99年5月前半の学芸員日誌


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5月15日(土)

必修クラブの時間に、外線電話がつながる部屋に内緒で生徒と入り込み、ネットにつないでみた。
今まで学校のNTT回線からアクセスしたことはなかった。

つながらない。話し中か? いや、ひょっとして……。
ところが、ひょっとしたのさ。

学校はトーンじゃなくて、パルスでした。

つながらなかったら、まずこれを疑えの法則。プッシュ式の電話を使っていてもパルスなんだよね。
じこじこじこ。じこじこじこ。じこじこじこ。ぴー、ぷー、がががががーーーー。

掲示板をOTDのフリーBBSに変更しました。いままでのものより書きこみしやすいと評判です。配色もかわいくて落ち着いた感じでまとめてみました。
ぜひ、皆さん、何か一筆おねがいします。こちらです。

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じゃあ、今から 

5月14日(金)

保育園に行く前に弁当を作ってしまい、保育園に子どもを預けたら、GSで給油、洗車、オイル交換してもらっている間、喫茶店で英会話の予習。
やっぱり、辞書はコンパクトなやつじゃだめだ。普通の厚さがなきゃ、Jefの要求にこたえられない。
10:30から『恋におちたシェークスピア』。別に見たいとは思ってなかったんだが、金曜日は映画1000円。
13:00からの英語に間に合うのは、これしかないから見ただけなんだが、これはおもしろかった。もうけもの。
ひさびさに映画館にいる時間を堪能したといえる。今まで、なんだかなあ? とか こんなことありかあ? とか思いながら見てたような気がする。
パンちゃんのところでも、みんなほめているのだが、あたしもほめる。
で、あたしが思うのは近松の心中モノさ。元禄の大坂の傾きかかった芝居小屋を近松が救うんじゃなかったっけ? 
はたして、われわれは英語圏の人々がシェイクスピアを愛するように、近松を身近に感じているだろうか? そんなこたあねえな。だが、蜷川演出の『近松心中物語』は役者もずいぶん変わったが、やっぱりお客は入るものな。でも映画のようなブームにはならない。ま、それがいいのか。
パンちゃんとこの常連さんはこれを見てシェークスピアを読みたくなった人が多い。あたしはこの映画を見て、やっぱり近松を読まねば……と思ったね。

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あなたは篠田監督、岩下志麻主演の『曽根崎心中』を 

5月13日(木)

もう、くたくた。

どうもFDDの調子が悪い。中のファイルにつながらない。なんでだ。

そういえば、昨日の英会話の授業後、Jefはあたしに気をつかって、映画の話題を振ってくれたので、こういう。
「あぃ らいく にこらす=けいじ」
「あはー どぅ ゆ のぅ にこらす=けいじず ふぁざ?」
「あぃ どん のぅ」
「ふらんしす=こっぽら」
「りあり? あはー いん じゃぱにーず ジゴクノモクシロク! ざ しーん おぶ さーふぃーん」
「いえーす いえーす あーい らーいく なぱーむ……あはー ひず ねーむ……ひず ねーむ?」
「ごっど ふぁざー?」
「いえー あー まーろん=ぶらんど」
「あはー」

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ニコちゃんとコッポラ監督が親子だって

5月12日(水)

Jef(英会話の先生)とけんかした。もう4回も同じ教材というか、おんなじ単語10個やっていて、もう例文をつくるのもあきあきしていたわたし。
そろそろ次の単語10個にいくだろうと思って宿題やらずにいったら、また「あかすたむど」ええー、またこれやんの? 不満なわたし。

「もう、こればっかやって……」
「なに? バカ。すてぅーぴっど?」Jefはここでキレちまった。
すてぅーぴっどと、こきゃーがったな、そんなにおれがきにいらないなら、じおすでも、のばでも、いーおんでもいきゃーいいじゃないか、このやろ。
といったかどうか、それに近いことは言って怒ってたと思う。
わたしはさあ、もう「あかすたむど」はおいといて、とっとと次の10個にいきたかった。でもJefも粘着気質というか、あたしが「あくのうりっじ」と「あぷりっしえいと」とそれから何だったかな。とにかく似たような単語が3つあって、これの使い分けがまだなってないし、使うシチュエーションもまだ、理解できてない。敬語と普通の言い方、それにスラングの区別もまだできない。もう4回やってるのにきみはてんでわかっちゃいないって怒るのさ。
だから次には進まないっていうのさ。

そうか、そういうことなのね。あたしも下手に出ていったさ。
「あぃ そーと 10わーど 2うぃーく で あぃ でぃどぅんと ほーむわーく。あぃ あんだすたん ゆあ れすん すたぃる」
それからさあ。連休に入る前にJefが一度、授業にこなかったんだ。
真相はテキサスにいるJefのぐらんまざがだいど、だったのを まぃまざ だいど って聞こえて「いん じゃぱにーず ゴシューショーサマ」とかなんとかお悔やみを述べたり、お花あげたり……、そうかあ、ぐらんまだったんだ。84歳の……。失敗。まだ、Jef’sおかんはぴんぴんしてんだって。

それからもう一つは、Jefの説明する文法用語がヘンなのを「あぃ じゃぱにーず ぷろふぇっしょなる そのいいかた は おかしー」なんてけなしてしまったし。
 

5月11日(火)

教室の机の上の落書きがどうしたこうしたというクレームが来た。こんなことは初めてだ。

そのさわやか3組の担任さんがいうには「机の上に油性のペンで落書きしてあって、昨日うちの生徒が消したんですけど、今日もまた描いてあって……」
机の場所を聞くと、たしかにその机に座っている子は絵を描くのが得意。でも、落書きするタイプの子じゃあないのよね。
「わかりました。生徒に確認して注意しておきます」と、その教室を使っている担任はいったが、本当のところ、職員室にいたわたしらは「落書きぐらい、ほっとけよ」と腹の中で思っていた。
S田っちなんか「落書きのない学校なんか、ないだらあ」という。
優等生は落書きに免疫がないんだな。落書きって迷惑か? 夜の間に同じ机を使ってる生徒さんからメッセージ(=じゃないけどさ)が届いていたら胸がおどらないか? 
それとも、落書きなんかするやつはダメなやつってか? ま、油性ペンで描くのはまずいってことなんだろうけど、その子が「あたしが描いたっておもわれるのはやだ」って思うのか?

ま、ドラマ『白線流し』みたいな展開は、ないだろうけどさ。総合的にいって落書きっていうのは、その世界の何かを映し出す鏡だ。あたしは机の上の落書きを愛する。
でもまあ、他人のいたずら描きを生理的に受け付けない優等生ってのも、いるんだろうな。

5月10日(月)晴ときどき曇

無料掲示板サービスをやっているという人からメールをもらって、試しに作ってみたのだけど……。
NIFTYの掲示板がかわいくないのよ。書きこみと閲覧が一緒のタイプがいいと思う。

こっち今までのをくらべるとカワイイほうが書きこむ楽しみが増すように思う。こういうタイプのほうが実際多いし……。
換えるとなりますと、今までの書きこみは……、あ、read onlyにして、そのまま温存すればいいのか? で、しばらくしてから消す、と、こういうことだな。

5月9日(日)晴 夏か?

J−PHONEユーザーの姪が通称「ひがおか」まで迎えに来て、というので夜も23:00を過ぎてから駅へ行ってみると、ギターを弾いている若者が二人いる。
「金山みたいなことやっとる子がおるだねえ」
「おるだあ」
この姪は今、アメリカ人留学生の彼がいて、そのためにE−mailオプションをつけたんだと。
で、初めてJ−phoneユーザーあてにmailを送信してみる。
他愛ないといえば他愛ない遊びなんだけど、ま、いっか。彼女は英語でmailを打っているそうだから、たいした成長だ。かつて中学生だったころ、少し勉強につきあったが、こういうふうに英語を使うようになるとはね。
彼から「あいむ しんきん あばうちゅー」って送られてきたのに
「さっむー」なんていっちゃ、かわいそうじゃんか。

土曜日の夜、ETVで若者のコミュニケーションを特集していたが、高校生たちの中にまじると江川紹子も頭の硬いオバサンでしかなくて、話しは通じてはいなかったように見えたがなあ。

携帯で話さないで、ぷちぷちとキーを押しながら、まどろっこしい筆談をするのは、なんのためか?
離れた場所にいる相手が今、自分のことを思ってくれている、という歓びを共有するため。それしかない。
何のためにメールいれるかっていったら、返事がほしいからじゃんねえって、大きな声で生徒がいってたよ。
返信のすばやさで、相手の中の自分の位置を確認するってやつもいたな。
容姿に自信のない子ほど、返事がすばやい、とのことです。ちょっと、身に覚えがあるかも。
でもさ、誠実な不細工で、何が悪い! 意地悪な美人には負けんぞ。

5月8日(土)晴

新しい市民病院へ骨折で入院している生徒のお見舞い。ってほどでもないか。
いっぺん行ってみたかったっていうのが本音だから……。お見舞いはついでだ。

エレベーターの中であたしの過去にまつわる市会議員と一緒になってしまう。こいつらと狭い箱の中にいるのはいやだ。
しかし、こいつ変わらんなあ。そのうち県会にも出るのか? まさかな。

いつだったか、日刊スポーツの広告を見ていたらビデオの通信販売で『サード』があったので注文したのが来た。
ビデオの通販なんて、そっち方面の関心のあるやつ向けが主流である。高橋恵子が関根恵子だった頃のものや、由美かおるの『同棲時代』や、今じゃあそこそこの女優がまだカラダを張って主役を勝ち取っていた頃の、ま、発掘ものというほどおおげさではないが、そんなニュアンス。
で、『サード』も主演が永島敏行だとか、脚本が寺山修司だとか、そんなことより、森下愛子の全裸シーンがあるって、それが売りなんだから、ちょっとそれが哀しいといえば哀しい。

現物が届くまで、ひょっとして、ダビングされたまがいものだったらどうしようと不安だったが、本物の『サード』だった。
まだ見てはいないが、この映画は大好きだ。去年の暮れにわが愛する映画のベスト10みたいなのを書いたが、これを入れ忘れている。改訂版を書かねば。

映画のランク付けをする場合、ビデオやLDを買いたいと思うなら、これが「好き」の最上級。映画館を出る時、パンフを買うかどうかでも、評価は下せる。買うなら「好き」、買わないのは低い評価だ。

できれば脚本付きのパンフがいいが、そんなにサービスがいいのはめったにない。『永遠と一日』は満点のパンフ。脚本あり。
『サード』を見た時はパンフはなくてATGの新聞を買ったような覚えがある。そのあとで脚本が欲しくて、寺山の『十九歳のブルース』という単行本を買った。(新書館刊)。連続射殺魔:永山則夫や中上健次『十九歳の地図』のころの19歳が今は14歳なんだな。

5月7日(金)晴

大須へ電脳ショッピング。
自分の欲しいものははっきりしないまま、ついていっただけ。なんだかなあ。
あたしは、さびしかった。
中古の8MBスマートメディアはデジカメ用に。外側がおりたたんでしまえるスピーカーはMDプレーヤー用に。部屋のビデオデッキ用にクリーニングテープ。

あたしはいったい何が欲しかったんだろう?

5月6日(木)晴

またもやゴールド劇場。『永遠と一日』を見る。
で、また、寝ちゃう。すまんねえ、アンゲロプロス様。
それでも、時に、はっとして目をさまして画面に集中する。最初に起きたのは、隣りのアパートの、顔もしらない住人と同じ音楽を鳴らしあって、交感しあうところだ。こんなにも世の中にあふれるほどの音楽があって、その中でも同じ曲を愛しているというのなら、こんなことは偶然でなく、運命だ。

あまり人には知られていない、あたしの好きなある歌を好きだというだけで、その人のことを好きになったことだってある。今もずっと好きだ。
だって、運命的な出会いだと思ったから。そういうこともあるさ。

5月5日(水)晴 陽気

長い長いすべり台のある公園が高浜市内にあるという。
高浜の公園なんて、昔からある大山公園しか知らない。それに結局一度も大山公園には行かなかったから正確な場所をしらないし……。
場所を聞く。碧南のほうか? 衣浦のほうか?
答えは「刈谷のほう」だというから、ま、スギヤスか、市民病院か、市役所の交差点まで行けば、何とかなるだろう。と思って行ったら、本当に何とかなった。

中部公園なんて、センス悪いよ。せめてヨシイケという地名でも、つけるべきだ。
ま、いいさ。高浜市には納税してないもんな。
最初はたぶんここだろう、という感じで中に入って、芝生の向こうに本当に長い長いすべり台を発見した時は、やっほー! と叫んでしまいました。

でだ。
高浜まで来れば、たぶん教えたことのある生徒さんにも、あってしまうんだろうなあ。
「おとうさあん、こっち、こっち、見てええ!」子どもってのは、どいで、ああ、見ててもらいたがるかなあ。ま、うちのガキもだが……。
あ、かっこいい父ちゃんだなあ。でも、なんか、むかし、あったことあるような?
しばらくしてから、あれ? かっこいい父ちゃんと目があっちまったい。どうしよう。にこ。
ひえー、向こうもこっち見て、にこって笑うぜ。

「三崎先生ですよねえ?」
なんだと? やっぱり、生徒かよ。どうりで、どこかで見たような気がしてたんだ。だが、名前がさっぱり思い出せない。
「ひのえうまの子だよねえ?」
「そうそう、オレ、T高。問題児の」
「問題児ちゃうちゃう。優等生だったってばあ」
「それにしても、先生、若い。変わらんねえ」きゃあ、うれしい。もっといって。
「さすがに、バイクにはもう乗ってないよ」がははのは。

5月4日(火)雨

くだんの看護学生さん。ついにパソコンを購入するも、プリンターが不良品にて、交換と相成ったとか。
CPUは360MHz、メモリは64M、HDDは6.4G。これにプリンターもついて19万円ですと。
なんて、安いんだあ。
いいなあ、新品のパソコン。
あとはプロバイダの選択に一苦労でしょう。カード持ってないそうだし……。それにしても、いろいろ教えてあげちゃいましたが、それもこれも、わたくしは一人で2年かかって覚えたことなのにいー、と思うと悔しい気がしてならない。

「探し物はなんですかあ〜」の井上陽水『夢の中へ』も古い歌だが、今でも時々カバーされてうたわれる。最近じゃあ、『彼氏彼女の事情』のエンディングがそうだった。
で、何がいいたいか。ノートが1冊なくて、探しているんである。
読書ノートなんだが、あれがないと困るんだよ。でも、もう半月さがしているのに、どこにもない。
買った本と読んでいる本の記録。CDはノートにつけなくても大体把握できるが、本はだめ。買いこむこと自体が目的だから、数が多くて何かに書きとめておかないことにはまったく把握できない。保管場所もぐちゃぐちゃだし……。
なんとかせねば。

5月3日(月)晴のち曇

市内の美術館をはしごする。
まず、世界子ども美術博物館にて「世界のアニメーション・ワンダーランド展」。やっぱりこの美術館、展示室が狭いな。あれでは展示内容を大幅に制限してしまう。ま、期待しないでいったので、がっかりもしない。大人300円。6月6日まで。

先回のアニメ展では、日本のアニメ映画の歴史というパネルが確かあって、わたしにとっては忘れられない『安寿と厨子王』のことが詳しく説明されていた。東映で昭和35年から37年ごろの作品だ。劇場(=たぶん豊川東映)で見ているのでもっとあとかもしれない。オリンピックよりは前のはず。
まだ日本には声優という職業がなかったのか? 安寿は佐久間良子、厨子王は北大路欣也の声である。すごいと思いません? もっとも当時はそんなことはしらないで見ていたよ。
TVで『鉄腕アトム』や『鉄人28号』をモノクロで放映していたころ、あの映画館で見るカラーのまんが映画ってのは、わたしらにとってなんだったんだろう?
とにかく、東映まんがまつりっていうのはさ。”非日常の象徴”だったような気がする。今は東映アニメフェアっていうんだろ? 意地でも「まんがまつり」って呼んでやるからな。

それでは今回のアニメ展は……。やっぱり自分で、単純でもいいから、何か作ってみないとわからんよ。という内容だった。
そ、教科書のすみのぱらぱらまんがでもいいから。でないと、ガンダムのセル画を見てきましたってだけで終わっちゃう。

次に、隣の山の上、美術博物館「元禄繚乱展」。結構な人の入り。駐車場もほぼ満車。
みんな「忠臣蔵」がそんなに好きなのかねえ。大人1,000円は高くないか? ま、いわゆる高価なお宝が多かったってことか。
5月9日で終了。そのあと「矢作川展」

5月2日(日)晴 陽気

ぷはーっ! 暑いなあ。初夏だ。旧暦じゃあ、3月17日だが、こんな陽気じゃあ、また夏が長くて秋になっても暑くて、米もうまくできんだろう。

ところで、空メール。ボタンを押してくださったのは、今までの失敗の原因を追求して解明してくださったねこママさんただ一人。
みなさん、押してくださるだけでいいんです。カウンターが回るだけじゃなくって、あなたが、きみが、ここまで来てくださったことがわかると、わたしはそれだけで満たされていくのです。
単純ですが、そういうやつなんです。

昨日の夜、卒業して看護学校に行っている生徒さんから最初はIDOのぷちめーるで「パソコンを買いたいと思うのですけれど……」とのこと。
で、電話してみる。その子はやっぱり流行りものに飛びつくタイプのいまどきの看護婦さんだから「iMACとかいうのも、カタチから入るワタシにぴったりだと思うの。そんなに高くなさそうだし」なんていう。
あたしより先にパソコンの「ぱ」も知らないおねーちゃんにiMACを購入されるのも、なんだかしゃくだわ。

と思っていたら、今日もまたぷちめーるで「NECのバリュースターにしようと思うの」だそうだ。昨日も「あのね、あたしより君たちの担任さんの方がパソコンには詳しいのよ」というと「へえー知らんかった」というし……。
新人王。教室では別人になるんでしょうか?

5月1日(土)晴 陽気

空メールをつけてみました。今まで何度もトライしたのですが、今日やっと失敗の原因がわかったので……。



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