HAKAN RYDIN
甘く優しく、耳あたりはいいが・・・
BGMにどうぞ!
"TENDER SILHOUETTE"
HAKAN RYDIN(p), HANS ANDERSSON(b), MARGAN HOGLUND(ds)
2003年11月 スタジオ録音 (MARSHMALLOW RECORDS MMEX-105) 

話は本題からずれるが、4月21日の発売と同時にソニーの携帯デジタル・オーディオを買った。NW-E407という1GBモデルで、今はこれを通勤の電車の中で聴いている。これはなかなかの優れもので、今や欠かせない通勤ツールとなった。今、巷ではiPodブームだ。僕もそれなりに研究してみたが、iPodでは重過ぎるし、iPod シャッフルではディスプレイがないのでNG。で、検討した結果、NW-E407が最適という結論になった。
何がいいかと言えば
@100円ライターのサイズで重さが僅か50g。このサイズにCD46枚分が収録できる。僕の場合はATRAC3の転送レートを132kbpsにしているので17枚くらいだろうか。
A有機ELのディスプレイが付いているのでアルバム・タイトルや曲名まで確認できる。
B操作が簡単で胸ポケットに入れていても見ないで操作できる。
Cパソコンでの編集が簡単。余程の新譜か、マイナーなCDでない限り、ジャズのCDでもネットからCD情報を取り込んでくれるのでいちいち曲名などをキーボードで打ち込む必要がない。これは便利!
Dフル充電で50時間持つらしい。急速充電もあり3分充電、3時間再生も可能だ。
というような具合で、別にソニーの宣伝をするつもりはないが、音楽好きには願ってもないツールと思ったので紹介したみた。因みに、僕はイヤホンを付属のものではなく、インナーイヤー・タイプのものを別途購入し使用している。これだと駅や電車の中などの騒音が大きい場所でも比較的良好に音楽を聴くことが出来る。逆に言うと耳栓をしているようなものだから家では止めた方がいい。間違いなく、夫婦喧嘩の種になる!

これによってJAZZを聴いてる時間が更に増えた。今までは、家の中と自動車の中という空間だけだったが、更に、通勤途中とか歩行中という屋外でのリッスン・タイムが加わった。
CD17枚を常に持ち歩いているのと同じだから、詰まらないCDは直ぐ、別のCDを聴いてしまうという弊害もある。尤も、詰まらないCDを後生大事に無理して聴く必要もないわけだけど・・・。

@"AMERICA SONG" このCDの中で一番ジャズ・フィーリングを湛えた佳曲。これは良いと思う。
A"I DIDN'T KNOW WHAT TIME IT WAS" 
B"SILHOUETTE" 
C"DREAMER" 
D"LOVE LETTERS" 
実に軽い。JAZZ批評 49.のKENNY DREW TRIOと比べるまでもない。
E"ALLT UNDER HIMMELENS FASTE" 
F"BIG LITTLE GIRL" 
G"FROM FOREIGN COUNTRIES" 
H"STICKS" 
I"ALONZO AND IMOGENE" 
J"HAUNTED HEART" 
Dと同様にこれも軽いノリだ。

率直に言うと、この手のジャズは2〜3回聴くと飽きる。甘く優しく、耳あたりは良いけど、効果的な不協和音が少ないから協和音が生きてこない。従って、奥行きと深みがない。「清く、正しく、美しく」だけでは物足りない。「清濁併せ呑む」度量が必要だ。
更に、スティックを持つと無粋なドラマーと腰の引けたベースとの相性も決していいとは言えない。
事実、通勤途中では何回も"BLUE TRAIN"(JAZZ批評 267.)や"GLEDA"(JAZZ批評 264.)にスイッチを切り替えたものだ。この手のジャズはBGMとしてなら使えると思うが、残念ながら、根を詰めて聴くほどのものではない。
MARSHMALLOW RECORDSのHPによればこのHAKAN RYDINというピアニストはJAN LUNDGRENの師匠だという。だとすれば、JAN LUNDGRE(INDEX)は今や師匠を完全に、しかも、完膚なきまでに超えている  (2005.05.21)



独断的JAZZ批評 271.