KEITH JARRETT
スピーカら流れ出た幸せの空気が
すっぽりと身体全体を包み込む・・・
そんな、感じ
"THE OUT-OF-TOWNERS"
KEITH JARRETT(p), GARY PEACOCK(b), JACK DeJOHNETTE(ds)
2001年7月 ライヴ録音 (ECM 1900 9819610) 
                    
このCDをトレイに入れた瞬間から、スピーカら流れ出た幸せの空気がすっぽりと身体全体を包み込む・・・そんな、感じ。
KEITHの音楽はジックリと耳を傾けてもらえば、それが一番だ。・・・・・・・

@"INTRO〜I CAN'T BELIEVE THAT YOU'RE IN LOVE WITH ME" 
耳が、身体が喜んでいる。
A"YOU'VE CHANGED" 
バラードが徐々にインテンポになっていく、その様が良い。気がつくといつの間にか、指が鳴っている。
B"I LOVE YOU" 
COLE PORTERの名曲。DeJOHNETTの繊細にして豪胆なドラミングが堪能できる。思わず唸ってしまう。

C"THE OUT-OF-TOWNERS" 
実にスリリングなKEITHの書いたブルース。
D"FIVE BROTHERS" 
GERRY MULLIGANの明るい佳曲。4ビートが心地よい。
E"IT'S ALL IN THE GAME"
 この上もなく美しいピアノ・ソロ。幸せの空気が雲に乗ったような気分にさせてくれる。

僕の評価基準は「美しさ」「躍動感」「緊迫感」と今まで言ってきたが、最近、少し心変わりがしている。「緊迫感」「緊張感」というよりも、むしろ「緊密感」「一体感」といったほうが適切だろうか。これを機会に後者に変更したいと思う。ここ何作かを聴きながら、そんな想いを持っていた。そして、このアルバムを聴き、そう表現した方がより適切であると思った。
実は、「manaの厳選"PIANO & α"」に掲載したJAZZ批評 204.あたりから意識して「緊密感」を使い始めたのだが、お気づきの方はいらっしゃるだろうか?

いずれにしても、このアルバムの「緊密感」溢れる素晴らしさは貴方自身の耳で聴いていただくしかない。ライヴでありながらもバランスの良い録音であることも見逃せない。人を幸せな気持ちにさせるこの素晴らしい音楽をたっぷりと、どうぞ!
勿論、「manaの厳選"PIANO & α"」に追加した。 (2004.08.29)



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独断的JAZZ批評 217.