独断的JAZZ批評 735.

GRACE MAHYA
BARBARA CARROLLのような素敵なおばあちゃんになって、歌い、そして、弾き続けて欲しいと思う
"POINCIANA"
GRACE MAHYA(vo, p), 荻原 亮(g), 宮川 純(p), 安ヵ川 大樹(b)
2011年10月 スタジオ録音 (D-MUSICA : DMCD 16)


GRACE MAHYAを生で聴いたのは昨年の8月初旬だったろうか。その日は急に思い立って池袋のAPPLE JUMPに出かけた。何しろ、安ヵ川(b)とのデュオだったから、これは聴きに行こうと思ったわけ。お目当ては安ヵ川のベースだったのだが、GRACE MAHYAのピアノとボーカルを聴いて驚いてしまった。MAHYAはピアノも滅茶苦茶上手かったなあ。安ヵ川とのコンビネーションも抜群だった。その場でD-MUSICAでアルバムをリリースすると聞いていたので楽しみに待っていたのがこのアルバム。
このアルバム、ドラムレスでギターが入ったトリオ+ボーカルという形式になっている。MAHYAは@〜Iまでをボーカル、Jではピアノ弾き語りになっている。

@"POINCIANA" ボサノバ・タッチのトリオの演奏+ボーカル。いかにもボーカルものという感じの軽めの演奏で、春が来たなあ!って感じだ。
A"SAVE THE LAST DANCE FOR ME" 
ジャジーな演奏でオンザロックでも一杯呑みたくなってしまう。宮川の奏でるピアノがとてもお洒落。
B"GOOD MORNING HEARTACHE" 
ここでは荻原のアコースティックなギターがフィーチャーされている。
C"IT MIGHT AS WELL BE SPRING" 
アップ・テンポの4ビートを刻んで進む。MAHYAのスキャットも楽しげだ。
D"BUT BEAUTIFUL" 
フェンダー・ローズ+ギター+ボーカル。ボサノバ・タッチのギターをバックにMAHYAが歌いフェンダー・ローズが愛らしくかぶる。
E"ALL OR NOTHING AT ALL" 
ここもローズ。こういうボーカルものにローズは結構、効果的だ。
F"SAVE YOUR LOVE FOR ME" 
G"POLKA DOTS AND MOONBEAMS" 
ベースをバックにMAHYAが歌い、ピアノが加わる。ここでは安ヵ川のベースがフィーチャーされている。ギター・レス。
H"SKAYLARK" 
宮川のピアノをバックにMAHYAのボーカル。良い曲だなあ!大好きな曲のひとつ。
I"LOVER MAN" 
ピアノ、ギター、ベースをバックにMAHYAが楽しげに歌う。
J"A CASE OF YOU"
 この曲に限りMAHYAのピアノ弾き語り。この人、ピアノも上手い。全部、この弾き語りでも良かったかも・・・。心打つなあ!

何といっても最後の弾き語りが一番。ライヴの時もそうだったけど、MAHYAはピアノも上手い。何しろピアノがガンガン鳴っていたからね。
このアルバムを聴いて思い浮かべたのはBARBARA CARROLLの"SENTIMENTAL MOOD"(JAZZ批評 335.)。6年前の当時で78歳だったから、生きていれば84歳にもなる。
MAHYAもこのBARBARA CARROLLのような素敵なおばあちゃんになって、歌い、そして、弾き続けて欲しいと思う。   (2012.01.05)

試聴サイト : http://www.d-musica.co.jp/release/16.html




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