"CONCLUSION"
JAN LUNDGREN(p), JESPER LUNDGAARD(b), ALEX RIEL(ds)
1994年5、6月 スタジオ録音 (P.J.L MTCJ-5005)
4つ★以下のアルバムが続くと流石に良いアルバムを聴きたくなるものだ。いつもいつも、良いCDにめぐり合えるとはいかないもので、ここにアルバム・レビューの苦労もあるというものだ。
このCDは最初の数小節でアルバム全体の評価が推測できた。5つ★、間違い無しと直感した。
このJAN LUNDGRENというピアニストは北欧、スウェーデンのピアニストにありがちな甘さのみの演奏とは無縁で、躍動感のあるハード・バップ志向のピアノを弾く。2003年録音の"BLUE
LIGHTS"(JAZZ批評 152.)もなかなか良いアルバムだった。メンバーはどちらも全く一緒。ベースのJESPER
LUNDGAARDもドラムスのALEX RIELも堅実なプレイと一体感で申し分のない演奏を披露している。
@"OLIVIA" 最初のイントロ、8小節を聴いただけで、これはGOOD!と唸ってしまった。トリオとしての一体感、バランスのよさが快いスウィング感を創り出している。8+32=40小節の構成になっている。
A"CONCLUSION" 甘いマスクとは似つかわしくないハード・ドライブのオリジナル。タッチが強くてガッツ溢れるプレイが堪能できる。RIELのスティックによるドラム・ソロも良い。
B"MY IDEAL" 名曲をしっとりと歌う。ベースのソロも素晴らしい!ビートがあるし躍動感もある。ベース・ソロはこうありたい。ピアノのアドリブもおしゃれで良い。こういうの聴いていると心がホンワカしてくるなあ。
C"FLIP TOP GIRL" LUNDGRENのブルージーなオリジナル。
D"OLEO" SONNY ROLLINSの名曲。アップ・テンポで軽快にスウィング。RIELのブラッシュ・ワークが見事。
E"SHORT LIFE" LUNDGRENのオリジナル。コンポーザとしての才能も豊かだ。
F"PMS" ベースの刻む4ビート、それだけで躍動感が湧いてくる。
G"SO NICE" 良いねえ!こういうの聴いていると必ずアルコールが欲しくなる。そういう時は、美味いだなあ、これが!
H"THERE IS NO GREATER LOVE" 更に、美味くする1曲。
I"I SEE YOUR FACE BEFORE ME" この美しいバラードも良い!お洒落!バラードであっても指を鳴らしたくなる。スローなのにそういう躍動感があるんだよね。
J"TEMPTATION"
ピアノ・トリオは3者の技量が拮抗していて一体感があれば、こんなにも素晴らしいアルバムになるということを証明してみせた1枚。文句なく、良い!!!
聴く人を幸せな気分にしてくれるお奨めの1枚。
「manaの厳選"PIANO & α"」に追加した。ああ、溜飲が下がった。フーッ!! (2003.03.14)
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