クルマをいじる金が無くなったら仕事をする、と陰口を叩かれ続けて来た
ジェフ・ベックが、どうしたことでありましょう、去年に続き今年も新譜の発表、
来日公演と精力的に音楽活動をしています。消える前のロウソクを連想して
何かひっかかる物を感じているのは私だけでしょうか。
それでも、ちゃんと予定通りライブは行われました。 逆にこちらが「毎年仕事をするジェフ・ベック」について行けないという テイタラク。ライブ当日の 12 月 4 日朝、私は通勤電車に乗りながら、 なーんか今日大事な用事があった気がするんだけどなあ、と 寝ぼけたことを思いながら、ポータブル MD で平和にボズ・スキャッグスなど 聴いておったのであります。この気持ちの盛り上がらなさは いったいなんなのだ。 「私的熱狂音盤」のページにも書きましたが、新譜「You had it coming」に 関して、私はあまり良い印象を持ちませんでした。 それでも、いったいこれがライブでどうなるんだろうと想像しながら、 7 〜 8 回は聴いたでしょうか。結局曲名を覚えるまでには至らず。 これではライブでセットリストを確認できないではないか、 とか思っているうちに早当日。
● 12 月 4 日 東京国際フォーラム去年は三回見に行きましたが、今回はこの日だけ。 この回数からも、今回の気持ちの盛り上がり加減が推測できてしまいます。 入り口では Jeff Beck Mailing List のメンバー M 氏にばったり。「オレは 三回行くっすよ!」とのお言葉。燃えている。その熱さを少しうらやましく 感じながら、かばんチェックのお兄さんに「MD? いえいえそんなものは 持ってないっすホントですホントです」と言いながら、さて会場内へ。去年は帽子に T シャツに携帯ストラップにパンフレットに、と たくさん買い物をしたが、今年はまあいいか、という穏やかな気持ちで グッズショップを眺めると「限定品」「刺繍入り」と書かれたデニムジャケットが。 こんなものに 12,000 円も出す馬鹿がいるのか。はい私です。って結局どかんと 投資しておるではないか。 会場では、演奏よりは美味いものを食う方がメインの活動内容である 某バンドでご一緒している T 氏と遭遇。しばし語らうと、開演予定時刻はもうすぐだ。 場内暗転。新譜収録の「Blackbird」を思わせる鳥の鳴き声。ドライアイスの煙。 一曲目は「Earthquake」だ。 白い袖無しシャツに黒いベスト、ちょっとだぶっとした、腿の辺りにポケットの ついた黒っぽいズボン、そしてもちろんストラトキャスター、といういでたちで、 ジェフ・ベックは戻ってきた。 ちょっと、太って。
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