入り江の海岸は冠水状態

さらに海岸に近い道路へ向かう。

十字路へ出る。 入り江が見える。
 
入り江の海岸線に平行に走る道路がある。
道路の入り口が冠水状態である。

入り江の海岸線に平行に走る岸壁上の道路をゼロ本目の道路として、
入り江の海岸線に平行に走る2本目の道路の入口付近まで冠水状態である。

つまり、入り江の岩壁に向かう道路は、海から陸側に向けって、
およそ150メートルほどまで冠水している。

十字路付近は水がひたひたの状態だが、海岸付近ではどのくらい
深くなっているかわからない。 下水溝が開いているかもしれない。
冠水した海水の中を海岸に沿って家まで歩くわけにはいかない。
----------------------------

海水が引くのはいつになるかわからない。
もしかすると、冠水は大津波後の
一時的のもので、明日には、海水が引くかもしれないとも考えた。

なぜなら、予想されていた宮城県沖の大きな地震の後は、
沈降しつつあった陸側の土地が若干隆起するだろうと
予想されていたからである。
(今となっては、この予想は外れてしまったが・・・。)

----------------------------------------

入り江と並行に走る道路は、
自宅方向60メートル付近でガレキがダムのように積み重なり
道路をふさぎ通行できない。 ガレキは
1階の上、2階のすぐ下まであった。
ガレキが積み重なっている片方の家は大破している。

大破した住宅や津波に流され移動している住宅がたくさん見える。
町全体がガレキでおおわれていると言ってよい状態である。
けれども、一様にガレキにおおわれているわけではない。
家々が破壊されガレキとなり、津波に流される。
津波の流れが建物でせき止められたところ、
淀んだところ、家が土台から持ち上げられ、
流され、道路を塞いだ所などにガレキが集まっているようだ。
------------------------------------------------------

ここまで来てなぜ渡波小学校付近にガレキや車が
たくさん集積しているのかがわかるような気がした。
渡波小学校のすぐ近くにJRの渡波駅がある。
JR渡波駅は周辺よりも少しだけ
(おおよそ50センチメートルほど)地盤が高いから
波打ち際のようにガレキが集まったのだろう。
-----------------------------------------------

ここまで歩いた距離は、渡波小学校から入り江の海岸が
見える十字路までほんの500メートルほどである。
道路上にはアスファルトの小さな亀裂があるものの
大きな亀裂はなく、大きな地割れもない。
道路上には大きな陥没もなければ、段差もない。

道路上の下水管(たぶん)のマンホールが
少しだけ浮き上がっている程度である。

道路上にガレキが散乱していることを仮に除くとすると、
雨あがりの道路と変わりがない。

大きな地震の後なのだから、大きな亀裂や地割れや
大きな段差や陥没があっても不思議ではないはずなのに
そのようになっていない。

大きな地震の後にしては、道路の状態は
日常の道路と同じなので不思議な気持ちがした。
-----------------------------------------------------

もうこの方向から家に入ることはできないことがわかる。
家に向かうためには、さらに太平洋側の道路を迂回して
家に向かわなければならない。 太平洋側の
道路はさらにひどい状態であるはずだからむずかしそうだ。





Index へ       前に戻る        次へ