オフォト鉄道(Ofoten Line)


さらばオフォト鉄道!?



さ〜、今日はオフォト鉄道に乗って、ロンバックスフィヨルドを見て、ナルヴィク(ノルウェー)まで行くんだ。
国境越えるからパスポートは忘れずに持って行こう!

イェリバーレ駅から8:45に出発する列車に乗るため、8:15にホテルを出る。
まだ夜は明けてなくて、まだ薄暗い。
この列車は1日に1本だから乗り遅れたら行けなくなってしまうので、早めに出発するのだ。

ホテルからイェリバーレ駅まで10分ほどで着いてしまったので、駅の写真なんか撮りながら列車を待つ。

ピッキー:売店ないし、なんか観光地の駅って感じじゃないね。
Pi-子:オフォト鉄道ってもともとは隣駅のキルナで採れる鉄鉱石を運ぶ為に作られたものだっていうから観光客向けにできてないんじゃないの。
ピッキー:ふ〜ん、なんか素朴な田舎町の駅だね。


オフォト鉄道は北のナルヴィク(ノルウェー)から南のルーレオ(スウェーデン)まで、ほぼ1直線に走っている鉄道で、いずれもキルナ(中央部) で採掘される鉄鉱石を港から船で外国に運ぶ、という輸送の重要なルートの一つになってます。
余談ですが、北のノルウェー海はメキシコ湾流が流れているので冬でも海は凍結せず、逆に南のボスニア湾の方が凍ってしまうそうです。

???:おはようございます。

いきなり日本語!何だ?
振り返ると日本人女性が2人立っていた。

Pi-子:あ・・・おはようございます。
確か同じツアーで来た人たちだったよな・・・初日に見かけたような気がする。

???:ナルヴィクへ行かれるんですよね。チケットはもう購入されましたか?
Pi-子:え・・・ああ、もう買っちゃいました。ホテルで。
???:私たちもホテルで買ったんですけど、駅で切符買った方が安かったよね、なんて話してたんですよ。
???:そうなんですよ。昨日は海外旅行気分で浮かれちゃってて、つい・・・ね。
Pi-子:実は私たちも同じです。


彼女たちとおしゃべりをしながら列車を待つ。
2人とも沖縄出身だけど今は名古屋近郊に住んでいるそうで、名前は"貴ちゃん""妙ちゃん"

列車が来たので乗り込む。
購入した切符は座席指定になっていて、同じ所で購入したせいか、妙ちゃんと貴ちゃんも近くの席だった。

ピッキー:なんか「世界の車窓から」だな〜
Pi-子:うん、「ちゃら ちゃっちゃっ ちゃらっちゃ〜♪ 次はキルナに停車します」って感じ。
ピッキー:食堂車へ行ってみようか。
Pi-子:え〜、紅茶(水筒)とおやつのポテチも持ってきたよ。
ピッキー:それはそれで。写真でここの食堂車ってガラス張りできれいだったじゃん。
Pi-子:あ、そだね。行ってみようか。


食堂車は写真で見た通り天井もガラス・・・かどうか分からないけど、天井まで透明で景色がよく見えてきれい・・・と最初は思った。

セルフサービスなので、適当に飲み物を買ってきて、適当に空いている席に座る。
ピッキー:よく見るとこの窓、ずいぶん汚れてるな。きれいに磨けばいいのに。
Pi-子:ま、その辺が日本と違うってことで。でも夜だったら汚いの分からないし・・・ここでオーロラみれたら最高じゃん。
昨夜はオーロラを見れなかったのです。

しばらく食堂車にいたが、天気がよかったので暑くなってきた。
Pi-子:ここってば、太陽光線を遮らないからね・・・暖かい飲み物なんて買うんじゃなかった。
ピッキー:暑いよ。そろそろ帰ろうか。


席に戻ると先ほどまではがらがらだったのに日本人の団体さんでいっぱいになっていた。
ちょっと前に「キルナ」に停まった時に乗ってきたんだろう。

添乗員氏:はい、皆さん。いいですか〜、ちょっと静かにして説明を聞いてください・・・
JT○の添乗員氏が団体のお客さんに荷物(スーツケース)を一箇所に置くように、手荷物には気をつけて各自で管理するように、トイレの場所、 食堂車の場所などなど大声で説明を始めた。

Pi-子:お年寄りから若い人もいる幅広い客層のようだけど、子供扱いされているみたい。これだから団体ツアーはヤなんだよねぇ。
ピッキー:そうは言っても日本じゃないし、言葉も習慣も違うんだし、みんながPi-子みたいに慣れてないんだからしょうがないじゃん。
Pi-子:私だって初めて行く国って緊張するし、言葉なんて通じなくても何とかなると思うんだけどな〜ぶつぶつ・・・



団体さんたちもだんだん静かになってきた頃、列車は湖の上にさしかかった。


Pi-子:わ〜、きれいだね〜。凍ってるからよく分からないけど、湖だよね。
ピッキー:うん、そうみたいだね。・・・ところで、腹へってきたな。

ピッキーはたいへん燃費が悪いのです。

Pi-子:朝食でお腹いっぱい食べてきたのに、どうしてそんなにすぐにお腹へるの?
そういってピッキーに紅茶の入った水筒とポテチを差し出す。
(余談ですが、Pi-子はねじきに対しても同じ疑問を持っています)

Pi-子:また食堂車行く?
ピッキー:いいよ、あそこ軽食しかなかったじゃん。ナルヴィク着いてからどっか食べに行こう。あとどのくらいかかるの?
Pi-子:12:36ナルヴィク着だから、あと1時間ぐらいだね。


・・・そういえば、ホテルのスタッフさんが「ナルビクに到着30分前から美しいロンバックスイフィヨルドの光景が見れます。」って言ってたっけ。
もうすぐだ〜。(わくわく)

Pi-子、カメラを構えて待つ・・・が・・・
Pi-子:ねぇ、この列車だんだん速度が遅くなってない?
ピッキー:うん。それに雲行きも怪しくなってきた。


上方の雲に注目
確かに。イェリバーレを出た時は雲ひとつない、いい天気だったのに、だんだん雲が出てきたな〜って思ってたら、暗雲が垂れこめてるんですけど・・・
いやぁ、なぁに、いつものことだけどね、天気が悪いのは。

天気はだんだん悪くなってきて、曇り → みぞれ → 雪 → 吹雪となっていった。

Pi-子:天気が悪くなるのに比例して、列車の速度も遅くなってるんですけど。もう12時近いから本当なら、そろそろロンバックスフィヨルド に差し掛かるころだと思うんだけどなぁ。

フィヨルドに差し掛かるどころか列車はとある駅で停車してしまった。

ピッキー:雪で電車が止まるなんてなぁ・・・東京じゃあるまいし、こっちじゃ雪は珍しくないだろうに。
車内アナウンス:あ・・・あ〜、XXXXXXX・・・

車内アナウンスが入ったんだけど、スウェーデン語なんで全然分からん!

車内アナウンス:Ladys and Gentleman
よかった、英語だ。
車内アナウンス:この列車はここから先へは行けません。この列車に留まることも可能ですが・・・(ガシャン)
放送はなぜか途中で終わってしまたった。

Pi-子:こらこらこら〜!肝心な部分で終わってどうする?
周りの人たちの行動を見て判断しようとするが・・・この車両、日本人ばかりで判断できないんですけど・・・

貴ちゃん:今の放送、分かりましたか?
Pi-子:おおよその事は分かったんですけど、肝心な部分が・・・あっ!

Pi-子たちの目の前を車掌さんが通り過ぎた!

すぐさま車掌さんに事情を聞こうとするが、車掌さん、団体さんの添乗員氏に何やら説明したら、さっさと違う車両に去ってしまった。
Pi-子:ああ、あの〜・・・
車掌さんを呼び止めようとするが、もう遅い。

添乗員氏:君たちは個人旅行?
Pi-子:はい。あの、車掌さんは何て?
添乗員氏:この先、レールが冠水した部分があって、列車が進むことはできないので、ここから振替のバスがでるそうだ。
貴ちゃん:バスからフィヨルドは見れるんですか?
添乗員氏:いや、バスからは見れないよ。このコースは何回か来ているので、この季節(2月後半〜3月)はよくあることだと知ってはいたんだけど、 今年は暖かいから例年よりちょっと早かったみたいだね。
妙ちゃん:え〜、フィヨルド見に来たのに〜


添乗員氏:君たちは完全に個人なの?
ピッキー:いいえ、ホテルのツアーデスクを通してチケット買ったんですけど。
添乗員氏:それなら、戻れば返金してもらえるかもしれないよ。

なるほど、その可能性もあるのか・・・返金してもらって今から帰れば、空きがあれば今日の夜の犬ぞりツアーには間に合うかも。

添乗員氏:僕のツアーじゃないので、その可能性は100%と保証はできないけど。
それはそうかも・・・(^_^;)

To go or not to go, that is a question ・・・ 行くべきか行かざるべきか、それが問題だ・・・(ハムレットだな)

添乗員氏たちのツアーは今日はナルヴィク泊、その先ロフォーテン諸島へ行くものだというので迷わず振替バスへ消えていった。
貴ちゃん:どうします?私たちは戻って返金してもらおうかと思うんですけど。
ピッキー:俺はどっちでもいいよ。
Pi-子:う〜ん・・・

目的はフィヨルドだったけど、ナルヴィクっつーかノルウェーにも興味はあるんだよなぁ。

車掌さん:バスはもうすぐ出発するけど、君たちはどうするんだい?
さっきの車掌さんだ。
Pi-子:ここに留まって、戻ってもいいんですよね?
車掌さん:構わないよ。好きにしていいんだよ。


う〜ん、どうしようかな〜・・・
フィヨルドが見れないなら、やっぱり戻って犬ぞりしようかな〜・・・

Pi-子:決めたっ、私たちも残ってイェリバーレに戻る

この決断、吉と出るか凶と出るか・・・

- To be continued (つづく)-