Road to the Lotus Pond 2つの塔!


龍虎塔

朝!
顔を洗ったり、身支度している合間にちょっとバルコニーに出てみる。
「くまくん」は4Fに玄関があり、その中にある階段を上るとバルコニーを経由し、リビングがあって、それぞれドミトリー(大部屋)がある、という構造になっています。
こちらからバルコニーへ生活感のある景色

う〜ん、12月の台北の風は生ぬるい!!

やっぱり南国だなぁ・・・と思いつつ、生活感にあふれた風景を見渡す。
夏は暑いだろうから、バルコニーに出てまったり過ごすのもいいのかもしれないな。

バルコニーには洗濯機&洗剤が備え付けてあり、これ自由に使っていいんだって。
実は帰ってからHP見ていて知ったんだけど、台北にいる時間はあんまりなかったから、どのみち使えなかったかな。
ともあれ、オーナーさんの心遣いがうれしいですね。

身支度を終えると台北駅に向かいつつ、どこで朝食を食べるか物色する3人。
るむ:私「中国の朝食の定番」って言われている揚げパンが食べたい!ねじりパンを揚げたようなヤツ。
Pi-子隊長:ああ「油条(ヨウティアオ)」だね。お粥に入れたりしてるんだよね。揚げたてのはそれだけ食べてもおいしいよ。
ピッキー:ともかく腹へった〜・・・あそこの店はどう?
Pi-子隊長:
(メニューをちら見しながら)ここは油条ないね。洋風にトースト(土司)とかサンドイッチ(三明治)とか

台湾に限らず、中国、シンガポールなど華人の多いところでは朝食は家ではなく、外で肉まんや饅頭なんかを買って職場で食べる、という人が多い。
そのため、朝早くからやっているお店が多いのですが、中山駅付近では油条やお粥などよりもハンバーガー(中華ナイズされた感じの)やサンドイッチを売っている西洋風のお店の方が目に付きます。
ピッキー:あそこは?
Pi-子隊長:油条ありそうだけど、お客さんが誰もいないってのはどうかと・・・

(こんな時にねじきがいれば直感と嗅覚でかぎつけるんだろうが・・・)

るむ:あ、あそこ行ってみようよ。人もいっぱいいるし。
大通りからちょっと入ったところにあるお店に行ってみると、ひっきりなしに出勤途中の人たちが朝食をテイクアウトしている店があった。
ピッキー:中にイートインスペースもあるし、ここにしようか。
Pi-子隊長:そうだね、何食べる?


メニューを見てみるとこの店のメニューは大きく4つ、ハンバーガー(漢堡包)、サンドイッチ(三明治)、中華式・・・といっても油条+お粥でなく主に蛋餅と呼ばれる卵煎り餅、それと飲み物。
それぞれ卵入りだの、ハムだの、鶏肉だの、海鮮ものだの・・・種類がありすぎて、全ては解読不能!
るむ:Pi-子さん「火腿」って何?
Pi-子隊長:ハム。
ピッキー:「猪排」は?猪(いのしし)の肉?
Pi-子隊長:猪(いのしし)じゃなくて豚肉。
るむ:「培根」は?
ピッキー:「馬薯餅」って何だ?
Pi-子隊長:う〜ん、分からん!よければオーダーしちゃうけど?

るむ:何が来るか分からないんじゃなぁ・・・あ、じゃあ、私は隣で買ってるお姉さんが持ってるヤツ
ピッキー:オレは「馬薯餅」にチャレンジ!
Pi-子隊長:OK。すみません、オーダーしたいんですけど・・・まず「栄養朝食」と「馬薯餅」とこの人が持ってるヤツ
(隣のお姉さんの購入したモノ指差し) と、それからメニューの1列目の4行目にある・・・
店員A:あ、ちょっとごめんなさい。
(他のお客さんに向かって)それは45元、そっちのは30元よ・・・
お客さんが次から次に来るので忙しいのだ。
おまけにみなさん並ぶということを知らないので、カウンターはバーゲンのワゴンセールのような状態 で、なかなか我々のオーダーを聞いてはもらえない。
この辺じゃ一番混んでる店を選んだし、今は朝のピーク時だから仕方がないけどさ・・・ いじいじ/(・_・、)

店員B:注文お聞きしますよ。
いじけていたら、お店で一番かわいい店員さんが話しかけてくれた。\(^o^)/
Pi-子隊長:ええと、ですね・・・
   オーダー聞いていただいてありがとうございました
   (ピッキーの隠し撮り)
    本日の朝食 ちなみに「培根」はベーコン
    「馬薯餅」はハッシュドポテトのことでした

朝食を食べ終わると、台北駅に向かって歩き出した。
ピッキー:しかし、バイクすごいな〜
平日の通勤時間、ということもあるのでしょうが、一面バイク、バイク、バイク・・・
車間距離もロクに空けてないし、歩いているのと同じように方向転換したりするし、これじゃあ事故多いよね〜 (^_^;A


バイクの洪水
満楽門 レトロで味のある建物です
るむ:すごいレトロな建物。なんか雰囲気あるね。
目の前の交差点にレンガ造りのなかなか雰囲気のよい建物を発見。
正面には「満楽門」と書いてある。
Pi-子隊長:あ、知ってる、ここカフェなんだって。ネットで探してるときに見つけた。時間があったら入ってみたいと思ったけど、時間ないね。
「満楽門」の建物は日本統治時代、1901年(明治34年)に建てられたのだそうです。
もともと雑貨店が入っていたのですが閉店し、長らく空き店舗になっていたのを今のカフェのオーナーが買い取り、現在のようにステキにリフォームしたのだとか。
中も見てみたかったな・・・

「満楽門」を横目で見ながら通り過ぎて、しばらく行くと台北駅にほど近いところに公園のようなものが見えてきた。
Pi-子隊長:あ、ここ、ちょっと建物を見たい。

国父史蹟紀念館 もとは割烹旅館

るむ:何があるの?
Pi-子隊長:孫文の記念館らしいんだけど、建物は日本時代の割烹旅館をそのまま使ってるんだって。
るむ:ふ〜ん


公園内に入って見てみると、そこだけタイムスリップしたかのような昔の日本の建物がありますが、 ここは正式名称を「国父史蹟紀念館」と言い(こことは別に「国父記念館」もあります)、中華民国建国の父である孫文が台湾を訪問した時に宿泊した旅館をそのまま記念館にしたのだそうです。
かつては「梅屋敷」と呼ばれる日本人が経営する割烹旅館でした。
るむ:中に入る?
Pi-子隊長:入館時間が決まってるみたいだし、どのみち時間がないから写真撮ったら駅に行くよ。

台北こればっかりだ・・・でも、実際時間ないし・・・

「国父史蹟紀念館」から台北駅は目と鼻の先なので迷うことなく到着。
ネットで予約しておいたので、駅の窓口で発券してもらうだけで手続き終了。(^_^)o
ネット予約は15日前から可能で、当然ながら日本にいる時にできちゃいます。
さらに割引も受けられるので超おトク!

あとはチケットに書いてある番号の席に座って出発を待つのみ。

るむ:日本の新幹線と変わらないね。
Pi-子隊長:JRと共同開発したらしいから同じようなもんかもね、中も、外も。

台湾高速鉄道、略して「高鉄」
当初、高鉄はフランス・ドイツによる欧州連合が契約を獲得し、軌道と機関車はドイツ製、客車はフランス製で設計が進められていました。
ところが1998年にドイツ(ICE-1)高速列車が脱線し道路橋に衝突。死者101名という脱線事故(エシェデ事故)を起こしたこと、また翌年の1999年に台湾大地震が発生したことから 地震に対する防御策が十分ではない欧州方式よりも、耐震技術に実績のある日本の新幹線に切り替えることに決定したのでした。
もっとも、最終的には分岐器はドイツ製、列車無線はフランス製、車輌などは日本製という日欧混在システムになったのだそうです。

るむ:ピッキーさんは?
Pi-子隊長:外で「撮り鉄」になってるよ。このまま発車しちゃったらネタ的においしいかも。くすくす。

台湾新幹線「高鉄(ガオティエ)」中はこんな感じ

ピッキー:噂には聞いてたけど、日本の新幹線みたいだな。

ちっ、間に合ったか。つまんねぇの。

列車はほどなくして出発!
高鉄が出来る前は台北から高雄まで4時間ぐらいかかっていたのですが、高鉄だと約1時間半〜2時間。
345kmの距離を最高速度300km/hで走ります。



高雄・左営駅へ到着。
高鉄の終点は「高雄駅」ではなく「左営駅」
ここは高雄の中心地より北に約5kmくらい行った場所にあり、中心地へ出るにはMRTか、隣接している在来線の「新左営駅」へ乗り換える必要があります。

高鉄・左営駅

しか〜し

Pi-子隊長:高雄中心部に向かう前に、蓮池潭を征服しに行くのだ!
るむ:何があるの?
Pi-子隊長:龍と虎のツインタワーがあって、旅行社のパンフレットなんかによく載ってる高雄の人気スポット(たぶん)だよ。
ピッキー:歩いていけるの?
Pi-子隊長:ちょっとビミョ〜な距離だな。誰かに聞いてからにしよう・・・と、その前に荷物を預けたいんだよね、リュック重いし。


空港ターミナルのような近代的なこの左営駅に、どうゆうわけかコインロッカーはおろか、有人の荷物預かりサービスもありません。
しかし、そこはあわてず
Pi-子隊長:来る前にネットの口コミサイトでMRTの方には荷物を預かってくれるところがあるって見たよ。
MRTの方へ向かい、エスカレーターを降りたところにレンタサイクルのお店があり「行李処(荷物預かり所)」と書いた紙(看板)があったような・・・。
ここでは50元で荷物を預かってくれましたが・・・観光地価格なのか、ちょいと高いですね・・・(^_^;

Pi-子隊長:ここから蓮池潭までどうやって行けばいいですか?
レンタサイクル屋のおやじ:歩き?それともバス?
Pi-子隊長:歩いたらどのぐらい?
レンタサイクル屋のおやじ:10分ぐらいかな、バスだったら51番または301番に乗ればいけるよ。
Pi-子隊長:10分ぐらいなら歩いて行こうかな。
レンタサイクル屋のおやじ:じゃあ、この地下道をまっすぐ行って、2番の出口から出て、駅を背にしてさらにまっすぐ。大きな通りに出たら 左にまがって、道なりにまっすぐ行くと着くよ。
Pi-子隊長:どうも!


歩くこと10分

ピッキー:ここが"蓮池潭"か?
るむ:確かに湖には着いたけど、Pi-子さんが言っていた塔みたいなのはないね。
Pi-子隊長:行けば見つかるもんだと思ってたけど、案外大きいんだね。

はるか遠方まで広がる湖面
周囲約5km、水域面積は約75ヘクタール、ものすごく巨大というわけではないけど歩いて1周するには広いです。

Pi-子隊長:あ、そうだ。ガイドブックに蓮池潭周辺の地図が載っていた気がする。 (ガイドブックを開いて)え〜と・・・今どこだ?
るむ:こっちかね?蓮池潭周辺はあるけど、駅から載ってないからよく分からないね。
ピッキー:公園を通り抜けて来たからここじゃね?
Pi-子隊長:・・・って、そうすると塔があるのは現在地から湖をはさんでちょうど反対側じゃね!?



蓮池潭・・・龍虎塔はどこ?
@高鉄左営駅 A左営駅(ローカル線) B龍虎塔
  龍虎塔へ行きたいのなら、高鉄左営駅からローカル線に乗り換え
  て一つ目の左営駅で降りた方がいいです。
Pi-子隊長:とはいえ、駅に戻ってバス探すのもかったるいし
るむ:ここまで来たら行ってみたいしね。
ピッキー:歩くか・・・


蓮池潭という名前の通り「蓮の池」
以前はもっとたくさんの咲いていたそうです


途中で見かけた自販機 相撲力士飲用!?   北極玄天上帝像
   東南アジア最大の水上にある神像だそうです。
   北極玄天上帝は北極星が神格化したもので
   海の守護神とされています。
で、歩くこと40分以上

るむ:ようやく到着。(×_×;)
道草を食いながらきたのでちょっと時間がかかったのかもしれませんが・・・。
湖の湖畔には北極玄天上帝像の他にも観音像やら、孔子廟やらやたらとお金と大きさとやたらカラフルな像・寺廟が建っています。

Pi-子隊長:あれ、ピッキーは?
振り返って見ると、かなり後方で写真を撮っている・・・塔の前でちょっと待ってるか。

???:Excuse me、Could you take our picture ?(すみません、写真とってもらえますか?)
声がした方を見るとカメラを持った一組のカップルが

るむ:Sure(いいですよ)
龍虎塔をバックにシャッターを押してあげる、るむさん。
このカップル、東洋人なんだけど、なんとなく台湾人っぽくないような・・・

カップル男:Thank you!君たちも旅行者?
るむ:そうですよ。あなた方はどちらから?
カップル女:マレーシアからよ。

ああ、やっぱり。

るむ:いい旅を!
カップル男女:お互いね。


マレーシアのカップルが龍虎塔の中に入っていった頃、ピッキーがようやく追いついた。
ピッキー:何これ?どっちから入るの?
Pi-子隊長:龍の口から入って虎の口に出ると善人に、その逆は悪人になるそうだよ。


台湾の考え方では、龍は最も善良な動物、虎は最も凶暴な動物とされており、善良な龍の口から入り、凶暴な虎の口から出てくることにより、自分のこれまでの悪戯が清められ、 出てきた時には気分もすっきり、さらには災いも消えて無くなっているのだそうですよ。

ピッキー:Pi-子は虎の口から入ってみれば?
Pi-子隊長:ナニ!?・・・あ、私の場合、善人すぎるからすこし悪人になった方がいいということなのかしら?
ピッキー:いや、これ以上悪くはならない・・・
( - - )===C<*_+) ぎゅう〜



龍虎塔の入り口喰・・・喰われる・・・あ〜れ〜

道路から塔に行くにはつづら折りになった歩道を歩いていきます。
魔物は真っ直ぐにしか進めないので、魔よけの意味があるらしい。
そういえば昔流行った「キョンシー」って真っ直ぐにしか行けなかったような?(歳がバレる・・・)

龍の体の中はトンネルになっていて、壁面から天井までびっしりと仏教の教え(地獄絵図)が描かれている。
小さい子供なんかも来ているのにトラウマにならないのかな?
しかし懐かしいな〜、こうゆうの。*1タイガーバームガーデンを思い出すなぁ。(血迷って香港とシンガポール両方行ってしまった)

ピッキー:・・・どうゆうセンスなんだ?ここ
Pi-子隊長:まじめな宗教画なんだよ。たぶん。


さらに先に進むとおばちゃんがいて「キモチ〜、キモチ〜、オシャイシェン!」と叫んでいた。
ピッキー:・・・あれは何かのアトラクション?
Pi-子隊長:いや、「お賽銭」と言っているようなのでお布施して!ってことなんだろうけど・・・

入場料もとられないし、お賽銭入れてもいいかな〜と思ったけど、るむさんがターボ入っていたので、急いで後を追いかけ、お賽銭スルーしてしまいました。m(_ _)m
次回行くことがあれば必ず・・・(恐らくないな)

龍の体内を出ると螺旋階段があり、七層建ての塔に続いています。
七層というのも宗教的な意味合いがあるらしいけど、詳しくは分かりません。(^^ゞ

るむさんはすでに階段を上りかけていたので後を追う。
塔の中はこんな感じ 天井にもカラフル(宗教?)画龍虎塔から見た蓮池潭


龍と虎のしっぽ<
  塔の上から入り口を見る キョンシー除け
  はばっちり

龍の塔の1階まで戻り、今度は虎の塔へ。
こちらも同様に七層建てになっていますが・・・
ピッキー:え〜、また上るの!?オレはもういいや。景色も龍の塔と同じようなもんだろうし。
チームアドベンチャー隊員たる者がなんと軟弱なことか!?

Pi-子隊長:私はせっかくだし行ってみる。
とりあえず虎の塔の最上部まで上るが・・・う〜ん、ピッキーの言うとおりかも。
景色はさほど変わるわけじゃないしねぇ・・・
2つの塔の最上部が繋がれていて(渡り廊下とか)龍の塔から上って虎の塔から降りてくる・・・という構造だとよかったんですけどね。

ピッキー:どうだった、虎の塔は?あんまり変わらなかったでしょ?
Pi-子隊長:いや、すばらしい眺めだったよ。虎の塔からしか見られない龍の塔の上部が!!
ピッキー:ふ〜ん
(鼻で笑う)
なんだ、その態度は!?

今度は虎の体内を通って外へ出る。
虎の体内は龍とはうって変わって極楽浄土の絵が描かれていました。(もちろん極彩色の)
地獄から入って天国へ出るというのは分かるんだけど、良い動物である龍の内部が地獄で、凶悪な動物の虎の内部が天国なの?
そこ、ちょっと疑問です。

(Pi-子)



*1 軟膏薬タイガーバームで巨万の富を築いた胡文虎が造ったテーマパーク。もともと香港とシンガポールの二箇所にあったが、現在は閉鎖になってしまったらしい。 中国の神話や伝説を題材にした超極彩色の人形や彫刻絵画などが配され、あまりの悪趣味不思議な世界が展開されていた。
HP、ブログなどに多数記録されているので、検索してみてほしい・・・が、これを見て悪い夢を見てもクレームは受け付けません。

(お役立ちリンク)
台湾特捜百貨店
「満楽門」の内部の写真、及び説明があります。鉄道・温泉・グルメなどの台湾旅行情報に加え、台湾各地に残る日本時代の建築物、原住民族の伝説など奥の深いサイトです。 こちらからぜひ台湾の魅力にはまってみてください。
台湾高速鉄道、略して「高鉄」のサイト。24時間予約可能の上ネット予約割引もあるので使わない手はない!しかし日本語で閲覧できるのは時刻&料金表まで、肝心の予約のページは中国語しかないんですかね?