泊 〜樹海荘〜


樹海荘

レインボーマン:今日はこれからどうするの?この辺に泊まっていくんでしょ?
Pi-子隊長:はい、今日はこれから樹海・・・
レインボーマン:ええっ、樹海に泊まるの!?
校長:悪いこと言わないから止めときなよ!!

Pi-子隊長:じゃな〜く〜て!「樹海荘」って民宿を予約してるんですよ。
レインボーマン:あ〜驚いた。てっきり青樹ヶ原樹海にテントでも張って泊まるのかと思った。
まる子:でも明日は本当に樹海に行くんですよ。

ここで校長とレインボーマンにこれまでの経緯を話す。

校長:・・・ここにもいろんな人が来るけど、樹海へ行くって人は初めてだなぁ。

朝霧パラグライダースクール
あ、列車の中の年配クライマーと同じ事言われた。
レインボーマン:見たくないもん見つけそうじゃん。だって樹海って年間100人が死んでるんだよ。単純計算 で3日に1人ってこと。
え、マジで・・・

校長:毎日通ってるけど、確かにあそこはいろいろあるよ。消防車とパトカーが止まってたら「ああ、また (死体が)見つかったんだな〜」って思うし、1回車の中で3、4人がぐったりしているの見かけて・・・ 今考えるとあれが"集団自殺"ってヤツだったんなぁ。それから朝たまに見かけるのが死にきれなかったのか、焦点が定まらないような目してフラフラ 歩いているヤツとか・・・
るむ:そんなに・・・
レインボーマン:そりゃ、未遂者も入れたらすごい数になるんだろうな・・・
校長:前はヤバそうなヤツを見かけると声をかけたりしてたけど・・・最近はもうやらなくなったな。


噂にたがわずいろいろあるところみたいで・・・(^_^;)

校長:何年か前にひどい事件もあってさ。死のうと思って樹海までやって来たのだけど、死にきれずに何考えたんだか 「人を殺せば刑務所に入れるから」って近くのコンビニでバイトの女の子を刺し殺したっていう・・・
まる子:え〜、ひどい!
校長:
(殺されたのが)知り合いの子でね。看護婦を目指して看護学校へ 行っていて・・・夢も希望もある女の子を夢も希望もないヤツが身勝手に殺したっていうやりきれない事件だよ。
Pi-子隊長:死にたければ1人で死ねばいいのに!!
校長:ま、あそこは成り立ちから考えていろいろあるんだよ。それはね・・・


以下、校長先生のお話。
現在の富士五湖のうち3つの湖、西湖、精進湖、本栖湖は昔1つの「せのうみ」と呼ばれる湖だったのだが、約5千年〜2千年ぐらい前 富士山の噴火で熔岩が流れ込み本栖湖が独立、さらに約千年前の噴火で再び「せのうみ」を分断、精進湖と本栖湖に分かれた。

その時の溶岩流を「青木ヶ原溶岩流」といい、溶岩流が固まって出来た溶岩石の上にやがてコケや草、樹木が生え、長い年月をかけて 自然によって作り出されたのが現在の「青木ヶ原樹海」なのだ。

校長:一般的に動物は自然の異変を感知する能力があるから、噴火の直前に逃げると思うんだよね。でも人間は そうじゃない。急に溶岩流が流れてきて逃げ切れなかった者もいる・・・だから青樹ヶ原樹海の下には・・・
るむ:や・・・やめて〜!!
/(>o<)\

校長:だから今でもあそこで呼んでる"何か"があるんだよ・・・ってのが、オレの持論!
るむ:・・・明日行くの怖くなってきちゃった
o(>o<)o
Pi-子隊長:ワクワクしてきちゃった。 o(^o^)o

校長:"お持ち帰り"しないように帰る前に「浅間神社」でお参りしておきな。
レインボーマン:そろそろ暗くなるから宿へ向かった方がいいんじゃない?なんせ「樹海荘」でしょ?
校長:そうだよ、樹海は暗くなってからは近寄らないほうがいいよ。なんせ・・・悪いエネルギーが集まってくるんだから ・・・なんてな〜。ははははは!



青樹ヶ原樹海を通って・・・樹海荘へ
なんかパラグライダーで飛んでる時間より校長の趣味と歴史を聞いている時間の方が長かったような気はするが・・・楽しかったからいいか。
半分興奮、半分神妙な気分でスクールを後にし、「樹海荘」へ向かう。
1つ付け加えておくが、名前こそアレだがHPで写真でみるかぎり普通の民宿である。

カーナビに「樹海荘」とセット。どうやら宿は西湖のほとりに位置しているようだ。
後はナビに従い車を走らせる。
「青樹ヶ原樹海」を通り抜けて、順調に・・・そしてナビは「目的地付近です。案内を終了します」と勝手に終了してしまった。
でも、あれ?・・・妙な違和感を覚える。
辺りに見えるのは西湖と林(樹海か?)のみ。民宿はどこ?

Pi-子隊長:やはりな、我々もナビもとんでもない思い違いをしていたようだ。
ピッキー:え?!
Pi-子隊長:樹海荘は西湖ではなく精進湖の近くにあるんだよ!!
(プリントアウトしてきた住所を見ている)

一同:なんだってー!!!!(MMR再び)
大将:なぜだ?ナビに登録していた情報は正しいはずだ。目的地にもはっきり「樹海荘」と書いている。
Pi-子隊長:こうは考えられないだろうか。これは"西湖に来い"という何かのメッセージなのでは・・・
るむ:・・・西湖で誰か呼んでる?
Pi-子隊長:西湖(さいこ)ちゃんという友達がいるのか?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ピッキー:考えたくはないが・・・かつで樹海荘は西湖のほとりにあり、富士山の噴火で沈んでしまったのでは・・・ 今の樹海荘は実は2代目で初代の樹海荘の怨念なのかもしれない・・・
Pi-子隊長:ちょっと待て!樹海荘はいつから営業しとんねん!?
ピッキー:約千年前・・・平安貴族向けにやってたかもしれんだろう!!
まる子:平安時代の情報が平成の時代のナビに残ってるということ?・・・ありえな〜い!
ピッキー:しかしこれは現実だ。現実をよく見るんだ!

Pi-子隊長:・・・なにはともあれ2代目樹海荘を探さないと。樹海で野宿はヤだよ。今度は電話番号でセットしてみよう。

PiPiっとな・・・すると精進湖の近くの樹海荘にセットされた。
狐に包まれるとはこのことか。
今来た道を戻り、精進湖方面に向かう。
大将:もしかして西湖(さいこ)に行くのこれで最後(さいご)・・・と言わせたかったのだろうか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・寒いっ!!

この寒さは尋常ではない。
悪寒を覚えながら車を走らせると先ほどの校長の話が頭をよぎる。

校長:樹海は暗くなってからは近寄らないほうがいいよ・・・悪いエネルギーが集まってくるんだから・・・ 集まって来るんだから・・・来るんだから・・・(←頭の中でエコーしてる)

日は長い季節だが周囲は暗くなりつつある。
我々は宿へ急いだ。



18:30頃、なんとか日没までに正真正銘2代目(?)樹海荘に到着。
女将:予約の"チームアドベンチャー"様ですね。お待ちしてました。
愛想のいいおかみに部屋に案内される。
青木ケ原樹海の中にあるので「樹海荘」という名前をつけただけで、まぁ、写真でみたとおりの普通の民宿というところ。
樹海の中にあるとはいっても精進湖民宿村の中にあるので1軒だけポツンと建っているわけではない。(だとしたらマジ怖い)

女将:ごめんなさいね。今日は釣の団体さんが一組はいってますからうるさいかもしれません。朝も早いだろうし。
まぁ、多少は仕方ない。
学生でもないからそこまでどたばたしないだろう。


ごきげんな夕食 p(^o^)q
到着して間もなく食事の用意ができた。
パラグライダースクールで冷麦をごちそうになったが、それだけでは足りなかったのでボリューム満点の食事はうれしかった。
かつ美味で満足いくものであったことを付け加えておく。

釣りのおじさん:皆さん、宴もたけなわではございますが、明日の朝も早いので早めにお休みください。では 明日の○○大会の成功と大漁を祈って一本締め〜!よ〜っ!

ぱんっ ぱちぱちぱちぱちぱち \\(^^ )\\(^^ )\\(^^ )

我々は食事の席について食べ始めたところだったのに、おじさんたちは宴会終了だった。
釣りのおじさん:明日の朝3時ぐらいに出ますのでうるさいかったらすみません。
Pi-子隊長:こちらこそ夜うるさかったらすみません。



豪華オーディオセット
総勢20人ぐらい・・・だったかな?
彼らが去って行き、大広間(宴会場)が我々5人だけになるとステージ部分にスピーカー、真空管アンプに自作と思われるスピーカーが所狭しと置かれているのに気づいた。
スピーカーって買うとけっこう高いんだよね。(ピンキリだけで良い物は本当に高い!)
総額100万円は越えるんじゃないかな・・・そして真ん中になつかしいレーザーカラオケ。
このすばらしいオーディオで歌えたらちょっとプロ気分かもしれない。
もしかしたら下手さ加減が目立つだけかもしれないが・・・。(^_^;
これらはご主人の趣味だろうか?

さて後は風呂に入って寝るだけだ。
女将:風呂は1Fと2Fに1箇所ずつありますので好きなほうをお使い下さい。どっちが男女とか分かれておりませんので。
ピッキー:・・・しかたなす。広いほうで混浴するしかないな!
まる子:・・・5人で入るには狭すぎるから、分かれて入るしかないよね。
ピッキー:いや、背中流してあげるよ。
Pi-子隊長:さっき1Fのお風呂と2Fのお風呂両方見てきたけど2Fのが広いよ。
るむ:それに2Fのがきれいだったよ。
まる子:女性は広くてきれいな2Fを使うわね。
ピッキー:・・・・・・・・・ハイ。


大将は一足先に1Fの狭いほうの風呂に入っていた。
大将:1Fの風呂はせまいよー。おそらく2Fのが客用で1Fのは家族用に作ったんじゃないか?
ピッキー:ほんとうだ。二人で入れば・・・密着ですね。いやなシチュエーションですよ。
大将:まさに風呂自体が"樹海"だぜ。
ピッキー:樹木は”2本”しかありませんがね
大将:こら一本とられたのう。

しかも追い炊きできません。さきほどの釣りのおじさんたちが入った後だったからか若干のぬる湯であった。
まあ、お湯で埋めれればいいだけだし、樹海荘の真の意味を理解できたのでよしとしよう。

Pi-子隊長:さ、風呂にも入ったし。明日に向け英気を養うとしよう。食料はあるよ。(お菓子とつまみ)
ピッキー:さっき食事をすませたばっかりだろうに・・・英気を養う=デブルといいますね。
Pi-子隊長:その方、ごちゃごちゃ理屈を申すな!手打ちにいたす!!
 うりゃ (((( -_-)/\\(-_- )))) 白刃どり!

大将:ところであたたかいお茶もいいけど、冷たい物も飲みたいな。
部屋にはポットとお茶しかなく、我々も食料は買ったが飲み物(ペットボトル、酒など)は買い忘れていたのだ。
大将:1Fロビーに冷蔵庫があったよな。

まぁまぁ、一杯
るむ:そこに飲み物とかあるんじゃない?スーパーより割高だと思うけど。
大将:よし、偵察にいってくる。


数分後
大将:いろいろ飲み物はあったよ。
まる子:お酒は?
大将:なかったかもしれないな。
まる子:しょぼーん。
o(_ _)o 
Pi-子隊長:よ〜し、本当にないか見に行こう。
まる子&るむ:あたしらも行く
ピッキー:じゃあおれもいこうかな。
大将:ちょっとまて!俺の偵察はなんだったのだ・・・オレももう1回行くよ。

ピッキー:まるちゃん、お酒あったよ!
まる子:ほんとう!!
(目がハート)
ビールと冷酒、さらにウーロン茶のペットボトルもゲット(もちろん女将の許可をもらってから)部屋に持ち込んで宴会となった。

まる子:ところで枕の上に黒いぽつぽつがあるんだけど何かしら・・・(メガネをかけて見る)げっ、虫?
大将:どっか窓開いてない?

見回すと窓は空いているが、網戸は閉まっているようだ。
しかし網戸の端の部分に若干の隙間もあり、そこから侵入したのか?それとも部屋のドアかが空いているのでそこから侵入したのか?
ちなみに部屋にはエアコンがないので窓もドアも閉めたくはない。締め切るとかなり蒸しそうだ。

まる子:私がゲットしたポジション、蛍光灯の下だからだ。ちょっと布団の位置をずらして・・・
ずるずるずる・・・まるちゃんは布団を若干ずらし、枕を窓側に置いた。
まる子:足元に虫が落ちてきそうでこれでもイヤなんだけど・・・
これが本当の"飛んで火に入る夏の虫"照明につられた虫が集まってきているようだ。

Pi-子隊長:蚊取り線香を借りてくるよ。
数分後、Pi-子隊長が持って来たのは懐かしいうずまき型の蚊取り線香。
大将:よっしゃ 点火〜 ファイヤー!!!
Pi-子隊長:じゃ、これを蛍光灯の下に・・・よし、セット完了!


すると面白いように虫が落ちる落ちる。
しかもまるちゃんの布団の上に・・・
まる子:ね〜、さっきより虫が落ちてきてるんじゃない!?(°°;)``
ん〜、確かにここまでリアルに蚊取り線香が効く様を見れるとは思わなかった。
キ○チョーのCMにでも使えそうだ。

まるちゃん、さらに布団を移動。
その後、だんだん蚊取り線香に撃墜される虫の数も減ってきたので一安心したようだった。
これで電気を消せば虫も寄ってこなくなるだろう。やれやれ・・・

時刻にして日付も変わろうかという頃、そろそろ寝る体制になってきたご一行。

るむ:明日の明け方ドイツVSポルトガルの第3位決定戦があるんだよね。(ドイツワールドカップ開催中でした)目覚ましかけとこう。
まる子:私も一応・・・
Pi-子隊長:私は起きれたら見る
ピッキー:無駄なことを・・・(ぼそ)

大将:ZZZ・・・(いつのまにか爆睡中)

こうして夜は更けていく

(ピッキー)