DANNY GOTTLIEB
僕は今、日本のジャズを再認識している
"JAZZ BEAUTIFUL BALLADS"
MARK SOSKIN(p), CHARLES "CHIP" JACKSON(b), DANNY GOTTLIEB(ds)
2004年?月 スタジオ録音 (NICOLOSI PRODUCTIONS : NIC 90018)


先日、昨年の12月から溜まっていた3.5星以下のCDを買い取ってもらうため、新宿のDISK UNIONに行ってきた。全部で14枚。これらのCDは二度と僕のCDトレイには載らないCDでもある。従って、買取に出した方がリサイクルにもなるし、買取価格を原資に新しいCDを買うことも出来るので一石二鳥だ。丁度、DISK UNIONのキャンペーン中ということもあって、査定価格の20%増しで売ることが出来た。14枚で締めて11,280円だった。平均買取価格、約800円は悪くない買取価格だ。因みに、一番の高値をつけたのが、JOEL ZELNIK,"LIVE AT STEINWAY PIANO GALLERY"(JAZZ批評 638.)でキャンペーン価格で1200円だった。中古市場の買取価格というのは市場の人気度を反映しているのでなかなか面白い。勿論、CDそのものの傷とか付属品の有無が価格に反映することは言うまでもない。14枚中、13枚が"状態:B"評価で、1枚だけ"A"評価だった。因みに、最低価格が、MARCUS ROBERTS,"NEW ORLEANS MEETS HARLEM VOLUME 1"(JAZZ批評 600.)で480円だった。
これら14枚のCDを新品で購入したときの平均単価が2175円。買取平均価格が805円。差引き1370円で手離したことになる。ネット・ダウンロードで購入した場合の音楽データとほぼ同じくらいの価格だろうか?中古市場が存在するCDマーケットにはそれなりの魅力がある。

すっかり前置きが長くなってしまったが、その買取原資で購入した新品CDがこのアルバム。なんか得した気分で、普段は買わないであろうアルバムに冒険してみた。勿論、店頭で試聴もしてみたのだけどね・・・。こいつぁ、大外れだった!

@"OLD FORKS" おっと!ダボダボ・ベースだ。ピアノの音もヘナヘナな音だ。前掲のアルバム(JAZZ批評 643.)で素晴らしい音色に酔い痴れた後だけに余計に気になる。3者の一体感も躍動感もないお粗末な演奏だ。このピアニスト、SONNY ROLLINSのグループで演奏していたというけど、本当?
A"SKYLARK" 
名曲が泣くなあ!
B"MY ONE AND ONLY LOVE" 
チープなベース音にガックリ。これはアコースティック・ベースの箱鳴りしている音ではないね。電気で増幅した音だ。ドラマー、GOTTLIEBのブラシもパタパタとうるさい。ドラムスがリーダーの時に良くあるパターンだ。俺がリーダーとばかりにしゃしゃり出るタイプだ。これじゃ、僕の大好きな曲が台無しだ!
C"SOIREE" 以降、僕は聴く度量を持ち合わせていない。
D"HYMN FOR HER" 
E"ANGEL EYES" 
F"LAMENT" 
G"PISTACHIO" 
H"BUT BEAUTIFUL" 
I"POLKA DOTS AND MOONBEAMS"
 

いやあ、参ったね。こういうCDに大枚3枚もはたいて購入してしまったとは!不幸にして、不快感ばかりが残ってしまう。
最近良く思うのだけど、海外盤にはかなり酷いアルバムがある。どうしてもジャズは海外ミュージシャンの方が優位にあるかと思ってしまうのだが、本当にそうだろうか?日本人プレイヤーのCDや生演奏を聴いていると、それは大いなる間違いだと最近、気が付いた。日本は世界でも有数のジャズ・マーケットであり、これほどジャズ・ミュージシャンのレベルが高く、人材が豊富な国はないのでは?と思っている。
今年に入って、「manaの厳選"PIANO & α"」にピックアップしたアルバム19枚のうち10枚が日本人プレイヤーがリーダーのアルバムだ。僕は今、日本のジャズを再認識している。   (2010.08.16)

試聴サイト : http://music.napster.com/album/songs.htm?albumid=12558788#



独断的JAZZ批評 644.