独断的JAZZ批評 919.

TADATAKA UNNO
何気に、普通に、楽しくて、素晴らしいのだ!
"JOURNEYER"
海野雅威(p), HASSAN J.J. SHAKUR(b), JEROME JENNINGS, (ds)
2014年5月 スタジオ録音 (自主制作盤?)

海野雅威トリオを青山の"BODY AND SOUL"で聴いたのは4年前の日本凱旋ツアーの時で、メンバーはSHAKUR(b)とドラムスは御大・JIMMY COBBだった。その翌年には"TADATAKA UNNO PLAYS JAZZ STANDARDS"(JAZZ批評 734.)の発売記念ツアーでピアノ・ソロを池袋のAPPLE JUMPで聴いた。
今や、海外で活躍する日本人NO.1ピアニストと言っても過言ではないだろう。この人、かのHANK JONESの最期を看取ったピアニストということで、如何にHANKの信頼を得ていたかが分かろうというものだ。

@"PICK OFF MOVE" これこれ!アメリカのジャズだよね。アドリブは12小節のブルース。3者のバランスも良くて、指でも鳴らせば最高だ。
A"CRAZY LOVE" 
やはり、良いトリオというのは3者のバランスが良くて緊密感や一体感がある。
B"HAVE YOU MET MISS JONES?" 
ジャズマンが良く取り上げるRICHARD RODGERSの曲。兎に角、楽しげで和む。しかめっ面ばかりがジャズではない。
C"WHILE YOU WERE OUT" 
海野のオリジナル。優しい人となりを想像させる佳曲。遊び心に溢れるSHAKURのベース・ソロも素敵だ。
D"LULLABY OF THE LEAVES" 
邦題「木の葉の子守歌」 ミディアム・テンポで心地良くスイング。ジャズのど真ん中!。
E"SOME OTHER SUITE" 
これも海野のオリジナル。どこかで聞いたことがあるようなボサノバ・タッチの軽快な曲だ。JENNINGSのブラシ捌きも軽快だ。
F"THE MAGIC DOESN'T JUST HAPPEN" 
海野のオリジナルはどれも質が高い。初めて聴く曲とは思えない耳馴染みの良さを感じる。
G"ISN'T THIS GATE WORKING?" 
海野のオリジナル。アーシーな曲だ。こういう曲を書けるようになったのは魂もアメリカ人になったのかもしれない。アドリブではブルース進行で4コーラスのベース・ソロと12小節のドラム交換が用意されている。
H"SONG FOR THE SPIRITUAL JOURNEYER" 
ピアノ・ソロ。このしっとり感、堪らんなあ!そう言えば、先に書いた"TADATAKA UNNO PLAYS JAZZ STANDARDS"(JAZZ批評 734.)の第2集を期待しているんだけどまだかなあ?
I"COME SUNDAY" 
D. ELLINGTONの書いた佳曲。通常はバラード演奏が多いけど、ここでは8ビートで演奏されている。斬新だ。
 
最近の演奏はアメリカ武者修行の効果か、余裕があって、遊び心に溢れている。何よりもプレイを楽しんでいるその様がひとつひとつの演奏から滲み出ている。
加えて、海野の書いたオリジナル曲が実にいい。
ジャズの王道をぶれないでまっしぐらに突き進むその姿勢が素敵だということで、「manaの厳選"PIANO & α"」に追加した。  (2015.02.06)

試聴サイト:なし

購入サイト:https://www.facebook.com/tadatakaunnojazz
       
限定発売CDなので入手したい方は上記で確認ください。



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