DANILO REA
全曲、カンツォーネの企画モノ
ウ〜ン・・・
"ROMANTICA"
DANILO REA(p), ARES TAVOLAZZI(b), ROBERTO GATTO(ds)
2004年1月 スタジオ録音 (VENUS RECORDS : VHCD-4040)


前掲に続いて、紙ジャケの廉価盤。どういう理由でこういうジャケットになるのか僕には分からないが、とりあえず、目を引けばよいということなら、その目的は達しているのかも知れない。まあ、意味不明なところがヴィーナスらしいといえばヴィーナスらしいのであるが・・・。
このアルバムはDANILO REAが2004年に母国イタリアのラヴ・ソングを集めて録音したものだ。全14曲と多いが、「サンタ・ルチア」や「帰れソレントへ」、「夜空のトランペット」といった有名曲が入っている。日本向けに企画され、大いに媚を売ったのかも知れない。

@"REGINELLA" 
いわゆるカンツォーネを美しくきらびやかに演奏。
A"MUNASTERO 'E SANTA CHIARA" 
以下同文。
B"TU SI' 'NA COSA GRANDE" 
C"CORE 'NGRATO (CATARI CATARI)" 
D"SANTA LUCIA" 
E"CHE COSA C' 'E" 
F"TORNA A SURRIENTO" 
「帰れソレントへ」 テーマはしっとり、アドリブから徐々に高揚感を増してきて最後はグワーッと盛り上がって終わる。こういうテンション高めの演奏がD. REAらしくて僕は好きだ。
G"PARLAMI D'AMORE MARI 'U" 
H"MITTI UNA SERA A CENA" 
E. MORRICONEの曲だそうだ。明るいタッチで躍動していくREAのピアノは軽快そのものだ。ドラムスとベースとの緊密感がいまいち。この二人のプレイに抑揚がないのが残念。
I"RESTA CU' MME" 
J"UN GIORNO DOPO L'ALTRO" 
K"SE STASERA SONO QUI" 
L"O' SURDATO 'NNAMMURATO" 
アップ・テンポで突き進む。テクニシャン、REAの本領発揮と言いたいところだが、何故か面白みに欠ける。テーマがつまらないのかも知れない。
M"IL SILENZIO" 
昔、一世を風靡したニニ・ロッソの「夜空のトランペット」 途中で"I HEAR A RHAPSODY"のフレーズが出てきて遊び心はあるが、余裕がなくて速弾きで誤魔化そうとするベース・ソロがいただけない。

このアルバム、カンツォーネを素材にした企画モノと言えるだろう。確かに、テーマはみな美しい。しかし、全曲、カンツォーネというのではさすがに飽きる。毛色の違った曲想の曲も聴いてみたくなる。
このDANILO REAというピアニストは1957年生まれというから今では中堅どころだ。才能のあるピアニストだと思う。REAはこのアルバムの前年、2003年にALDO ROMANOの"THREESOME"(JAZZ批評 215.)に参加して、切れ味が鋭くて自由奔放な素晴らしいプレイを披露している。REAの並外れた才能と真髄を知るにはこちらのアルバムのほうが良いだろう。御大、ALDO ROMANOの指導よろしく、美しさ、躍動感、緊密感に溢れたアルバムに仕上がっている。未聴の方は是非、一度聴いてみて欲しい。この傑作がなければ、もうちょっと評価しても良いのかなあとは思うのだが、これが現実というものだ。   (2010.02.09)

試聴サイト : http://www.venusrecord.com/recent/2004.html



独断的JAZZ批評 605.