DON FRIEDMAN
ついに、念願のCDをゲット!
誰が何と言おうと、これがFRIEDMANのベスト・アルバムだ
"LATER CIRCLE"
DON FRIEDMAN(p), GEORGE MRAZ(b), RONNIE BEDFORD(ds)
1978年2月 スタジオ録音 (BMG : BVCJ 34441)


待ちに待ったCDの登場である。
このアルバムは1978年の録音で、FRIEDMANの代表的なアルバムとして名高い"CIRCLE WARTZ"(1962年録音)の影に隠れていたアルバムでもある。
僕がこの"LATER CIRCLE"のレビューを書いてCD再発を切望したのが2002年の8月(JAZZ批評 85.)。あれから7年が経った。やっとCD化による再発が日の目を見た。FRIEDMANのファンとしてはこんなに嬉しいことはない。
実は来月から始まる窯焚きに持っていくために何枚かのアルバムのコピーを作成していた。その中の1枚に入れていたのがアナログLPの"LATER CIRCLE"からデジタル・ダビングしたCDのコピーだった。焼いた後に、ネット検索していたら、何と今年の2月末から再発で世の中に出ていたことを知った。しかも、SHM-CDというオマケ付きで。そして、ついに念願のCDをゲットしたという次第だ。アナログLPの時とはジャケット・デザインも変更になって良かった。(FRIEDMAN、ごめん)

@"I HEAR A RHAPSODY" 
FRIEDMANが得意とするスタンダード・ナンバーのひとつと言えるだろう。ミディアム・ファーストの軽快なテンポに乗って、ピアノが歌いベースが唸る。この頃のMRAZは一番脂の乗っている時期かもしれない。よく歌い、よく遊ぶ。基礎がしっかりしているから何をやっても鬼に金棒だ。BEDFORDの堅実なドラム・ソロを経てテーマに戻る。
A"MINOR MOOD" 
FRIEDMANの作曲家としての才能の豊かさを見せつけた1曲。MRAZのベースが効いている。じっくりと絶妙なるベース・ラインを堪能いただきたい。途中からアップ・テンポの4ビートを刻むが、ノリノリの4ビートでMRAZのベースが唸っている。
B"WHY DID I CHOOSE YOU ?" 
ピアノのソロで始まる。ベースが合流するその瞬間がスリリング。伸びやかで艶やかなMRAZのベースが素晴らしい。この人なくてこの傑作は生まれなかった。
C"MINOR BLUES" 
FRIEDMANの書いた12小節のマイナー・ブルース。グイグイと前に突き進むドライブ感満載のブルース。ドラムスとの12小節交換を経て終わる。
D"LATER CIRCLE" 
これもFRIEDMANの書いたタイトル曲。MRAZの素晴らしいソロが聴けるが、同時に、3人のアンサンブルの素晴らしさも堪能頂きたい。
E"HOW INSENSITIVE" 
A. C. JOBIMの書いた曲でボサノバ調の軽快な演奏となる。こうした演奏でもMRAZのポイントを押さえたベース・ラインが素晴らしい。FRIEDMANのピアノもタッチに力強さが表れていて活き活きとしている。
F"WHAT I DID FOR LOVE"
 ベースのイントロからドラムス、ピアノが合流してしっとりとしたバラードを奏でていく。さあ、ピアノ・トリオというアンサンブルの妙を満喫しよう。

この素晴らしさを言葉で伝えるのは難しい。「百聞は
一聴にしかず」で是非、ご自身の耳で確認いただきたいと思う。
CDで再発されて、多くの人たちとこのアルバムの素晴らしさを分かち合えたらと思っていたが、ついに実現したリイシュー・アルバムだ。しかも、高音質のSHM-CDでの登場とは二重に嬉しい。
誰が何と言おうと、これがDON FRIEDMANのベスト・アルバムだという信念で、「manaの厳選"PIANO & α"」に追加した。同時に、このアルバムはGEORGE MRAZのベスト・アルバムでもあると僕は思っている。   (2009.04.11)

試聴サイト : http://www.hmv.co.jp/product/detail/3510213



.

独断的JAZZ批評 550.