3月13日(大津波2日目) 朝、瓦礫の道路を家へ向かう


道路 (渡波小学校正門と渡波郵便局の間)は、
ガレキでうず高く埋め尽くされていた。

(このページに記述した町内は、
太平洋の海岸線からおよそ600メートル、
入り江の海岸線から300メートルから600メートル
そして、この付近の浸水高は、地面から
150センチメートルから200センチメートルである。)

ガレキの高さはは人の身長ほどあった。
ガレキ上を歩くことはとてもできない。

渡波小学校敷地沿いの通学用歩道(幅1.5メートルほど)を見ると、
踏み分け道ができている。 歩道の下のコンクリートは見えないが、
ガレキの上に歩きやすいように、流れてきた細い板、広い板を
とぎれとぎれに敷いた踏み分け道ができていた。 たくさんの人が
この道とは言えない道を渡波小学校へ行き来したのだろうと想像した。

それと同時に、私にとってはまだ津波直後の気分なのではあるが、
時間の経過を感じた。 そして、町の多くの人が、たぶん大部分の人が、
避難行動をとらずに家の中に留まっていた。 そして、
津波が引いた後になって小学校に集まったのだろうと思った。

ガレキの上の踏み分け道を、逆さ釘で足を踏み抜かないように、
足元を見ながらゆっくりと進む。 踏み分け道といっても
それは、靴の一足分か二足分程の幅なのだ。
通路に張り出したガレキに左手を
伸ばし体のバランスを取りながら進む。 

渡波小学校の敷地と道路を隔てるフェンスには、流されてきた
小型の自動車が引っかかっていた。

国道398号線を横断する。 国道もガレキの状態である。
国道に隣接するスーパーマーケット「アイノヤ 渡波店」の裏側入口に出た。
アイノヤ入口のガラスの自動扉は壊されていなかった。
店内に人は見えない。

アイノヤを過ぎると急にガレキがなくなった。
ガレキの少ない、コンクリートの道路面が見える所に出た。
道路面には水たまりがある。
電信柱が倒れている。その電信柱は
道路斜め反対側の家の中に突き刺さっている。
電信柱の下をくぐり抜け進む。
津波で流されてきた自動車がそちらこちらにある。

お寺前のT字路に出る。
お寺前から太平洋の海岸線へ通じる道路、
家へ向かう道路でもあるのだが、道路の向こうには
ガレキがうず高く積もり通行できないことがわかる。
入り江の海岸線方向の道路から家に向かうことにする。

石巻市役所渡波支所前に出る。
渡波支所側面の自宅に向かう細い道路入口は、
ガレキが家の軒下まで積み重なり通行できない。

さらに入り江の海岸線方向へ道路を進む。
裏町の十字路に出る。
太平洋の海岸線方向の道路、家に向かう道路でも
あるのだが少なくても途中までは通行可能であることがわかる。




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