ウィットビー(Whitby)



聖メアリー教会(St.Mary Church)

親切なお兄さん達のお陰でやっと辿り着いた今夜のホテル。

nogi:・・・さすが"ファーム(農場)ホテル"周りに何にもない・・・
Pi-子:正確にはB&B(民宿)だけどね。ちょっと興味あったから一回泊まってみたかったんだけど、立地が立地 なだけに車じゃないと来られないところばかりだし、これはチャンスかと思って。・・・まさか道に迷うと思ってなかったからさ・・・
ねじき:農場だったら、とれたてのミルクとか〜卵とか〜食事がおいしいよね、きっと♪
Pi-子:う〜ん、でもイギリスだからねぇ・・・


車を降りて、建物に向かって歩き出すと2匹の大きな犬が歓迎してくれた。
番犬?猟犬?牧羊犬?・・・ま、そんなとこでしょう。かなり人馴れしているようで私たちにまとわりついてきた。

Pi-子:すみませ〜ん!!
呼び出しベルがあるわけじゃないし、横にだだっ広い(土地は豊富にあるので)建物。
Pi-子の声が届いているのか一抹の不安を感じ出した頃、奥からおかみさんが登場し、ようやくチェックインすることができた。

nogi:疲れた〜。早くお風呂入って寝たいけど・・・お腹空いたよ。早くご飯にしよ〜よ〜♪
Pi-子&ねじき:あぃあぃ

と、夕食の用意。

今日の夕食は、スーパーで買っておいたインスタントスープにカップケーキ。フルーツ各種。
nogi:(あ〜。ちょっと情けないけどしょうがないよな〜。明日の朝食に期待しよ^^)←心の声
と、ちゃっちゃと食べ終わる。

nogi:えっと。お風呂先に入っていい?早めに出るから^^;
Pi-子:いいよ〜。荷物整理とかしたいし。ゆっくり入りたいから。
ねじき:どうぞ〜。Pi-子さん、最後がいい?次入る?
Pi-子:ねじき先でいいよ。


いそいそとお風呂場へ行くと正面にわりと大きな腰高窓。
2Fだし、こんな所だし、覗かれる心配はないだろうが・・・と思いつつ、窓の外を見てみると・・・

おぉっ!わらが山になってる〜!

nogi:Pi-子、ねじき、来て見〜。
Pi-子:おおっ、すごいね、まさに農場だ。ハイジが出来るじゃん。
ねじき:え?でもあれベッドにしたらチクチクして痛そうだよ。

現実はそうかもしんない^^;;;


メルヘンな部屋 それよりも無事についてホッ
気分はハイジ

6月11日(火)朝8時。
nogi:Pi-子、朝食何時からだっけ?お腹空いちゃったよ。
Pi-子:8時半・・・
(←寝起きが悪い)
ねじき:楽しみだねー。
nogi:(あと30分もあるのか。昨日の夕食がお粗末だっただけに早く食べたいなぁ。)
←心の声

荷物まとめたり、支度している間に8時半!
楽しみ楽しみ〜と、朝食(ビュッフェ形式)それぞれを皿に盛り席に着く。

食パン、目玉焼き、ベーコン、マッシュルームの炒め物
これぞ"イングリッシュ・ブレイクファースト"

さっそく、いただきま〜す p(^o^)q

・・・ベーコン塩辛い T-T
きのこの炒め物・・・これも塩辛い T-T
目玉焼きも・・・ちょっと味が濃いかもしれない。期待していただけに、ちと悲しT-T

ねじき:もう少し塩分控えめにすればおいしいと思うんだけどねー。
Pi-子:イギリスの食事は何かが足りないか、何かが多すぎるかのどっちかだから。

さすが、この中で一番長くイギリスに滞在しているせいか悟ってしまったらしい・・・悲しいことに・・・。

さて、気を取り直して出発しましょうか〜
と、9時半には出発。

Pi-子:まずは、ねじきの希望でウィットビー、それからゴースランド駅と・・・時間があったらスカーバラにも ちょっと行ってみたいかな。ま、ノース・ヨーク・ムーアズ国立公園巡りってとこかな。
nogi:OK〜♪はりきって参りましょう♪




車の旅も順調に。12時半にはウィットビー到着^^

まずは丘の上にある聖メアリー教会へ。
高台にあるということは必ず"登る"という事が付き物ですが、街の中から教会に行くには199段もある階段を登らなきゃいけないんだって(^_^;A

nogi:本当に199段あるのかな?
Pi-子:数えてみる?1・2・3・4・5・・・
nogi:6・7・8・9・10・・・

最初は声に出して数えながら登っていったが、だんだん上に行くとただの息切れに変わっていった。
どんどん足が重くなる・・・けど、もう少しだ!

nogi:198!・・・あ〜、疲れた〜
Pi-子:200!・・・あ〜、やっと着いた〜
nogi:なんか198段しかなかった気がするけど
Pi-子:ウソ、1段多くて200段だったと思うよ。

じゃあ、帰りにもう一回数えてみるか〜・・・なんて言ってたけど、すっかり忘れた。

しかし、198(199?)段を登ってきた甲斐があり、すばらしい景色だっ!^^
nogi:上からの景色はすばらしいよ〜^^ ねじき。早くおいで〜♪
と声をかけたが、まだだいぶ下に居るなぁ^^;


200段の階段 (^_^;

登りきった上からの景色

エディンバラの二の舞はごめんなので、ねじきが無事に上がってくるのを待ってから教会見学に向かった。
ん〜、青空に聖メアリ教会が映えるなぁ〜♪
Pi-子:・・・ここで、天気がいいのはちょっとがっかりだね。
ねじき:そうだね〜、ここは曇りかちょっと小雨が降っている方が雰囲気があったのにね・・・


ん?どうして、晴れてちゃ雰囲気が出ないの?
聞こうと思ったが、Pi-子とねじきは話しながら教会の中へ入って行った。

聖メアリー教会、中はふつ〜の教会。
nogi:ねじきはなんでこの教会に来たかったの?
ねじき:教会っていうか、ブラム・ストーカーがここで「ドラキュラ」のイメージを思いついたんだって・・・ ってPi-子さんに話したら大喜びで行くって言い出して・・・
Pi-子:この断崖絶壁に立地する墓地がいいよね。確か小説の中でもルーマニアから船に乗ってウィットビー港に着くんじゃなかったっけ?
nogi:ドラキュラが船に乗ってくるの?
Pi-子:うん、でもちゃんと棺おけの中に入ってたと思うよ。

何が"ちゃんと"なのかよく分からない ^ ^;

外に出て改めて教会を囲むように林立している墓地を見ると、かなり古いものなのか墓石はほとんどが黒ずんでいて「ドラキュラ」の イメージがちょっとだけ理解できたような気がする。

nogi:でも、この墓石の薄さ、日本じゃ考えられないよね。
Pi-子:日本と違ってイギリスには地震がないから倒れて割れたり、って心配がないんじゃないの?

それと墓地なのにベンチが設置してあって日向ぼっこしているおじいさんがいたり、子供が遠足に来て、墓地のど真ん中でお弁当広げて 食べ始めているのも日本じゃありえない!と思った。

宗教の違いなのか、生死観の違いなのか・・・

老人と墓地お墓でピクニック♪(ちと遠い)

nogi:あれ?Pi-子、どっち行くの?帰り道はこっち・・・
Pi-子:こっちの奥にも修道院があるらしいからついでに見て行こうよ。


こうして何の予備知識もなく、聖メアリー教会の奥にあるウィットビー・アビーへ。

修道院っていうから、普通にシスターとかがいる修道院かと思ったけど、完全に廃墟。
さっき「ドラキュラ」の話聞いたせいか、ここもイメージ的に修道院全体が"墓石"って感じがする。

657年に作られた修道院。争いに巻き込まれたり、ヴァイキングの襲撃を受けたりと波乱に満ちた修道院だけど、最後は自国の王、 *1ヘンリー8世によって破壊されたんだとか・・・って、なぜ、自国の王様が?

Pi-子:ヘンリー8世って*2「青ひげ」のモデルになった人物といわれていて、 6人もの奥さんもらうんだけど、そのうち2人が処刑されてるんだわ。でもって、最初の奥さんと離婚したかったんだけど、カトリック教会が その離婚を認めてくれなかったから、ローマ・カトリック教会から離脱して自分で「英国国教会」を作っちゃって、それに従って改修しなかった 教会だの修道院だのかたっぱしから潰していったそうだ。
すごい暴君じゃんっ^ ^;

ぼろぼろの修道院だけど、昔は立派な修道院が建っていたんだろうな〜と思う。
これでもかなり修復したみたいで、このときにも横で修復工事している人たちがいた。


ウィットビー・アビー(Whitby Abbey)
石棺!? (((o>_<)o))ぶるぶるぶる
nogi:・・・これ、何?
修道院の庭と思われるところに・・・人の形をした・・・まさか、これって?

ねじき:人の形だよねぇ・・・石棺かな?
Pi-子:こんなんみたらブラム・ストーカーも創作意欲そそられちゃうよね?ふふふふふ・・・
(←ホラー好き)

ねじき:それよりさぁ、そろそろお腹空かない?
時間はそろそろ13時半。
ねじきの燃料が切れてきたみたいだ。

nogi:Pi-子、ねじきが燃料切れみたいだよ。そろそろ食事にしない?
Pi-子:そうだね。階段下りたところにお店が色々あったから、その辺で食べようか。


てくてくてく・・・先ほどの198段(帰りはすっかり数え忘れた)を降りて、街中に戻る。

nogi:何食べる?
ねじき:フィッシュ&チップスの有名なお店があるみたいだけど…
Pi-子:っていうか、イギリスの港町に行けばどこにでも"フィッシュ&チップスの有名なお店"ってのがあるんだよ。
nogi:それっておいしいの?
Pi-子:イギリス料理においしいの?って聞き方しちゃいけない気がする。
ねじき:あそこに"Curry"って書いてあるお店があるけど、カレー屋さんかな?
Pi-子:インド料理か…そっちのがいいかもしんない。

エディンバラの宿も「インド」だったしなぜにイギリスでインド?と思いつつお店に入る。

メニューを受け取ると" Vegetable Curry" "Fish Curry" "Lamb Curry" …なんて文字が並び、これをカタカナ変換したら日本でも馴染みの ものばかりなのでちょっと安心。
3人それぞれのカレーを頼み、待つこと数分でそれはやってきた。

nogi:…けっこうイケるね、このカレー。
ねじき:おいしいよ。イギリスに来て食べたものの中で一番おいしい!
Pi-子:やっぱり日本のカレーに近いからおいしいね。


Pi-子の話ではインドからイギリスにカレーが伝わった時、イギリスで香辛料というのはかなり高価なものだったので大量に使うのは 難しく、小麦粉でとろみをつけたそうです。
でもって、明治時代にカレーはイギリスから日本に伝わった為、日本のカレーの「姉さん分」というところだろうか。

今、振り返って考えてみれば、このカレーがイギリスでの食事の中で一番おいしい食事でした。(お茶を除く)

駅前の駐車場に戻る途中、ウィットビーの名物だという"ファッジ(飴のようなキャラメルのような砂糖菓子)"をねじきが購入。
「うわ〜、甘そう〜」って思ったけど、その割でもなく…でも一口でいいや、という味だった。

さすがイギリス…

(nogi)







*1 ヘンリー8世(Henry [)・・・ 詳しくはこちら→  Wikipedia ヘンリー8世

*2 青ひげ(Barbe-Bleue)・・・ グリム童話(だと思う)の1つ。ある金持ちの青いひげ(気持ち悪いね)のおっさんの奥さんが次々といなくなり、 最後は地下室で殺していたことがバレる、という今でも実際にありそうな怖い話。