ジャズ・ピアノの楽しさを満喫させてくれる1枚。
ジャズ・ピアノ・ファンなら食事を抜いても買うべし。
RED GARLAND "GROOVY"
RED GARLAND(p),PAUL CHAMBERS(b),ARTHUR TAYLOR(ds) 1956〜57年録音

レッド・ガーランド先生の乗りに乗った一発。
これを聴かずしてジャズ・ピアノを語ることは出来ない。最初の"C JAM BLUES" はCの12小節のブルースである。昔、僕らはこれを手本としてブルースの練習をしたものであった。

ベースのポール・チェンバース大先生もぐいぐい引っ張るウォーキングベースを展開し、ご機嫌な1曲である。スウィングとはこういうものだと教えてくれる。JAZZの基本はブルースにある。シンプルな12小節をどう演じるかが、ジャズ・ミュージシャンの基本だと僕は思っている。
その意味で、この演奏は広くジャズ・ミュージシャンの手本となってきたと思う。

"GONE AGAIN"。スローな歌ものを情感たっぷりに歌う。どちらかというと、ガーランドのピアノはスローよりもミディアム以上のアップテンポの曲にその真髄が発揮されていると思う。3曲目の"WILL YOU STILL BE MINE" のようなアップテンポの曲こそガーランドに相応しい。アート・テイラーのブラッシュワークも軽快だ。チェンバースのアルコ弾きのベースもGOOD!
5曲目の"WHAT CAN I SAY,DEAR" は誰でも一度は耳にしたことがある曲。ご機嫌なスウィング感でついつい指を鳴らしたくなる。
6曲目の"HEY NOW" もご機嫌なブルース。
1、3、5、6曲目にガーランドの真骨頂が表れている。

このCDは文句なしにジャズ・ピアノの楽しさを満喫させてくれる1枚だ。
ジャズ・ピアノ・ファンを自認する人は1〜2食抜いてでも買うべきCDである。(2001.08.26.)




RED GARLAND

独断的JAZZ批評 25.