初めての授業



ぐったり・・・


今日から授業開始!
というか、まずはクラス分けテストがあるらしい。
ちなみにクラスは初級班と中級班があるだけ・・・要は中国語がある程度できる人か全くの初心者かってだけ。
私は受けるまでもなく私は初級クラスなんだから、面接で決めてくれればいいのに!

宿舎を出るとすでに何人か集まって来ていた。
今日は初めてという人が大半なので教室までは全員揃って行くことになっていたのだ。

あれ?見知らぬ人がいるけど、あの人は?
Pi-子:おはようございます(ばりばり日本語)
???:あ、おはようございます、去年からいる塚本です。昨日旅行から帰ってきたばかりなので、皆さんと 会うのは今日が初めてなんですよね。よろしくおねがいします。
Pi-子:こちらこそよろしくお願いします。
塚本さん:中国語はどのぐらいやってたんですか?
Pi-子:学校の第2外国語でちょっとやっていただけだから、初級班ですよ。
ちょっとイケメン風謎の中国人:でも初級班だと本当に"ボ・ポ・モ・ホ"からですよ。
(やっぱり流暢な日本語)
あ、この前会った中国人だ。本当、この人日本語うまいよな・・・もしかして日本に出稼ぎに来ていたとか?
ここにいるってことは学校関係者なんだろうか?日本語もうまいし、通訳かな?

ちなみに"ボ・ポ・モ・ホ"中国語の発音練習でおそらく一番最初にやることです。
ま、"あいうえお"みたいなもんだと思ってください。

そうこうしているうちに全員集まったので教室へ移動、さっそくテストが開始された。
英検みたいなもんで、最初はテープを聴いて、文法、長文となっていくのだが、正直言ってどれも全然分かりません!

不幸中の幸い、選択問題だったのですべての問題に適当に印をつけ、空白だけは埋めることができた。
でも、カンがよすぎて中級班になっちゃったらどうしよう・・・(^_^;

早く終わりすぎてしまったので、教室やその周りを観察してみる。
学校の建物も教室も日本とさほど変わりはないんだな〜。ま、こんなもんでしょ。

・・・・・・あ、あれ?
ちょっとイケメン風謎の中国人、一緒に学校に来たところまでは分かっていたけど、試験も一緒に受けてるよ!?

・・・・・・って、ことは、もしかして留学生?つーか、日本人?

・・・・・・そういえば、去年から延長して残っている先輩は3人いるって聞いてたっけ・・・

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・・・・・・「日本語、お上手ですね」って言おうかと思ったけど、言わなくてよかった(心からの安堵)



しばらくして試験は終わり、私は心配することなく初級班となった。
初級班は私、団長、藤田くん、中山さん、アメリカ人のジェイソンの5人。
クラスメートの旬(ジュン)ちゃん、浩子(ハオズ)、おねえたまたちは中級班となった。

さっそく2班に分かれて授業開始!
授業といっても今日は先生紹介と自己紹介程度で終わると思うけど。

先生が2人入ってきた。
1人は朱老師(老師=先生)。担当は基礎漢語(漢語=中国語)いわゆる文法を担当。
初老、白髪でやさしそうなおばあちゃんといった感じの先生。

もう1人は王老師。聴力と口語、ヒヤリングと会話を担当ということだね。
歳は30〜40歳ぐらいかな、近所のおしゃべり好きなおばちゃんといった感じ。

実はもう1人、馬老師という先生もいるのだけど、現在産休でお休み中らしい。

先生たちは簡単な自己紹介をしてくれているようだけど、何を言っているのか全然分かりません!
しかし、もっと困ったのは自分の自己紹介。
中国語だと日本人の名前は全て中国語読みになるので、正直、自分の名前も言えない、呼ばれても分からない。
日本人と中国人だけなら、書けば何となく分かるのだけど、それではアメリカ人のジェイソンに伝わらない。
(アメリカ人は日本人と逆でヒアリングはできても漢字が分からなかったりします)

・・・・・・どうしよう・・・・・
初めての授業ですっかり途方にくれてしまった。
せめて短大の授業はちゃんと出ておけばよかった。(後悔)


  (時間割)
90年当時、鄭州大学、留学生用のクラスは初級班と中級班の2クラスしかありませんでした。(現在では上級班まであるそうです)
初級班は本当に初心者、授業内容は最低限会話が出来るようになるよう文法・聞き取り・会話を徹底的にやりました。
中級班も文法・聞き取りはありますが、内容はがぜん(当然)高度になり、初級班で習うことの応用編といったところでしょうか。
また、写作(作文)、選択で新聞の購読、中国文化・歴史の授業も設けてありました。
選択の書道は日本のそれと同じです。日本人より漢字に弱いアメリカ人を対象としていたようですが、当のアメリカ人たちは殆ど選択していませんでした。
体育にあたる武術、太極拳を基礎から教えてもらえたのですが・・・出席する生徒がだんだん減っていって後期からはなくなっていたような 気がするんだけど・・・必修だったんですね。ちゃんと教えてもらっておけばよかった。(^_^;


Pi-子:中級はどうだった?
おねえたま:全然分わかんなかった。やっぱり日本で勉強しているより難しい。

おねたまと私とでは"全然"のレベルが違うんだろうけど。

おねえたま:こうゆう気分が落ち込んでいる時はご飯を食べに行こう!
Pi-子:え〜と・・・そうゆう問題?
おねえたま:そうゆう問題だよ。お腹がいっぱいになるとゆとりができるじゃん。

ん〜・・・この人、ちょっとズレてる気がするけど、それも一理あるかな。

こうして、この後、さっそく学食へ行くと先客がいた。
ちょっとイケメン風謎の中国人・・・改め、先輩の今野(ジンイエ)さん。
今野さんの手にも昨日の門馬さんの持っていたのと同じ"小さな洗面器"みたいなご飯入れ容器が握られていた。
Pi-子:今野さんも洗面器みたいなの使ってるんですか?
今野さん:失礼な!せめてポチのご飯入れと言ってくださいよ。
(当然流暢な日本語)

やっぱりこの人、日本人なの?・・・かな?

(Pi-子)