2009.7.25(土)16:00開演

エリエール・スクエア
渡辺淳一文学館地下1階講義室

入場料：\2500

1部
ドビュッシー、プーランク作品はフランス語、他はイタリア語です。

♪私の愛するひとのまわりに〜チェスティ

イタリア歌曲“Intorno”です。熱い気持ちをそよ風にのせて、憧れのひとに届けたいという、恋の始まりの思いです。

♪そうなってほしい〜トスティ

“あなたのそばに、花のように身をかがめて、ささやきたい…Io t'amo”素直に明るく歌いたいです。そういえば私、10年位前は、この歌を差し迫った表情で、粘りに粘ってうっとうしく歌っていました…(苦笑)

♪そは　やるせなき〜ドビュッシー

夕暮れ時の恋人たちの部屋…開け放した窓辺で揺れるカーテン…ベッドのシーツは、動くたびに風にそよぐ木々のざわめきのような乾いた音をたて…二人は圧倒的な愛の中にいます。少し飽きています…飽きるほど…幸せなんです。
〜『愛の小部屋』で、果てしなく拡がる私のイメージ。

♪あぁ、愛するひとの〜ドナウディ

先日、ある女性が私に言いました。「過ぎた日は戻ってこないのよ…」独りの部屋で、あなたを呼び、あなたを求める虚しい日々…これから私は、いったいどう生きていけばいいの？

♪歌曲集『偽りの婚約』〜F.プーランク
約束が果たされないまま、色褪せてしぼんでしまった6つの愛の物語。
でも、ルイーズ・ド・ヴィルモランの抑制の効いた詩と、プーランクの機知に溢れる音楽との融合は、“偽り”ではなくほんとうに幸せなマリアージュ(結婚)にたとえられるでしょう。
　　
1.アンドレの奥さん
アンドレは、ある女性に婚約指輪を渡しました…彼女のことをよく知らないのに。彼は正しかったのだろうか？それとも…

2.草の中で
私はもう彼に何もしてあげられない。彼は死んでしまった。子どもの頃に遊んだ木の下で…私の名を呼びながら…でもその声は、私には届かなかった。

3.飛んでいる
カラスがチーズを盗んで飛んでった…私の恋人は、愛は、幸せはどこ？
みんな飛んでいる！
私のハートを盗んだ泥棒を連れ戻して！いっそ彼に、私の全部を盗んでほしい…

4.私の屍は手袋のように柔らかい…
もがき苦しんでいた私の指…何度も呻き声をあげていた私の喉…死んでしまった今は、私のすべてが皮の手袋のように柔らかい…

5.ヴァイオリン
心狂わす弦の響き…イチゴの形をしたハートが、秘密の果実のように、人知れず恋に身を任せる…

6.花
約束の花…あなたの腕に抱かれた花…冬に、誰かが運んできた花…海の砂の上に…
あなたとの思い出が暖炉の中で清らかな炎をあげて燃えている。

♪昔の歌によせて〜O.レスピーギ

ふと耳にした歌…街中ですれ違った香りに、鮮やかに昔の記憶が呼び覚まされることがあります。
…何年も前の別れ…今はもう、若さも熱い感情も失ってしまった二人…でも、あの時のことが、まるで昨日のことのように生々しく蘇り、心の奥を苦い想いで満たすのでした…別れの場面で流れていた歌は、チェスティの「私の愛するひとのまわりに」…あなたは覚えていますか？聞こえますか？あの古い歌が…と、昔の歌によせて、過去を回想しています。

　「第１部のピアニストは大江幸世さんです。彼女は、去年のＫＩＴＡＲＡでのリサイタル、数々の門下主催コンサートなど、いろいろな場面で私をサポートしてくれている、大事な大事な存在です。出会いは北星学園女子高音楽科、私のソルフェージュの授業の生徒さんでした。彼女は自分に厳しく研究熱心・・・私に深い共感と信頼を寄せてくれているのが心地よくて、安心して歌わせてもらっています。」

２部