RED GARLAND "WHEN THERE ARE GREY SKIES"
RED GARLAND(p), WENDELL MARSHALL(b), CHARIE PERSIP(ds) 1962年10月録音
極めつけは3曲目の "ST.JAMES INFIRMARY"(セント・ジェームス病院)
だ!
これぞガーランドの真骨頂。ブルースフィーリング溢れるファンキーでいて、しかも、哀愁を帯びた切ないほどの演奏だ。指を鳴らしたくなる演奏の代表作。ガーランドのピアノは左手の軽いバッキングがあるだけで、右手のシングルトーンのメロディラインだけで勝負している。シングルトーンの美しさと歯切れの良い軽やかな音、どれもガーランドの特徴と言える。勿論、ブロックコードによる演奏もしているが、これが本質ではない。
そのことは1曲目の"SONNY BOY" を聴くと良く分かる。このメロディの美しさといったら、勿論、原曲の美しさはあるにしても、ガーランドの右手から織り成す一つ一つの音の美しさに他ならない。
本当に泣けてしまうのだ。
CDに追加された、おまけの7曲目 "MY BLUE HEAVEN" も快いスウィング感に溢れたご機嫌な1曲。幸せな気分にしてくれること請け合い。
ガーランドの代表作というと
JAZZ批評 25.に紹介した "GROOVY" があまりにも有名だが、僕はこのレコードの方が好きだ。
まさに、良かかりし時代の良かかりしJAZZなのだ。楽しさあり、切なさあり、硬軟取り揃えた心から楽しめるお勧めの1枚。
ハードバップ時代の連鎖の輪がどんどん広がっていく。お次は誰か? (2001.12.07.)