ALAIN MAYERAS
窓外の枯葉を見ながら、あるいは本でも読みながら、ついでにワインでも傾けたらぴったりと嵌りそうだ
"TENDERLY"
ALAIN MAYERAS(p), GILLES NATUREL(b), JEAN-PIERRE JACKSON(ds)
2000年 スタジオ録音 (CRISTAL RECORDS MAJ2001 45608-2)

このアルバムを購入するに際して、躊躇することが2点あった。ひとつは曲数が15曲もあるということ。トータル60分から70分としても1曲あたりの平均演奏時間が4分前後ということになる。ということは短い曲だと2分とか、3分があり得る。これは短い。最初のテーマと最後のテーマを演奏すればアドリブはせいぜいあっても2〜3コーラスだろう。1曲あたりの演奏時間は最低でも4分以上は欲しいところだ。2点目がジャケット・デザイン。油絵風の「怪しげな」ジャケットで、ちょっと見、キワモノ風だ。だから、封を切ってトレイにディスクを載せるまでは、期待感はあまりなかった。

このアルバム、フランスのトリオだという。演奏曲にはスタンダード・ナンバーを中心に聞き慣れた曲が多いし、演奏スタイルも軽いノリでBGMに最適かもしれない。こういう演奏は四の五の言わずに素直に受け入れたほうがいいかも知れない。
かつて紹介したアメリカのCHRIS NEVILLEの"LOOK, STOP & LISTEN"(JAZZ批評 279.)が爽やかなノリのジャズでビールが似合ったのに対して、こちらはフランスらしく、しっとりとした哀感を伴ったノリの演奏である。窓外の枯葉を見ながら、あるいは本でも読みながら、ついでにワインでも傾けたらぴったりと嵌りそうだ。

@"SECRET LOVE" リズム陣の軽快なリズムに乗ってピアノがシングルトーンを重ねていく。
A"THE MORE I SEE YOU" ここでも快い4ビートが積み重ねられていく。
B"WHISPER NOT" 
C"SI DOUCE" 
D"NO BASS" 
E"N'OUBLIE PAS" 
F"INVENTION n#4 / aBachadabra" 
G"BLUES FOR JEZEBEL" 
H"LE THEME DE CAMILLE" 
I"FLY ME TO THE MOON" 
J"COME CLOSER" 
K"HANK'S MOOD"
 
L"TENDERLY" 
M"JUNE IN PARIS" 
N"N'PUBLIE PAS (take 2)" 

全曲、快いスイング感に溢れている。たまには、気分転換に理屈抜きで楽しめるこういうアルバムも良いだろう。   (2005.10.10)


独断的JAZZ批評 300.