スタンダード作品集というノリで、
聞きやすいけど深みがない・・・・そういう印象
"INVITATION"
DON FRIEDMAN(p), GEORGE MRAZ(b), RONNIE BEDFORD(ds)
1978年スタジオ録音(PROGRESSIVE PCD-7043)

僕の愛聴盤"LATER CIRCLE"(JAZZ批評 85.)と同じ年の1978年の録音。遅れること6ヵ月後の8月に録音されている。メンバーは全く同じ。
実はこのCDをHMVのネットショッピングで見つけ、申し込んでから2ヵ月も待たされた曰く付のCD。その間に、友人は中古でゲットしていた。トホホ・・・。

時期も近いしメンバーも同じだし内容もイケルかなと思ったが、ちょっと思惑と外れた。言ってみれば、スタンダード作品集というノリで、聞きやすいけど深みがない。そういう印象。GEORGE MRAZというFRIEDMANと相性ピッタシのベーシストがここでも参加しているのにも拘わらず、その出来映えの深さで"LATER CIRCLE"には及ばない。スリリングでゾクゾクするような緊張感が希薄だし、サラーッと流した通り一遍のスタンダード作品集という感じだ。そうは言っても、名手MRAZとのコンビなので平均点以上の作品には仕上がっている。そう、楽しく明るくやってみましたという感じ。

因みに、登場するスタンダード・ナンバーは
@"YOU STEPPED OUT OF A DREAM"、
A"GONE WITH THE WIND"、
B"LITTLE BOAT"、
C"YOU GO TO MY HEAD"、
D"INVITATION"、
E"IT COULD HAPPEN TO YOU"、
F"I CAN'T GET STARTED"、
G"WHAT IS THIS THING CALLED LOVE"。
その他にB、C、D、E、Gのそれぞれ別テイクが収録されている。

良く言えばリラックスしたスタンダード曲集なのだが、この名コンビがやって欲しい音楽ではないというのが僕の感想。"LATER CIRCLE"という名盤があるだけに余計にそういう意を強くする。
全部で13曲というと1曲あたり4〜5分の演奏が多くなる。これも食い足りなさを感じさせるもうひとつの要因だ。
更に、言っちゃあ悪いが、FRIEDMANのどアップ写真のジャケットも最悪。これでは、ジャケットからいい音楽が聞こえてこないし、購入意欲を殺いでしまう。

10日後の1月22日にはドラムスをLEWIS NASHに代えた新譜が発売される由。期待したい。FRIEDMAN/MRAZコンビのファンとしては直ぐに買って批評に加えたいと思う。   (2003.01.11)


DON FRIEDMAN

独断的JAZZ批評 117.