独断的JAZZ批評 821.

INAKI SALVADOR TRIO
スペインの大御所的存在のピアニストということで、どのトラックもワンマン・ピアノの傾向が強い
"LILURARIK EZ"
INAKI SALVADOR(p), JAVIER MAYOR DE LA IGLESIA(b), HASIER OLEAGA(ds)
2010年4月 スタジオ録音 (VAIVENPRODUCCIONES)

不覚にもアルバムを間違えてゲットしてしまった。今回、ゲットしたのはINAKI SALVADOR TRIO。僕が求めていたのはINAKI SANDOVAL TRIO。ラスト・ネームが似ているが、明らかに別物。
かつて、INAKI SANDOVALには"SOUSOLITO"(JAZZ批評 401.)という素晴らしいアルバムがあった。僕はこのアルバムを2007年のベスト 3 の1枚として選定しているが、その想いが強くて、どうも見誤った感じだ。
本アルバムのINAKI SALVADORはスペインの大御所的存在として一目置かれているピアニストらしい。


@"IHESA DENBORA EZ DA LUZEA" ピアノとベースのフリー・テンポのイントロで始まる。やがて、イン・テンポになってワルツでスイングしてくるが、あくまでも、ピアノがメインでベースやドラムスがクローズ・アップされることはない。
A"KONTATU DIDATE" 
このアルバムでは概して、似たような曲想のトラックが多い。哀愁を帯びながらも牧歌的というかフォーク的な色彩が色濃い。唯一と言って良いかもしれないが、ベース・ソロとドラム・ソロが挿入されている。
B"EZER GABE" これも哀愁を帯びた旋律でスペインのフォーク・ソングという趣がある。リフが何回も繰り返されるので、脳裏に焼き付いてしまう。
C"DIALOGOS CON MIKEL" 
ピアノと詩の朗読。後に、ピアノの弾き語りになる。曲の終盤にはビートルズ・ナンバーの"YESTERDAY"が挿入されている。
D"IZARREN INGURUAN" 
リリカルな演奏だけど、典型的なワンマン・ピアノだ。ベースとドラムスは単なる伴奏者でしかない。
E"IMPROVISACION SOBRE ”TXORIA TXORI” " 
これも美メロ系のリリカルな演奏だ。
F"VARIACIONES SOBRE ”BAGA. BIGA, HIGA” " 
最後はボサノバ・タッチ。以上、ここまでベースとドラムスがソロを執るということがほとんどない。大御所ピアニストの伴奏者という位置づけなのだろう。

スペインの大御所的存在のピアニストということで、どのトラックもワンマン・ピアノの傾向が強い。Cなんかは自ら詩の朗読をし、歌も歌っている。僕にとっては、このトラックは余分だった。
本アルバムは廃盤市場で高値で取引されていたレア盤の復刻らしい。そういえば、この復刻盤もCD1枚で3,000円もした。輸入CDとしては破格の高値だ。それだけの価値は感じなかったけどね・・・。
間違ってゲットしたアルバムだから掲載するのを止めようかとも考えたが、購入したアルバムは全て掲載すると決めているので掲載してみた。まあ、12年間も続けているとこういうこともあるのだろう。いずれにしても、似たような名前のピアニストはどこの国でもいるのだろうからこれからは一字一句に気をつけたいと思う。   (2013.09.17)

試聴サイト :http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v
=NM0KNSpPPPI#at=16




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