独断的JAZZ批評 859.

VADIM NESELOVSKYI
クラシックとジャズの融合は図れたか?
"MUSIC FOR SEPTEMBER"
VADIM NESELOVSKYI(p) 
2011年9月 スタジオ録音 (SUNNYSIDE : SSC 1342)

VADIM NESELOVSKYIは初めて聴く。ウクライナ出身の、今、話題のピアニストだ。PAT METHENYやGARY BURTONが注目し、BURTONのアルバム2枚にも参加している。
つい先日も来日し、東京のCOTTON CLUBでソロを披露している。
本アルバムはNESELOVSKYIのワールド・ワイド・デビュー作にあたり、ピアニストのFRED HERSCH(JAZZ批評 777.)が数年にわたりサポートし、自らがプロデュースしたという。
選曲もオリジナル3曲、有名スタンダード
3曲、クラシック3曲、カバー曲1曲とバラエティに富んでいる。

@"SPRING SONG" 
このピアニストのプレイにはジャズ臭さをあまり感じないが、こういうオリジナルが一番自分らしさが出ているのではないだろうか?
A"MAZURKA OP.67 NO.4" ショパンの曲らしい。クラッシクに縁のない僕でもショパンの曲かなということぐらいは感じた。まさに、クラッシク。
B"ALL THE THINGS YOU ARE" 3曲のスタンダードの中で一番ジャズ・フィーリングに溢れた演奏。本アルバムの中ではこの演奏が一番好きかな。ピアノから弾き出された音の数々が紙吹雪のように舞っている。
C"SINFONIA NO. 11 IN G MINOR BWV 797" 調べたら、バッハの曲らしい。これもクラッシク。ジャズっぽさはまるでない。
D"BIRDLIKE" 
FREDDIE HUBBARDの曲。ちょっと剽軽な感じで躍動感に溢れジャズっぽい。
E"BODY AND SOUL" 丁寧にテーマをシングル・トーンで紡いでいく。左手の和音が合流するが、決して弾き過ぎにならないのがいいね。美しい演奏だ。
F"SAN FELIO" 
G"MY ROMANCE" リハーモナイズしているが、原曲の美しさを少々損ねているアレンジだ。クラシカルなニュアンスも残した演奏だ。
H"ANDANTINO IN MODO DE CANZONA" おおっ!遂にというべきか、とうとうというべきか、歌まで歌いだしてしまった。カンツォーネとあるから歌曲で良いのだろう。
I"EPILOGUE" 
1分強のエンディング。

変な言い方だが、達者なピアニストである。クラッシクの薫陶を受けているのでプレイは上手い。才能豊かなピアニストであると思う。
故に、クラシックもやりたいし、ジャズもやりたい。ついでに、クラッシクとジャズの融合も図りたい・・・そんな欲張りなアルバムかもしれない。
どうだろう?大手を振ってジャズ・ファンにお勧めして良いのだろうか?あるいは、クラッシク・ファンにお勧めしていいのだろうか?悩ましいアルバムではある。
率直に言うと、僕はジャズ・ファンにお勧めしようという気にはならない・・・。   (2014.03.12)

参考サイト : 
http://www.youtube.com/watch?v=uTOnf3H25WE
          http://www.youtube.com/watch?v=tNpODL8cYR4



.