「これから論文を書く若者のために」
出版後の進行状況

若手研究者のお経
進行状況ホーム


2/28(金)の進歩 信太郎師匠・しいちゃんとスキーへ行く 密かに山形蔵王へ行こうと思っていたら、信太郎師匠としいちゃんが一緒に行ってくれることになった。それは目出度い。「現地に何時に着きますか」と尋ねられたので「八時くらい」と答えると、「早い!」と驚かれてしまった。ふつうは 9:30 とかに現地に着くものらしい。年をとってくると一日が終わるのが速く感じられるので、出来るだけ一日を長く過ごそうと思っているのだ。で、私だけ(今日は暁子はお休み)早く現地に着いて一滑りし、信太郎としいちゃんを待った。信太郎は噂通りの達人であった。しいちゃんも上手だった。私も負けずと着いて行き、暁子と一緒の時の三倍くらいのペースで滑った。山形蔵王を知り尽くしている信太郎は、次から次へといろいろなところに案内してくれる。言われるがままに着いて行くのだけれど、傾斜 32度でコブだらけの「大森の壁」だの、「上級者専用、後戻り出来ません」という但し書き付きの「黒姫ゲレンデ」だの、「国体コース」だの、かなり怖いところに拉致されたのであった。さすがにコブには参った。しかし他のところは、信太郎がさーっと滑り降りていくと、騙されたみたいに私も後を着いて行くことが出来た。こうして、悪い遊び(?)にはまっていくのか。私一人なら、絶対に手を染めたりはしなかったのにね(<-- 非行に走った少年少女が必ず言う言葉)。ただし、蔵王で一番怖い「横倉の壁」(傾斜 38 度のコブコブの壁)に行くことは免れた。以前に連れていかれたしいちゃんが警戒してくれたのだ。一方、コーチもちゃんとしてくれた。大きくゆったり回りながら滑ると優雅であることを教わったし、ウェーデルンというのは、ストックをぐさぐさ突きながら滑ることが重要であることも学んだ。さらには、コブの滑り方も教わった。東大を受ける実力もないのに東大の受験勉強をするようなものであるが、なるほどなと感心することはできた。五時前に終了。「他のスキー場で、友達とナイターを滑る約束がある」という信太郎に、朝八時に来るのとどっちが非標準かと考えさせられた。しいちゃんの就職活動進展の現場に居合わせたのも幸運であった。二人ともどうもありがとう、また行こうね。
2/27(木)の進歩 サッカーに来てね 河田さんやノエちゃんに、サッカーの練習に来るように言われてしまった。ブランメル生態 U45 の一員としてエコカップ 2003(三月の生態学会のときに行われるフットサル大会)に出場予定なので、その練習をしなくてはいけないのだ。すいませんでした、今週こそは行きます。というわけで、明日は休暇を取ってしまおう。
 Evolution に返送した原稿、電子メールではなくてウェブページから返送するようにとの返事が来た。で、即、ウェブページから返送し直した。しかしやり方が今一つわからなくて、ちゃんと返送されたのか不安が残る。
 イ・タポンの論文にコメント。ここに来てちょっとした問題が見つかったけれど、すぐに修正できた。
 とある会合で、午後はまるまる潰れてしまった。わけのわからない人が一人いて、この人のせいで倍の時間がかかったという感じだ。何しろ、人の話は聞かない。自分の主張が通るまでどこまでもがなり続ける。他の人に口を挟ませない。ようやく機会を捉えて他の人が発言を始めると、すぐに話を遮って自分の主張をがなり立てる。そのくせ話す内容は筋が通っていない。形成が不利になると、論点を変えてまたがなり立て始める。ともかく、ほとほと嫌になった。
2/26(水)の進歩 セミナーに感動 友蔵とヒバ子の講座セミナー。友蔵のセミナーは、同じ場所で採餌しているマルハナバチの個体間相互作用に関する研究。具体的には、他のマルハナバチ個体との競争から解放されたら、採餌範囲をどのように変化させるのかというもの。競争下では限定された範囲内で採餌していたのが、他のマルハナバチ個体がいなくなると突然採餌範囲を広げることが明確に示されていた。私は率直に感動した。問題意識は明確だし、解析はしっかりしているし、そして何よりデータの美しさに深く感銘を受けた。発展性があるのもすごい。ヒバ子のセミナーは、ヒバ(注:ヒバ子の親ではない。ヒバ子の研究材料)の栄養繁殖に関するもの。積雪の多少と関係して栄養繁殖量がどのように変わっているのか。これらのデータを取るのは相当大変だったらしい。ご苦労様。これからさらにデータ解析を進め(まだ M1!)、来年度の研究方針を立てるようにしよう。
 順次産卵の論文の改訂が終わり、さわやかに Evolution に返送した。どうかうまくいきますように。
 研究室においてある漫画が目に入った。星飛馬の絵の入りの「巨人の星」で、「ゲートボール1号」の題字が! よく見ると「大リーグボール1号」だった。大リーグといえば、NHK はいい加減にして欲しいものだ。朝のスポーツニュースは、イラク侵略を目論む国の野球チームに入った日本人のことばかり。しかも連日だ。おそらく NHK は、この日本人の出る試合を BS で垂れ流しするつもりなのだろう。そのための番組宣伝をしているとしか思えない。
 今日は生物学会総会。初めて参加したときは、「生物学会」とはどういう学会だろうと思ったが、要するに生物教室の懇親会である。あまり飲み過ぎないように気をつけよう。
2/25(火)の進歩 「受験者立入禁止」の張り紙の前に佇む受験生 今日は、大学入試前期試験の初日。私の研究棟も受験室に使われていて、朝早くから受験生が集まって来ている。棟には通用口があり、そこから入った廊下の両側に受験室が並んでいる。そのため、通用口を通って受験室に行こうとする受験生もいる。しかし通用口の入り口には、「受験者立入禁止」という何とも矛盾する張り紙が! ガラス扉の向こうには自分の受験室が見えるというのに、通用口(鍵は開いている)の前に佇む受験生。受験生は受験室に入ってはいけないということを知った受験生は、どうやって受験するのであろうか?!
 生協の食堂には、受験生の付き添いらしき父母が何人か居た。受験生の昼食を取ってきて(食堂はカフェテリア形式)その上に布巾(じゃなくてティッシュだったが)をかぶせ、試験が終わるのをじっと待っている母。「それじゃ食事が冷めちゃうよ、本人が来てから一緒に取ってくればいいのに」と思ったが、布巾をかぶせた食事の前でじっと待つ母に心打たれるものがあったことも確かだ。
 壁やんの論文がアクセプトされた。おめでとう! とても苦労したけれど、終わりよければすべて良し。この調子で他の論文もアクセプトさせておくれ。
 ヒラガのモデルについて今日も考えた。問題なのは、いろいろと場合分けをしなくてはいけないので面倒なこと。なんか鮮やかな解決方法は無いのかと思案しているのだけれど、ろくに前に進まない。
2/24(月)の進歩 入院ボケじゃないと思う ベガルタ仙台若手 MF 村上の日記より。彼は、右膝の手術をして入院中で、術後の経過報告をしている。

2/21(金)「明日にはドクターと話してこれからの計画を確認しようと思います。」
2/22(土)「入院ボケが炸裂してました! 病院は週末は休みなので朝の回診もなく、勿論ドクターと話ができるわけもありません・・・ ということで『予定は未定』」

私見だが、「入院ボケ」ではないと思う。たとえば、2/14 の進歩で私が書いたこととか。あるいは、「病室にはテレビもなく、消灯が21:00ということもあって欠かさず見ていたドラマも台無しです」(彼の 2/22 の日記より)とか。あなた、いつどんなことをしてドラマをぶち壊しにしちゃったの?「自分が見なかった」ためドラマが台無しになるはずもないからね。
 ヒラガのモデルについて一日苦悶した。光明が見えたと思いきやそうでもなかったりと。
 イ・タポンが論文の相談に来た。最後の仕上げという感じで、検定方法についての相談。これを終えたらいよいよ英文校閲だ。
2/23(日)の進歩 暁子、上達す 今日は山形蔵王に行った。前回の苦い経験(2/13 の進歩参照)もあり、やや遅く家を出て八時くらいに着いた。ところが駐車場はもう満杯に近い。そして、ロープウェーもリフトもすでに動いていた。とりあえずロープウェーで中間駅まで行って、そこでしばらく足慣らしをしてから山頂へ行こうと計画。ところが休日ということで、ロープウェーは順番待ちの状態で、9:30 発の便の整理券を頂戴してしまった。やむなく、ロープウェー駅がある横倉ゲレンデで足慣らしをした。場内放送で、「リフトを乗り継ぐと 20-30 分で中間駅まで行けます」と言っていた。なんなんだ「20-30 分」っていう適当さは?私たちも、リフトでロープウェー中間駅まで上がってしまおうという気になった。途中、「山頂駅へのロープウェーは、9:45 分発の整理券を発行しています」という放送があった。ところが、その 40-50 分後に整理券を貰いに行くと、15:00 発の便になっていた。いきなり飛びすぎだよ、なぜなの?ゲレンデは混んでるし、休日にはもう来まいと思った。暁子は、前回スキー教室に入ったのが効いたのか、目に見えて上達した感じだ。滑る速さもかなり増して、もはや交通妨害ではない(2/9 の進歩参照)。「次回はまたスキー教室に入って、さらに上を目指す」と強気の発言をしたのであった。
 ○十年ぶりにスキーをして思うのは、ゲレンデがのどかで無くなってしまったということ。スノーボードが怖くて、安心して滑ることができないのだ(山形蔵王では先日、スノーボードによる当て逃げ事故があった)。スノーボードは、かなりの速度で直線的に滑ってくる。そして、「初心者でも速度が出るので、避けきれずにぶつかってしまう事故が多い」とのことだ。確かにそう思う。スキーの場合、ボーゲンで怖々滑る初心者からウェーデルンで颯爽と滑り降りる上級者まで、その人の実力に見合った速度で滑っている気がする。ところがスノーボードの場合、いかにも初心者という感じの人は少なくて、みんなかなりの速度で滑っている感じなのだ。咄嗟のときの回避能力もない初心者がそんな速度で滑っているとしたら ………。自分の滑る速度には責任を持って貰いたいものである。速く滑るほど周囲の状況は速く変化し、危険を事前に察知して対処する(滑る方向を変えるとか)ことも素早く行わなくてはいけなくなる。咄嗟の方向転回や停止も難しくなる。これらが出来ない速度では滑るな。それが、ゲレンデでの責任と思う。
2/22(土)の進歩 十年に一人の逸材、一年に十人出現 今日は修士論文の発表会。発表して終わりでは意味がないので、当然審査をする。博士課程に進学希望の学生については、十段階での評価だ。採点基準は、「十年に一人か二人という逸材」が 9 - 10 点。私の予想では、「十年に一人か二人の逸材」が「一年に十人」は出たと思う。審査員(五人)の半分くらいはその学生の研究室の教官なので、自分の学生にはこぞって高評価をつけちゃうのだ。人材の宝庫ということで楽しみな限りだ。
 それはさておき、植物生態の修論生五名は、無事に発表をやり遂げた。信太郎は、私の知らない間にスライドに磨きをかけていて、益々わかりやすくなっていた。がんちゃんは、「・・の要因」を「・・・の要因」に直していた(昨日の進歩参照)。「おお、直している」と私は率直な感銘を受けた。フッキーは、すべてが終わった開放感と共に、早くも海外旅行へと旅立ってしまった。浮き浮き気分であろうから是非教えておいてあげたいのだけれど、修論の合否判定はまだ出ていないのだからね。ともかくも、みんな堂々として立派だったよ。お疲れさま、そしてご苦労様でした。
 他の研究室の発表を聴いての収穫といえば、友蔵のタスマニア日記に出てくる「ヤツ」が、ときどき涙ぐみながら発表をしていたこと。誰も苛めていないのに、こんな修論生初めて見た。極度の緊張に耐えかねて泣き出したのか、それとも、茎を縦に切っただけの研究が情けなくなったのか。また、オナジマイマイという種類のカタツムリがいることにも率直に感動した。「これは同じマイマイ?」「いえ、オナジマイマイです」といった会話をするときに混乱しそうだ。カニツリノガリヤスのことを、「以降、「カニツリ」と呼ぶことにします」は残念に思った。ベガルタ仙台的には絶対に、「カニ」と呼んで欲しかった。
2/21(金)の進歩 点の数は三の倍数が正しいのか? がんちゃんの修論発表の練習を聞いているときに、重大な問題が指摘された。あるスライド上にあった「・・の要因」という文の、「・」に対する指摘である。ヤスムラが言うには、「・」の数は三の倍数が決まりであるという。だから、「・・」や「・・・・」は間違いで、「・・・」とか「・・・・・・」が正しいそうだ。本当か・・・・?(と、敢えて四個の「・」を使ってみる)。インターネットで「点の数」で検索してみると、竹中さんの Perl 入門のページとかが引っかかったものの、私の疑問に答えるページは出てこなかった。どなたか、私の疑問に答えて下さいませ(私へメールで)。しかし、ヤスムラの言うとおりだとすると、「そんなこと決めるな」と思う反面、それはそれで楽しいとも思う。
 明日はいよいよ修論発表会。本番前の研究室という感じで、それぞれがそれぞれの準備に打ち込んでいる。吹雪かずに見事終わりますように。
 ヒラガもモデルについて解析中。少し光明が見えた感じ。ある程度めどがついたらヒラガに話そう。
2/20(木)の進歩 早急より早いものはない モリナガが、論文を今日中に返送するのは無理だと言ってきた。「いろいろ読み直したりするので、今週中に返送ということで」だって。ふーーん、家庭の事情か。確かに、あせって失敗すると大変なので慎重を期するに越したことはないだろう。ちなみに私はかなりせっかちで、「今日中に」「明日には」「今週末までには」とかいった早急な言葉が好きだ。
 帰省していたしいちゃんが戻ってきた。二週間ぶりくらい? その間に、研究室の雰囲気が微かに変化したことに気づいただろうか? さよう、私がすっかりスキーにはまってしまったのだ。修論発表が無事に終わることよりも早く終わることを祈っているし(発表が終わったら、スキー名人の信太郎が解放される)、ついつい、修論生をほって休暇を取ってスキーに行っちゃうし。だからどうというわけではないが、これは無視できない変化かもしれない。
 ヒラガのモデルについて苦悶中。今までのモデル設定で解くのは難しいので、もっと簡単な設定に変更しようという気になっている。
2/19(水)の進歩 カタカナ語 私はカタカナ語が大嫌いだ。やむを得ず少々は使うけれども、使わずに済むならそうしたいと常日頃思っている。とくに不愉快なのは、日本語があるのにわざわざカタカナ語に置き換える風潮だ。たとえば、家具屋に行っとき、「ボックスドロアー」(引き出しの事らしい)と連呼して商品説明する店員がいた。「店」は「ショップ」で、「園芸」は「ガーデニング」、「蝋燭」は「キャンドル」、「肉汁」は「ドリップ」だそうな。こうした風潮は、カタカナ語の方がかっこよくてお洒落だと思うためらしい。知性を疑うね。カタカナ語にすると高級感が増すという感覚は私には理解不能だ。わかりにくくて、無味乾燥な記号のようなカタカナ語の、いったいどこがいいのだろう。
 フッキーが、「今日の夕方は暇ですか」と聞いてきた。そう聞かれては、「暇じゃない」と答えるのが、独立法人化を控えた大学人の立場である。修論発表の練習を聞いて欲しいのなら、始めからそう言いなさいね。
 友蔵の論文と、モリナガの改訂稿・改訂内容にコメントした。友蔵はもうすぐ英文校閲に出せるだろう。モリナガは明日返送ね。
 久しぶりに、ヒラガのモデルについて考えている。やっぱ難しい。どうしよう。それにしても、頭の体力が無くなってきている。
2/18(火)の進歩 他にすることあるでしょ 友蔵の論文に鋭意コメント中。そこへ、2/14-17 のあいだ行方知れずになっていたモリナガが出現した。そして、論文の改訂稿と改訂内容を説明する手紙(コメントを付けて 2/12 に返しておいたもの)を修正して持ってきた。バレンタイン・デーを含む数日間行方知れずとなり、その旅先で原稿の修正をしていたなんて、野暮ねキミ。
 遅ればせながら、カントリーロード(ベガルタ仙台の 2002 年シーズンを振り返った本)を買った。ローソンとかではずいぶん前から売っていたらしいけど、なぜか突然生協に平積みされていたのだ。さあーっと眺めた感じ、読み応えがあって楽しそうだ。p. 59 の岩本輝雄のインタビュー記事では、「(今季の)目標はまず、仙台でやるってことですね。それに限ると思います」と述べている。そして下段に、「注…インタビュー時」と書いてあった。鹿島に移籍したいという噂が流れていたけれど、けっこう本当だったのかも。
 一昨日、車の鍵を盗まれた(と思う)ことが急に気になりだした。車内に置いてあったクレジットカードも免許証も無事だったけれど、これらの情報を盗み見られていたら悪用される恐れがある。何も盗らずに鍵をドアに挿しておいたことも、情報を盗まれたと気づかせないための手口かも知れない。こう考えると心配になって、クレジットカードの番号をみんな変えてしまった。だからもう悪用できないぞーー。新しいカードが来るまでの間、クレジットカード無しの生活を送るのであった。
2/17(月)の進歩 修論発表練習の午後 今日の午後は、修論生の発表練習四連発。みんな 2-3 回目の練習なので、だいぶ良くなってきていた。なお、本当はもう一人練習するはずだったのだけど、この人は予想通りの結末となった。
 友蔵の論文を読んでいる。Thomson さんや大橋にコメントを貰って大幅に書き直した原稿だ。解析に新手法も取り入れていてるのでかなり変わった感じになっている。いろいろ聞きたいことがあるのだけれど、友蔵はすっかり夜の人になってしまっていて、会うことができない。って、実は会ったけど、修論発表練習のため話す暇無し。
2/16(日)の進歩 私、壊れてます 「週末は混んで大変だろうと思って」木曜日にスキーに行ったのに、帰ってきた瞬間に日曜日も行こうと決めてしまった。しかしそこへ、「日曜日は、ブランメル生態のサッカーの練習」の知らせ。いつもは土曜日なのになぜ今週に限って? もちろん、スキーとブランメルでは、ブランメルの方が比べようもなく重い。天秤にかけたら、あまりの重さにぼきっと折れてしまうくらいである。天秤が壊れて判断がつかなくなり、ついついスキーに行ってしまったという感じだ。ただし、暁子が疲れているので、スキーは午前のみ、午後は温泉という約束で鬼首へ行った。
 暁子は、スキー教室に入った。きちっと教わっておくことが上達の早道だからだ。教室の間私は、一人で上の方のゲレンデに行って時間を過ごした。教室終了時間に下の方のゲレンデに降りて暁子を待った。戻ってきた暁子は、「身体の傾け方が逆だった」と第一声。急に自信をつけてすいすいと滑り出し、「滑っていても身体が痛くなくなった」と喜んでいた。リフト券は 13:00 まで。暁子ももう少し滑りたそうだったが、「今日はここまで、来週は山形蔵王に行こう」と約束して終わりとした。
 帰りにちょっとした事件があった。鬼首の湯というところで温泉につかったのだけれど、上がってみると、ズボンのポケットに入れておいた車の鍵が無い。あわててあちこち探していたら、「脱衣籠に入れていた衣服が乱されていたんです」と警官に話している人がいた。思わず、「私も車の鍵を盗まれました」と叫んだ。車を確かめるようにと言われたので大急ぎで車に戻ると(真剣に、車が盗まれていたらどうしようと思った)、運転席のドアに鍵が挿さっていた。車内も荒らされた様子はない。では、私の抜き忘れ? しかし、ポケットに鍵の入っていた感触はあったように思う。「鍵は、ドアに挿さっていました。でも、99.9%、鍵は盗まれたと思います。ただし、1% の可能性として、私が鍵を抜き忘れたこともありえます」と警官に伝えた。足して 100% になっていないと自分で突っ込んだが、些細なことなので黙っておいた。本当のところ、鍵を盗まれたのかどうかはわからない。しかし、他の人が盗難にあったらしく警官が来ていたことを考えると、鍵を盗まれた可能性は高い。それに、(犯人が)鍵をドアに挿しておくことは知能的である。盗まれた方は、自分が鍵を抜き忘れたのかと思ってしまうし。まともかく、被害がなくて良かった。
2/15(土)の進歩 田中先生終了 家に廻ってくる回覧板は、99.9 % が無用のもの。今日も、「なんで、中学校便りなんて回覧するんだ」と思いながらさっと眺めた。そしたら、「2 月 17 日で、田中先生は終了します」と書いてあった。田中先生が終了??? スイッチを切って、田中先生が動かなくなるのか? それとも、田中先生を終え、他の人間に変化するのか?てな感じで、今日はちょっと楽しめたので良かった。それにしても、文章能力大丈夫なのかねえ、この中学校。
 フッキーと高嶋君の修論発表練習。じゅりは、フッキーのときは私の膝の上に、高嶋君のときは暁子の膝の上にいた。思い出すと去年、ヤスムラの発表練習を聞きながらじゅりは、私の膝の上で「ぐーっ、ぐーっ」とかなり大音のいびきをかきながら寝ていた。今年は今のところそういうことはない。ちょっと残念。

※ 昨日紹介した村上の日記、「苦労を惜しまず」に直されていた。つまらんヤツだ。
2/14(金)の進歩 苦労を惜しんで ベガルタ仙台の若手 MF 村上選手の日記より。自分の HP の管理人への感謝の言葉だ(太字は私)。

「忙しい中たくさんの時間と苦労を惜しんで作ってくださった」

2/5 の進歩で紹介した佐藤といい、仙台は人材が豊富だねえ。
 信太郎の修論発表練習。じゅりを膝の上に乗せて一緒に聞いた。一方のフッキーは、今日は練習は無理だという。「明日やりたいのですけど、いらっしゃいますか?」と聞かれたので、「フッキーのためならいつでも来るよ」と答えた。「やめて下さいよ、そういうの」と言うから、「じゃ、遊び(<-- スキーに行きたがっている)に行ってもいい?」と聞くと、「それもやめて下さい」と言う。はっきりしないヤツだ。
 くにっちとデータ解析の議論。軽い立ち話のつもりが、「ドーナツがですね」と言い出すので、遠くへ行ってしまわない内にじっくりと話を聞いた方がいいと思ったのだ。で、ちゃんと正しい方向へ進んでいることが判明した。
 順次産卵の論文の改訂を終え、改訂内容を説明する手紙を書き上げた。共同研究者の原田さんに送って意見を待っているところ。今回も、レフリーのコメントに従って改訂したら、その部分の改訂説明文をすぐに書き上げるという同時進行方式を採った。やっぱこの方式は正しい。改訂が楽に(じゃないのだけど本当は)進む。詳しくは、「これ論」補足説明の「論文の改訂と、改訂内容を説明する手紙の執筆」を参照のこと。
2/13(木)の進歩 山形蔵王で樹氷 がんちゃんの練習が昨日になった理由は、休暇を取って、山形蔵王にスキーに行ったからだ。買ったスキーを使いたくて週末まで待ちきれない、それに週末は混んで大変だろうと思って今日にしたのだ。作戦としては、朝一番にロープウェーで山頂まで行き、樹氷を堪能しながら滑り降りて、その後は下の方のゲレンデで過ごすというもの。張り切って早く家を出たら、7時過ぎには着いてしまった。ところがロープウェーは 8:25 に運行開始。やむなくぼうっとしていると、卑怯にも、8:15 くらいに突然運行を始めるという奇襲を受けた。あわてて乗り場に行ったらすでに人が並んでいて、第三便に乗る(7 時過ぎに着たのに!)という間抜けさであった。ロープウェーの中間駅そばのゲレンデでちょっと足慣らしをしようかと思ったけれど、そこのリフトはなぜか動いていない。やむなく一挙に頂上まで行った。天気は晴れ、樹氷がとても綺麗だった。しかしそこには、ザンゲ坂という厳しいコースが待ち受けていた。暁子には、足慣らし無しで滑るのは過酷だったようで、「なんでこんな辛いことするの」と儚んでいた。なんとか滑り降りて山頂を見上げると、山頂は雲で隠れていた。やがて雪が降り出し、私たちが山頂にいたときだけ晴れていた感じだ。幸運。その変わり、修論発表は吹雪になるやもしれない。遭難する修論生が出ないことを祈ろう。黒姫ゲレンデに高速のリフトがあったので、「こりゃ便利」と黒姫ゲレンデで長時間過ごした。雪はだんだん激しくなり、午後には吹雪のような感じになってきた。暁子が弱ったので、車を置いてある横倉ゲレンデへと向かった。するとなぜか暁子は力を取り戻し、今度は横倉ゲレンデでしばし過ごした。五時に終了、快い疲労感と共に帰宅したのであった。
2/12(水)の進歩 アメリカ問題 【珍しく政治的です】 世間は「イラク問題」で大荒れである。しかしこれは、正しくは「アメリカ問題」だ。イラクに対して虐殺と石油略奪を行おうとしているアメリカをどう抑えるのか。アメリカのやり方が通用するのならば、バチカン市国もムツゴロウの動物王国も、「大量破壊兵器を隠し持ったならず者国家」に仕立て上げることが出来る。唯一の超大国で大量破壊兵器持ちまくりのアメリカの狂走に、世界はおろおろするばかりである。
 杉並区が、小柴さんのノーベル賞受賞を讃えて、「ノーベルの道」というのを作るそうだ。小柴さんのご自宅近くの公園や道を科学的雰囲気に整備するそうな。でも、「ノーベルの道」という名前では、小柴さんではなくノーベルを讃えていることにならないのか?
 久しぶりに時間が取れたので、Evolution に返送予定の順次産卵の論文を改訂中。今日中にめどをつけたいのだけれど。
 溜まっていた編集委員の仕事をぽつぽつと。どんな厳しいレフリーコメントも、他人様の論文へのコメントだと気楽でいい。まるで、どっちが勝ってもいいサッカーの試合を見ているみたいだ。
 修論生は、修論発表会に向けての準備を進めている。そしてがんちゃんが、「明日、発表練習をしたいんですけど」と言ってきた。私は、がんちゃんの目を見つめて答えた。「明日などという弱気を言ってはいけない。今日練習しよう。頑張って準備を終えるのだ」。なぜ私はこう答えたのか、深い愛情の言葉なのか?その答えは明日の日記で!
2/11(火)の進歩 形は出費から 昨日、スキーと服一式を買った。想像よりかなりの出費で、「形は出費から」であった。店に入った時は意気高く、「スキーに必要なもの一揃え売ってくれ給へ」と店員さんを呼び止めた。スキー三点セット(板・金具・杖)は私のが 1,4800 円、暁子のが 1,9800 円でまあ想像通り。しかし周辺機器が高かった。靴は最低で 9800 円。サイズがなかったり履き心地が悪かったりでもっと高いのになってしまい、私のが 1,7820 円、暁子のが 9800 円。この時点ですでに萎えてきた。スキー本体と大して値段が変わらないなんてねー。ゴーグルもなんだかんだでそれなりの値段のに誘導されてしまった。なら、ゴーグルなんて買わなければいいのにと思うかもしれないが、一昨日の経験から、これが無いと辛いことがわかっていたし、「形」を重んずるものとしては避けて通れないのだ。おかげで服売場に辿りつい時は、「お、お願いします。一番安いのを ………」とへたりこんだ。締めて二人で 9,7202 円。一式を 6-7 回借りるより安上がりと気を持ち直してレジへ向かった。そしたら「先生!」と声をかけられた。レジには、生物学科の三年生の和氣さんが居た。「和氣さん、何してるの、こんなところで?」。「バイトに決まっているだろう」と我ながら思ったが、聞いてしまったものはしょうがない。和氣さんにレジを打って貰った。「一つくらい打ち忘れて」とお願いしたが駄目であった。残念。総括:何を買うにしても「一番安いのを」という姿勢だったので、貧乏くさいという印象を店員に持たれたやもしれない。しかしこれは全くもって理不尽な印象である。私たちは、一回に 9,7202 円もの買い物をしたのだ。こう考えるとかなり豪奢と言える。
 モリナガが昨日、論文の改訂を終えて持ってきたので、改訂内容を説明する手紙と改訂内容を読んでいる。しかしレフリー2、細かいのう。
 ヒラガが、モデルのことで相談に来た。このところ、他のことに時間を取られヒラガのモデルに手を付けていなかった、すまぬ。
2/10(月)の進歩 趣味は形から 私の主義の一つに、「趣味は形から」がある。趣味においては、「苦悩」「試練」「逆境」「挫折」「苦しみを乗り越えて」「今を耐えて」「この悔しさをバネに」といったこと一切お断りというものだ。こうした苦しみは本業だけで十分、趣味くらい、「喜び」「満足」「快楽」100 % でいきたいのである。で、何を言いたいかというと、スキーを趣味に加えることにしたので、今日さっそくスキー用具一式を買うのだ(こう書いてみると、「趣味は形から」という主義とはあまり関係ない気もするな)。一式借りるとけっこうな値段で、4-5 回借りるくらいなら買ってしまった方が安上がりということもある。信太郎に相談したところ、私は160 cm くらい、暁子は 150 cm くらいの長さが適当(驚き:昔は身長プラスαだったのに、今は身長マイナスαだそうだ)とのこと。初級者向けの板は軽自動車の感覚、中級者向けの板は普通車の感覚だそうだ。「初級者向けを買うと、その内に中級者向けのが欲しくなるかも」と言われたけれど、上達する予定は無いので大丈夫だろう。

注;ベガルタ仙台と日本代表については随分と苦しんでいる。でもこれは構わない。私にとってサッカーは趣味ではない。生活だからである。

 牧研の福田君と河田研の林君の博士論文発表会。お二人ともお疲れさまでした。そして学位取得おめでとう。
2/9(日)の進歩 暁子、リフトに轢かれる とうとうスキーに行った。実に中学二年の時以来だ。最後に滑ったのが内の学生が産まれる前と思うと、そんな昔にすでに自我が形成されていたことに悲観してしまう。しかし、話がそれてはいけない。私は、小二から中二まで秋田に居たので、当時はけっこう一所懸命スキーをやっていた。でも、こんなにも久しぶりにスキーをやって、まともに滑れるのかと不安だった。しかし、自分でも驚くくらい、ちゃんと滑ることができた。スキーを履いた直後こそは、「足が揃わない」と心配になった。そして最初に一滑りした時は曲がる気がしなかった。でもだんだん慣れてきて、その内すーいすい、ときにズサササだ。さすが、神経系に刷り込まれたものは忘れないものである。サッカー選手が怪我で一年近く棒に振ったあと、元のプレーを取り戻すことができることの合点がいった。でも、筋力の衰えはいかんともしがたく、100 m も滑ると足が痛くなってしまう。で、一休み、そしてまた滑り出すということを繰り返した。休んでいるときに暁子を探す。目当ては、「人形をスキーに乗せて滑らせているような感じ」だ。固まったみたいに身体が動かずに、じわーじわーと進んでいるのですぐにわかるのだ。あの速度でゲレンデの端から端へと大きく回りながら進むので、まさに交通妨害である。上手い人はすさーっと避けてくれるのだけど、初心者同士だとたまにぶつかってしまう(一日で 3-4 回ぶつかったらしい)。しかしそこは暁子だ。「私以外のシロウトはすっこんでろ!」という気迫で滑っていたそうだ。暁子は、リフトに乗るのも大変だった。乗ろうとした瞬間にスキーがすーっと前に滑りそのまま転倒。リフトに轢かれた。リフトは緊急停止し、「お客様の安全確保のため停止中です」とアナウンスされてしまった。降りるとき、今度はなぜか俯せに倒れた。そして自分が乗っていたリフトに潰された。午後、ゴンドラとリフトを乗り継いでスキー場のてっぺんに行った。暁子は、しばしば転びながらもじわじわと滑り降りる。表情を見ると、ずいぶんやつれていた。でもそんな暁子もスキーが気に入り、「また、行こう。今度は樹氷を見に行こう」と約束したのであった。

筋肉痛一覧表:右手の指(とくに、小指が痛くて曲がらない)・両二の腕・両胸・両肩のあたり・腹筋・両腿・両ふくらはぎ
2/8(土)の進歩 陸女寿司 昨夜、じゅりを連れて陸女寿司に行った。じゅりは大興奮。座敷から厨房から走り回るは、あき子さん(看板娘)の顔を舐め回るは。私たちも、河豚のお造りを御馳走になるのど大歓待だった。毎度ありがとうございます。でなわけで今日は二日酔い気味。サッカーの練習にも行かず(御免)一日家でぼうっとしていた。暁子は美容院に行った。大して変わらずに帰ってきた。
2/7(金)の進歩 第八刷出来 「これ論」の第八刷が出来上がった。博士論文・修士論文・卒業論文を無事書き終えたあなた、これらの学位論文を「これ論」片手に投稿論文に書き直そう! 博論・修論・卒論は学内向けの存在。これらの論文を書いただけでは、研究成果をあげたことにならないのだ。研究は、学術雑誌に掲載されて初めて研究成果として認知されるのだからね。
 今度は私が牧の部屋に遊びに行った。そして秘密の雑談。
 順次産卵の論文を改訂中。来週頭には完成させたい。それにしても、レフリー(というより今回は編集委員)とは何と世話の焼ける存在なのだろう。面倒ったらありゃしない。
 ここで一つ、「最近話」を。 さいきん、さいきん。ある小学校で、学芸会が迫っていました。校長先生は各クラスの担任に、「学芸会の世話は校長室の職員が行います。そして、校長が諸々の判断をします」と言いました。ある生徒が、学芸会のことでわからないことがあったので、校長先生に質問しに行きました。そしたら校長先生に、「生徒の質問には答えません。わからないことがあったら、担任の先生を通して質問しなさい」と叱られてしまいました。担任の先生は校長先生に、「生徒が直接質問してはいけないという規則はいつ出来たのですか」と尋ねました。校長先生は、「「学芸会の世話は校長室の職員が行います。そして、校長が諸々の判断をします」と担任に伝えたということは、生徒は直接質問してはいけないということです」と答えました。担任の先生は、どうしてそういう理屈になるのだろうと目を丸くしてしまいました。やれやれ、やれやれ。
2/6(木)の進歩 ニセ反立春同盟現る 確かな情報筋によると、偽物の反立春同盟が現れたらしい(本物については 2/4 の進歩参照)。偽物が掲げるL 字の意味はなんと "We Like spring" の L である。そして「迎春!」と叫ぶ。捨て置けぬ。
 くにっちの講座セミナー。姉妹間競争の検出の研究成果の発表だ。綺麗なデータでみんな納得。絶対に良い論文になると思う。ところでくにっちのセミナーは、本人の就職活動の都合により午前に行った。カゴメを受けるらしい。志望理由は、「(自分の)トマト嫌いを直したい」からだそうだ(違ったっけ?)。で、「得意なことは第一印象を悪くすること」。死ぬ気で行って来なさい。注;くにっちとは、「これ論」の表紙の右端の選手です。
 引き続きしいちゃんの講座セミナー。キバナアキギリにおける、最適な花序の大きさと数の解析の研究発表。花序を作るコストを考慮しても、小さな花序をたくさん作る方がいいという結果になった。ではなぜ、現実には大きな花序を作る個体が存在するのか?今年の夏にいろいろ操作実験をして、このことを調べる予定である。頑張っておくれ。どうでもいい不思議:キバナアキギリは黄色の花なのに、しいちゃんが描いた花の絵は赤だった。注;しいちゃんとは、「これ論」の表紙の右から四番目の選手です。
 ヒラガのモデルについて苦悶中。昨日は自分の論文の改訂に時間を費やしたので、今日はヒラガの日だ。解析が行けそうな気がしてきたけれど、踏み出すのが怖い。解析してみたらやっぱ無理でしたという答えが出たら大変だから。
 生命科学研究科(私の所属)では、「学生ふぜい」が直接ものを尋ねてはいけないらしい。必ず「指導教官様」を通して質問することが決まりだそうだ。何でだろう?個々の学生の質問にいちいち答えるのは大変だから?しかし学生直接だろうと指導教官を通そうと、質問の総量は変わらない。つまり答える側の手間は変わらない。やはり、「学生ふぜい」の直問は許さんという権威主義なのかなあ?
2/5(水)の進歩 明確な理由で論文を読むのが遅れる しいちゃんが論文の改訂稿を持ってきたので、読もうと思って机に向かった。そしたら暁子から、「アホかも」というsubject のメールが来た。

「佐藤寿人(注;ベガルタ仙台の期待 FW)の日記より: 26日の夜に帰ってきて27日の朝に仙台へ向かったので少しジタバタしてしまいました。」

その結果、以下の理由でしいちゃんの論文を読むのが十分遅くなった。

ウケる --> 佐藤寿人の日記をネットで探す --> 見つからず諦める --> ともかくこのことを日記に書く

さあ論文を読もうと思ったら今度は、「停電&断水」という subject のメールが来て追い打ちをかけられた。その中身は、「ただ今帰ってきました。お土産を召し上がって下さい」というものであった。
 がんちゃんが、新卒研生のための研究テーマ案を四つも持ってきてくれた。「こういうこと調べたら面白いと思います」と顔を輝かせて。そして実際、どれも面白そうだ。私が長年気にかかっていたテーマもあったし。彩子と宏太(新卒研生)が来たらさっそく話してみよう。ともかくも、がんちゃんのこうした姿勢を私はとても嬉しく思う。
 モリナガが、頑張って論文を改訂している。初めてで慣れないことも多いだろう。でも、このさき嫌というほど慣れさせられることになるから、心配には及ばないぞ。
 Evolution から返ってきていた順次産卵の論文の改訂に着手した。改訂内容を説明する手紙も同時進行で書いている。「これ論」執筆が間に入ったため、論文の改訂作業をするのは久しぶりになってしまった。「どうやって書くんだっけ」という感じで筆が進まない。
 もうすぐ修論発表会。修論生にとっては、どんなコンピュータやソフトが発表に使えるのかを知っておくことが必須である。使用できないソフトで発表を準備してしまったら大変だし。で、信太郎が、発表で使うコンピュータを見たいと思い、発表会場(片平キャンパスの旧遺伝生態研究センター)に下見に行った。片平の事務に前日に下見の許可を得てだ。ところが今日行ってみたら、手の平を返すように、「学生には見せられません」と事務に断られたそうだ。絶句。発表するのは学生だぞ。当の学生の下見を断るなんて私には理解不能だ。そこまでして「権威」を発揮したいのか?ちなみに世の中には、「指導教官=主君、学生=家臣」と思っている人もいるようだ。私はもちろん違う。私にとって学生は、た・い・せ・つ・な ……………………… ネタ(日記の)。
2/4(火)の進歩 反立春同盟 今日は立春。暦の上では春だそうだ。------ ふざけた日を制定するでない。まだまだ冬は続くのだ。そこで私は、「反立春同盟」を結成した。合い言葉はこうだ。親指と人差し指を直角に広げ他の指は握り、指で L 字型を作る(その昔、フィリピンのアキノ元大統領がやっていたやつ)。L は、"We do not Like spring" の L だ。そして「倒春!」と叫ぶ(「立った春を倒す」の意。春闘ではない)。だいたいにおいて、花粉が飛び散る季節を待ち望むなんてナンセンスである。同盟に暁子も入れようとしたら嫌がったので、チューリップの球根を買って春を演出することを条件に加入させた。
 イ・タポンの論文にコメント。あと一回直せば完成と思う。と思いきや、すぐに修正稿を持ってきてくれた。おめでとう、完成だ!しいちゃんの論文にもコメントした。だいぶ良くなってきたね。
 月初めの談話会。修論生はお疲れさま、去年の修論生は投稿論文執筆たけなわ、来年の修論生は「あと一年しかないんだー」と実感し出すという感じだった。イ・タポンと友蔵(去年の修論生)は修論を日本語で書いたのだけど、「なんで始めから英語で書かなかったんだっけ?」と、ふと思ったことを私は口にした。そして気づくと、「二度手間だから来年からは始めから英語で書こう」としゃべっていた。来年以降の修論生にとって極めて重要なことが、実にさりげなく決まったのであった。
2/3(月)の進歩 モリナガの論文戻る American Journal of Botany に投稿していたモリナガの論文が返ってきた。以前、仮アクセプトという知らせだけがメールで来ていたやつだ。論文が返ってきたのに寝ているのはけしからんと、昼の12時頃(起きるのが嫌いなモリナガはまだ熟睡している時間)、熊ちゃんに電話でたたき起こして貰った。「いつもよりは早く行きます」とその場しのぎの言葉を残してまた寝たらしいが、確かにいつもより早くやって来た。コメントを読むと、けっこうたくさん修正要望点がある。モリナガがちょっと引いているので、「こんなの全然楽。本当に厳しいコメントは本当に厳しい」とややわかりにくい言葉をかけておいた。
 牧が、私の研究室を久しぶりに訪ねてきた。二人してセミナー室にこもって、コーヒーを飲みながらしばし会談した。中身はヒ・ミ・ツ。
 ヒラガのモデルについて苦悶。でも少し光が見えた気がする。問題なのは、その時に考えたことをヒラガにわーっと話しておいて、数時間後にはすっかり気が変わっていることだ。私の言葉に従って一所懸命解析しているヒラガを思うと不憫ではある。でも、「さっきのは無し」と言ったとしても、そこからまた気が変わる可能性が大なので、言うのが何か虚しいのだ。許してたもれ。
 三年生の太田さんと藤岡君が研究室にやって来た。来年度から内の研究室に入るのだ。輝かしいばかりに目映いお二人(<-- 二人がケッコンするという意味ではない。希望に輝きながら研究室に入るという意味である)。明るい未来に向かって邁進しておくれ。
2/2(日)の進歩 効果音が長所 昨夜、「恋のから騒ぎ」を久しぶりに見た。「私の良いところは、好感度を持たれること」と言ったのが、「私の良いところは効果音」と聞こえた。「ザーー、ザーー、ザーー」という波の音とか、「ぽつっ、ぽつっ、ぽつっ」という水滴の音とかが「私の良いところ」とは、怪しい女だと思った。
 今日も、じゅりで樹氷を作ろう(1/26 の進歩参照)と雑木林に行った。ところが、雪が湿って固くなっていたせいか、雪玉はほとんどできなかった。帰室後確認すると、ピーナッツ大の雪玉が数個付着しているのみであった。がっかり。雪玉発達臨界雪質というのがあるのか? また大雪が降るのを楽しみに待つことにしよう。
 くにっちとデータの議論をした。じゅりを私の膝に乗っけてだ。じゅりは、机の上に前足と顔をべちゃーっと乗せて、ほよーっとした顔でくにっちのデータを見ていた。そんなじゅりを私は可愛いと思った。でも、対面に座っていてじゅりの表情が良く見えるはずのくにっちが、ちっとも相好を崩さずにデータの説明を続けるのでムッとした。その後じゅりは、向学心が芽生えたのか、まずは消しゴムを食べることから始めた。<-- 気づいたら、誰かの消しゴムを囓って食べていた。
 ヒラガのモデルについて苦悶中。光明(「巧妙」と書くのも良い感じ)が見えたと思いきや駄目であった。ああ、何とか突破口を開きたい。
2/1(土)の進歩 スキー、来週に延期 明日スキーに行こうと張り切っていたのに、暁子が何故か抵抗した。この前スキーに行ったときは、「ちょっと滑る --> 転ぶ --> 転んだまま滑り落ちる --> さらに滑り落ちる --> まだ滑り落ちる --> 雪まみれになる --> それでも滑り落ちる」の繰り返しだったらしいので、びびっているらしい。でも、来週は行くと固く誓った。来週末に私たちを研究室で見かけたら、暁子を厳しく非難して呉れ給へ。
 シェルコム仙台(ドーム型の室内競技場)でフットサルをした。筑波での生態学会の折りに行われるエコカップ 2003 に向けての強化トレーニングだ。ブランメル生態 Nature(優勝を義務づけられた最強チーム)・ブランメル生態 U45(45 歳以下のチーム)・その他(学会不参加者のチーム)に分かれて試合をした。そしたらブランメル生態 Nature は弱かったぞ。このままでは優勝はおぼつかない!負けたときの罰則を強化しよう。十年間便所掃除だ!
 私たちの練習をじっと見ていた外国人が一人、飛び入りさせてくれと言って来た。で、この人、派手なうまさはないけれど、ここぞというときに正確に決める技術を持っていた。きっちりゴールを決めてしまう強さ。何か、日本人選手と外国人選手の縮図を見ているような気分になった。