OLIVIER HUTMAN
全8曲、色々とつまみ食い的にやってみた感じ
"FIVE IN GREEN"
OLIVIER HUTMAN(p), THOMAS BRAMERIE(b), BRUCE COX(ds)
2002年6月 スタジオ録音 (RDC RECORDS : REF:6401252)

今回は1954年生まれのフランス人ピアニスト、OLIVIER HUTMANのアルバムから。
初めて聴くピアニストだ。フランスのジャズ・ピアニストというとJEAN-MICHEL PILC(JAZZ批評 460.)やMICHEL PETRUCCIANI(JAZZ批評 110.)やEDOUARD BINEAU(JAZZ批評 314.)を思い浮かべる。フランス人ではないが長くフランスで活躍していたMARTIAL SOLAL(JAZZ批評 138.)なども個性豊かな音楽観を持っていて、どちらかというと職人気質なピアニストが多いように思う。

@"PAPA CHATLES BLUES" フランス・ジャズのイメージは少し難解で理屈っぽいジャズだが職人気質の自己主張が強いイメージ。1曲目のこの演奏を聴いてびっくり。これは単純明快、ストレートなジャズだと思った。ファンキーで泥臭い演奏に「えっ!フランス人?」と思った。
A"NO LIES?" と思いきや、今度はフランスらしさの出た少々難解なテーマの曲だ。頭でこねくり回した感じで乗りが悪い。全然、躍動感が湧いてこない。
B"THREE FOR VEE" と、今度は愛らしいワルツだ。代わり映えのしない普通のワルツだ。
C"FIVE IN GREEN" と、今度は5拍子と来たもんだ。

D"SLOW WALTZ" 美しいスローワルツでBRAMERIEのベースがフィーチャーされている。Cマイナーで始まり最後はD♭メジャーで終わるそうだ。
E"GREPSN PARTY" 
ミディアムテンポの4ビートを刻んでいくモーダルな曲
F"A GAL IN CALICO" 
これもミディアム・テンポを刻む軽快な演奏。が、印象に薄い。
G"I CONCENTRATE ON YOU" 最後にCOLE PORTER作のスタンダードナンバーを入れてみたと。

正直に言って、あまり代わり映えしないというか、印象に残らないというか・・・・。全8曲、色々とつまみ食い的にやってみた感じ。フランスらしい職人気質みたいな無骨さもない。八方美人的である。このくらいのピアノを弾く人は世に五万といるので印象度は薄い。こういうアルバムは強いて書くことも少なくて、レビュー泣かせではある。   (2008.04.06)



独断的JAZZ批評 476.