独断的JAZZ批評 951.

GIANLUCA LUSI
LUSIを除いたピアノトリオで一度聴いてみたいものだ
"NEVER FAULT BEHIND THE SCENES"
GIANLUCA LUSI(saxes, bass clarinet), ANDREA REA(p),
REUBEN ROGERS(b), GREGORY HUTCHINSON(ds)
2015年2月 スタジオ録音 (TOSKY : TSK014)


マルチリード奏者・GIANLUCA LUSIを初めて聴いたのは2012年録音のJOEL HOLMES(p)とのデュオ・アルバムだ。これはなかなかの優れもので、特に、ピアノのJOEL MOLMESは強い印象を残してくれたものだ。その後、JOEL MOLMESの"ETERNAL VISION"(JAZZ批評 790.)をゲット。生きが良くて弾力性のある演奏を堪能させてもらったものだ。
本アルバムではサイドメンに豪華メンバーがズラリ!ANDREA REAはLUSIと同じくイタリアの出身だ。ROGERSとHUTCHINSONはアメリカを代表する引く手あまたのプレイヤーだ。イタリアとアメリカのジャズの融合がどんなサウンドをもたらしてくれるのだろうか?
因みに全曲、LISIのオリジナルだ。

@"OCTOBER 10TH" 小気味の良いHUTCHINSONのリズムに乗って気持ち良く4者が合流する。ここではLISIはテナーを吹いているようだ。REAのピアノはキレがあってとてもいいね。ドラムス〜ベースと各自がソロを執って終わる。
A"OUT OF MY LIPS" 
軽快なアップテンポで始まる。伸びやかなアルトの音色だ。バッキングのピアノが冴えているね。これは楽しみなピアニストだ。
B"A REMEMBER THREE THINGS" 
バラードだけど、アルトによる咆哮もアクセントになっている。バラードではREAのピアノが瑞々しさが余計に引き立つ。続く、ROGERSのベース・ソロは重低温を中心に良く歌っている。
C"BAVIN" 
REAのピアノはタッチが綺麗だ。これって、大きな武器になり得るね。
D"ISN'T A NEW DAY" 
一気呵成にアップ・テンポの4ビートを刻む。ここでは咆哮型演奏スタイルになっている。あまりしつこいといい加減にしてくれよという気分になってくる。続く、REAによるトリオ演奏は躍動感満載でこれは良いね。
E"ANOTHER NOTE" 
F"ONE FOR SYLVIE" 
美しくも哀愁を帯びたバラード。アルトが泣いている。続く、ROGERSの太いベース音が華を添えている。堪らんなあ!
G"MOTHER" 
豊かなピアノの音像に比べて、主役のアルトのバランスが少し悪いと思う。もっと、全面出てきてほしかった。
H"NEVER FAULT BEHIND THE SCENES"
 バス・クラリネットとドラムスのデュオ。デュオであるので、方向としてはアブストラクト。
 
LUSIはテナー、アルトサックスのほかにバス・ラリネットまで手掛けている。あまり、山っ気は出さずにアルトに徹する方が良いのではないか?流れるようなフレージングは少なく、断片的な演奏となっているのも残念なところだ。
サイドメンは申し分ないね。キレのあるHUTCHINSONのドラミング、ビートの強いROGERS、そして、全編にわたりキレと豊かな表現力で迫るREAのプレイは特筆に値するだろう。
本音で言うと、LUSIを除いたピアノトリオで一度聴いてみたいものだと思った。   (2015.08.08)

試聴サイト:https://www.youtube.com/watch?v=zUFSEvdr7IQ



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