GO WEST!・4〜西安へ〜



西安駅


全員:明けましておめでとうございます。
今日は1月1日。
旧暦を重要視する中国では全然盛り上がってませんが、私たちは日本人ですもの。

Pi-子:今日の予定は?
お姉たま:ホテルでレンタルサイクルやってるから、自転車を借りて大雁塔とか行ってみようかな。

大雁塔(だいがんとう)とは、652年に唐の高僧玄奘三蔵(西遊記で有名な三蔵法師)唐の第三代皇帝・高宗が願い出て、インドから持ち帰った経典や仏像などを保存するために建立してもらった塔のこと。
レンタ自転車でGO!
(写真提供:おねえたま)
西安市内からちょっと東南へ行ったところへあり、歩いていけなくはないが自転車の方が楽かな。

中山と藤田は他に行きたいところがあったようなので、今日はPi-子、お姉たま、旬ちゃんのレディース3人組で自転車を借りて大雁塔へ。

西安の緯度は日本の大阪と同じぐらいだけど、夏は暑く、冬は寒いという内陸性気候のため、鄭州よりさらに奥にある西安は寒い!!
自転車に乗ってさっそうと風をきる・・・というとカッコいいのですが風がめちゃめちゃ冷たいんですけど!!
早く目的地へ着きたい&扱げば暖かくなるだろう、という気持ちもあり、周りに比べて猛スピードで走る、走る。
さながら自転車暴走族?
中国だから「紅い流星」(彗星とはさすがに言えない)とでも言ってください。

慈恩寺に到着。
旬ちゃん:あれだけバリ扱ぎしてきたから、さすがに温まったね。
お姉たま:確かに体と顔はポカポカしてるんだけど、手とか足の末端は寒いっていうか冷たいままだよ。
Pi-子:私、なんか初日に穴の開いた靴でまわってたからか、足の指先がかゆくて。これってしもやけ?
旬ちゃん:手はよくあるけど、足がしもやけねぇ・・・
(-_-;
初詣は大慈恩寺なんて、なかなかすごいことをしているというのに、有り難みを感じずにこんな話をしながら境内に入っていく私たち。

慈恩寺は648年の創建で、高宗(唐の第三代皇帝)が皇太子時代、亡き母・文徳皇后を追善するために建てたものです。
当時は僧房1897室、僧侶300人がいましたが、唐代末期、戦乱のため焼き払われ、今の大きさは昔の十分の一に過ぎないんだとか。

大雁塔はこのお寺の境内にあり、唐代の建物で残っているのはこの塔だけ。
他は明代と清代に再建された建物というけど、それだって大した歴史的なものだよね。

当初、玄奘の願いでインドの塔婆を真似て、五層の塔を建てましたが、則天武后の長安年間(701−704)に大改造を行って十層になりました。
しかし、その後の戦乱などで七層から上が崩壊。
現在の塔は七層、高さ64m、現在に至るまで震度7以上の地震に二度見舞われていますが、昔の姿が見られる貴重な塔です。

撮り直しました・・・(^_^;
Pi-子:大雁塔をバックに写真撮ろうか?
旬ちゃん:せっかくだから、3人で一緒に撮ろうよ。すみません!

通りすがりの小姐(お嬢さん)をつかまえて、シャッターを押してもらうように頼む旬ちゃん。

通りすがりの小姐:ムリ、ムリ!私、写真なんか撮れないから!!
旬ちゃん:ここ(シャッター)押すだけだから、お願いします。

イヤがる小姐に無理矢理(?)カメラを渡し、記念写真を撮ってもらうべくポーズをとる私たち。

すると「写真は撮れない」と言った小姐・・・ファインダーものぞかず、自分のお腹にカメラを抱えてシャッターをパチリ!
(注:デジカメとは違い、モニターがあるわけではないので、お腹の近くにカメラを持っていったら当然ながら、撮りたい写真は撮れません)

あぜんとする3人・・・しかし「簡単に撮れるから」と頼み込んだのはこっちなので、小姐にお礼を言うと、後で撮り直しました。
Pi-子:どこの観光地へ行っても、中国人ってモデルばりにポーズをとって写真を撮りまくってるから、まさか本当に撮り方を知らないとは思わなかった。
お姉たま:カメラの普及率ってどのぐらいか分からないけど、誰もが持ってるってわけではないんじゃない?
旬ちゃん:そのために観光地に来ると必ず写真屋さんの姿を見るもんね。


そうなんです。
観光地には必ず写真屋さんがいて、あきらかにカメラ持ってるっていうのに勧誘されます。
国営の写真屋さんと私営があり、国営は値切れない上、外国人は"外国人価格"で中国人より高い値段を払わされるのがムカつく。
でも、日本で写真屋さんを頼んで撮ってもらうよりは安いし、体を斜めに構えたり、(カップルだったら)抱き合ったり、腕を組んだり・・・と映画の主人公かい?というようなポーズで写真を撮ってくれ、 さらにはぼかしたり、バックに花を添えてくれたりと、過剰な特殊効果を入れてくれたりするので興味がある人は試してみてもいいかもしれない。

たまに風光明媚な観光地でもないところに馬・ラクダ・民族衣装を持ってきている写真屋さんをたまに見かけるが、馬・ラクダ・民族衣装を(自分のカメラで)撮るだけでも お金を要求されるので注意が必要。

お姉たま:塔の上に上れるみたいだよ。
Pi-子:え〜、上るの〜!!

旬ちゃん:上まで行くと、きっと温まるよ。

塔の入り口で入場料を払い、木製のらせん階段を上る、上る・・・
ようやく最上階である7階へ到着。
7階から上が失われ、10階ではなく7階になっていたことにちょっと感謝。
上からのながめは?というと、お寺の面積が広いので、西安市内を見渡せるわけではないが、まぁまぁ壮観ってとこかな。

塔をおりて、次の目的地へ・・・行く前にちょっと休憩したいよね。
疲れたし、寒いし ((o(>_<)o))

ちょうど近くによさげな(高級そうな)ホテルがあるし
Pi-子:高そうだよ〜
お姉たま:たまにはいいじゃん!


ホテルを目指して歩いていると、やや!「楽楽港・Lalaport」と書かれた看板を発見!!
Pi-子:何だろ?中国だけに本物の「ららぽーと」かどうか疑うけど
旬ちゃん:でもホテルの敷地内にあるから本物かもよ。
お姉たま:日系のホテルかもね。中に入ってみようか。


中は普通にファーストフード屋でした。
「普通に」なんて書くとがっかりしたみたいだけど、鄭州に「普通にファーストフード屋」がなかったものでちょっと感動!
大雁塔よりも感動(?)・・・なんかバチあたりもんですね。(笑)

楽楽港・Lalaportの看板普通のファーストに感動! (写真提供:おねえたま)

価格はよく覚えていないけど、現地の人にとっては高価なものだったと思います。
私たちにとっては「中国の物価にしては高いけど、日本で同じようなものを食べるより安い」という程度でした。

この後、西安の街をぶらぶらし、その日の夜、夜行列車に乗って鄭州へ戻ったのでした。

(後日談・1)

年が明けて最初の授業の時
王老師:西安はどうだった、Pi-子?
Pi-子:ん〜、騙されもしたけど、半坡博物館とか、兵馬俑などの遺跡は興味深かったですよ。
王老師:楊貴妃のお墓は?
Pi-子:華清池へは行ったけれど、お墓はちょっと離れていたので行かなかったんですよ。
王老師:じゃあ、日本にある楊貴妃のお墓は?
Pi-子:え・・・日本!?団長知ってる?
団長:知らない。

王老師:楊貴妃は死刑になる寸前、同情した兵士に助けられ、日本へ逃げていった・・・って伝説があるのよ。知らない?
Pi-子:全然
(^_^;
源義経=ジンギスカン伝説みたいなもんかな〜

老(現在の)Pi-子よりちょっと補足
真偽のほどは分かりませんが、山口県長門市油谷にはこんな伝説が残っています。
処刑された妃は身代わりで、楊貴妃は舟に乗せられて山口県長門市油谷へ漂着。
地元の人たちは長い間の逃亡生活で弱っていた楊貴妃を必死で看病するが、残念ながらこの世を去ってしまったのだとか・・・
楊貴妃を哀れに思った人々は 西の大海原を望む丘の上に墓を立て、弔ったのだそうです。

「楊貴妃の里」二尊院の境内にある五輪の塔が楊貴妃の墓であると伝えられています。
ながと大津商工会 油谷支所
平成17年(2005年) 油谷町は合併により長門市になりました。楊貴妃伝説、観光マップもあるので興味がある人は行ってみてください。

(後日談・2)

Pi-子:写真、できたよ〜!
西安から帰ってきて数日後、現像した写真を持って学生寮の娯楽室(集会室)へ行くとお姉たま、旬ちゃん、浩子、団長、藤田、アメリカからの留学生ケント、ジェイソン、ウィリアム他、数人の中国人学生がいた。

旬ちゃん:写真できたんだ。見たい、見たい!!
ウィリアム:僕にも見せて!
ケント:西安行ってきたんだ。
Pi-子:行ったことある?
ケント:うん、前に旅行で行ったことあるよ。

浩子:アメリカは歴史が浅い国だから、中国の歴史って興味ある?
ウィリアム:中国の歴史はとても興味深いけど、アメリカだってU.S.Aとしての歴史は短いけどいろいろあるよ。
ケント:アメリカの歴史っていうと何を思い浮かべる?
お姉たま:カウボーイ・・・とか?

ジェイソン:カウボーイは今でもいるよ。僕の親戚のお姉さんはカウボーイと結婚してるんだ!
Pi-子:え〜、カウボーイって今でもいるんだ。

これを機に話は歴史→カウボーイに移っていき
「現在のカウボーイはどんな生活をしているのか?」
「映画に出てくるような帽子・ブーツをはいて、馬に乗っているのか?」などなど・・・

団長:・・・って言えよ!
藤田:えっ、でも・・・

後ろで団長と藤田が悪巧み(?)をしている・・・と、突然

藤田:うちの姉ちゃんなんか、忍者と結婚したんだぞ!!

話題をカウボーイに持っていかれたから、対抗意識を燃やしたのか!?
何を言い出すかと思ったら (-_-;A

アメリカ人&中国人学生:マジで?!

ちょっと、みんな信じてる?
普段は「科学的に根拠がないものは信じられない」なんてクールなこと言ってるウィリアムまで子供のように目を輝かしてるんですけど!?

その後「現在の忍者はどんな生活をしているのか?」
「映画に出てくるような黒装束なのか?」などなど真剣に質問していたが、団長・藤田以外の日本人が大笑いしているのを見て、悟ってしまったらしい・・・

放っておいたら「僕の友達のお姉さんは忍者と結婚したんだって」という都市伝説(?)が生まれたかもしれないのに
ああ、残念!

(Pi-子)