無失点に抑える。ということは日本が勝つであろう。私は、早々に寝て夜中に起き、生中継で応援するつもり。そして気分良く寝直すのだ。
 一方、我らがベガルタ仙台は明日、ホームでコンサドーレ札幌と闘う。このところ好調の札幌。かたや仙台は二連敗中だ。しかし、ホームで負けて三連敗は許 されない。絶対勝つべし。今週の練習は成果十分で、選手達が指示の声を積極的に出すようになったそうだ。ただ、あちこちから声が出るあまり、どの指示を聞けばいいのか困っちゃってもいるらしい(ベガルタモバイルより)。 難儀なチームだ。
 食害がある元での最適種子サイズの論文を書き終えたので、新しい研究について考え始めた。しかし、何かいらいらして集中できない。今夜は代表の試合、明 日はベガルタ仙台の試合と、気がかりが二つあるからかな?
 久しぶりに牧の部屋に遊びに行った。しばし雑談。
6/2(木)の進歩 HP 新装開店 ベガルタ仙台の HP が新しくなった。格好良い! 今までのは、素人が作ったみたいな HP だったからなあ。これでようやく、他のクラブに並んだ感じだ。後は、チーム力が他クラブに並べば言うこと無い。一 度に二つもは贅沢か。
 バーレーン戦を明日深夜に控え、小野が右足の甲を疲労骨折の報(日 刊スポーツより)。なんでこうなってしまうのか。サッカー選手は怪我が多過ぎる。クラブに代表にと一年中こき使われ、休む暇も無いのが一因であろ う。FIFA が本腰を入れて選手を休ませる体制を作るべきだ。なのに現実は逆。東アジア杯だのコンフィデ杯だの世界クラブ選手権だの、次から次へと試合を作り出してい く。こうした試合に全く無縁のベガルタ仙台の選手だって怪我が多いの だから、休む間もない一流選手の場合は推して知るべしである。小野の怪我で、我が代表は戦術の練り直しを強いられるであろう。1 トップのまま、遠藤をボランチに入れるのか。それとも、中田をボランチに入れ 2 トップにするのか。ともかくも、絶対に勝つべし。
 りんかが、秋田でのフキの調査を終え、報告に来てくれた。たっぷりのデータを取った感じで、これをどうまとめるか楽しみである。これからサンプル処理が 大変だけれど、頑張ってやり遂げておくれ。
 理学部物語(高校生向けの、東北大学理学部広報誌)の編集委員会があった。そこで唖然。仙台の街の雰囲気を伝えるページに、宮城野にあるとかいう野球場 の写真が載っていたのだ。宮城の恥を晒してどうする気だ(怒)。「こんなもの、絶対に使わないでくれ」と厳しく申し渡しておいた。
 食害がある元での最適種子サイズの論文を、三重大の原田さんに送った。コメント、よろしくお願いします。
 ついに、外貨定期預金に手を出してしまった。対 NZ ドルの円相場が上がったので、今が機とばかり、○百万円を NZ の定期預金に入れた。半年後の為替相場はどうなっているか、どきどきだよ。
6/1(水)の進歩 動揺 生物学科三年生向 けの講義があった。教室に入ってみると人が少ない(開始時 25 人)。「カタクリの実習つまらない --> 八甲田山野外実習の説明もつまらない --> 日記もつまらんない --> 講義もつまらない --> 講義ボイコット」となってしまったか。これでいきなり意気消沈した。さらには、「今日の講義は早く終わるのではないか」と思い、始めに昨日の実習の解説を したこ とが追い打ちをかけた。気づくと、講義内容をまだ半分しか話していないのに、残り三十分になっていた。これで動揺。説明速度を速めたためしどろもどろに なった。しかしこれではわかってもらえないのではないか。竹中さんも、 「10 の内容をあわてて話して 3 しか伝わ らないよりも,7の内容を落ち着いて話して 5 が伝わるほうが望ましい」とおっしゃっている。そこでまた余裕をかまし、「石橋君どう思う?」などと聞いてしまった。「当てる暇あったら、内容の説明に時 間を費やすべきだ」と思いつつ、「じゃ、楠見君は」と続けて当ててしまった。何やってんだもーー。そのくせ講義は、定刻より五分早く終わった。これも よーーわからん。三年生は、私の内心の動揺を知るよしもあるいまい。一方、青木君・安野君らが、一番前に座って頷きながら聞いてくれていた。これは大きな 励みになった。どうもありがとう。
 しばらく寝かせていた、食害がある元での最適種子サイズの論文を、ここ数日読み返していた。少々の修正を加え、さらには、アブストラクトを書いた。アブ ストを書いて表現を工夫していると、それに合わせて本文も直したくなる。良いことだ。こうして完成を宣言。次は、「他人のコメント必要だ」である。