CDでの再発を願わずにはいられない
FRIEDMANとMRAZの渾身の1枚
"LATER CIRCLE"
DON FRIEDMAN(p), GEORGE MRAZ(b), RONNIE BEDFORD(ds)
1978年録音(LP:RCA RVJ-6018)

ついに手に入れた DON FRIEDMAN のCD "LATER CIRCLE"!と言いたいが、実は違う。アナログのLPを友人にCD-Rにダビングしもらった、いわばオリジナルCD。
「厳選 PIANO TRIO & α」のコーナーには早くから紹介はしていたのだが、やっとJAZZ批評をアップできた。

これほどの名盤が入手困難というのは残念だ。未だかつて、CDで販売されているのをみたことがない。いくら待っても世に出てこないので、友人にダビングを頼んだ次第。本物のCDと見間違うほどのオリジナルCDの完成!拍手!
勿論、内容はピカイチ!
DON FRIEDMAN の最高傑作であるのと同時に、GEORGE MRAZ の最高傑作でもある。
全編通して、MRAZのベースが素晴らしい!。伸びやかで艶のある音色、確かな音程。左手の粘りが凄いから音が繋がっている。この人なくしてこのLPは生まれなかった。

強力なサポートをバックにFRIEDMANのピアノも実に伸びやか。このプレヤーはBILL EVANSと比較されることが多いが、僕は全然違うと思う。スピード感やドライブ感はFRIEDMANの方が強い。良いサポート陣に恵まれて如何なく実力を発揮した1枚だ。

全7曲、どの曲も甲乙つけ難い出来映え。敢えて選ぶとすると4曲目のFRIEDMANのオリジナル"MINOR BLUES"と最後の"WHAT I DID FOR LOVE"が超お奨めだ。
前者はMRAZのベースが唸りを上げてグイグイ引っ張っていく、そのドライブ感が素晴らしい。良く歌うベース・ソロも聴きもの。その後に続く12バースではドラム・ソロも聴ける。
後者はミュージカル「コーラス ライン」からのピックアップ。ここでもピアノとベースのインタープレイが濃密な空間を創出している。じっくりと耳を傾けたい1曲だ。そして、この上なく酒を美味しくしてくれる1曲。
こういうJAZZを聴いていると「JAZZっていいなあ」と心底思うのだ。人を幸せにするJAZZでもある。

余談だが、ジャケットはLPをリサイズしてくれたもの。再発の際には、ジャケット・デザインは変えて欲しいものだ。(FRIEDMAN、ごめん)

何はともあれ、RCAのレコード担当の方、是非、是非、再発売を!お願い!    (2002.08.06)

<2009.04.18 追記>
このレビューを書いてから苦節7年。ついにリイシュー盤が再発された。しかもSHM-CDという高音質CDという形で。このCDの発売に伴い、セカンド・レビュー(JAZZ批評 550.)を掲載したので参考まで。



DON FRIEDMAN

独断的JAZZ批評 85.