独断的JAZZ批評 858.

CATHERINE & WIND
どちらも素晴らしい演奏であることに間違いはない
"NEW FOLKS"
PHILIP CATHERINE(g), MARTIN WIND(b)
2013年4月 スタジオ録音 (ACT : 9621-2)

前掲に続いて、今回もギターとベースのデュオ。しかも、ベースは同じMARTIN WIND。本アルバムのギターリストはベルギーの大御所的存在のPHILIP CATHERINE。1942年生まれというから71歳になる。
幅広い選曲となっている。CATHERINEのオリジナルが
4曲、WINDのオリジナルが2曲。そのほかにスタンダードやカバー曲がいい塩梅に配置されている。

@"OLD FOLKS" この曲もミュージシャンが好んで取り上げるスタンダード。しっとり系のバラード。スタジオ録音なのでベースの音色が生々しい。
A"FRIED BANANAS" 
DEXTER GORDONの曲が取り上げられているのは渋いなあ!ベースが図太い4ビートを刻みだすとギターが鼻歌交じりにスイングし始める。CATHERINEの音色は少し金属的な音色だ。
B"HELLO GEORGE" いい曲だ。カラッと爽やか。
C"BLUES IN THE CLOSET" 
前掲のアルバムでも取り上げられていた。WINDの選曲かな?ギターの音色がブルージーというかファンキーというか・・・!71歳とは思えない若々しい演奏だ。
D"HOW DEEP IS THE OCEAN" 
スタンダードの名曲もふたりの手に掛かれば心地よいスイング感に溢れている。
E"JENNY WREN" 
PAUL McCARTNEYのナンバーがさりげなく挿入されているのもいいね。
F"SONG FOR D" 
G"SUBLIME" 
H. JONESの曲。WINDがテーマをハイトーンで奏でる。確かな音程はクラッシクの薫陶の賜物だろう。アルコも美しい。
H"PIVOINE" 
I"L'ETERNEL DESIR" ギターの音色にピタリと嵌った爽やかなワルツ。
J"STANDING AT THE WINDOW WAVING GOODBYE" 
K"TOSCANE" 
L"WINTER MOON" 
なんと美しいアルコ奏法だろう!その後に続く4ビートも躍動感に満ちたものだ。

前掲のULF MEYERのデュオとの違いというと、MEYERの方はライヴ録音で、ギターの音色は柔らかな音色で演奏曲目がバラエティに富んでいた。対して、本アルバムのCATHERINEの方はスタジオ録音で音色は少し金属的なもので、曲数も13曲と多くオリジナルが5曲ほど含まれている。
どちらを選ぶかは好み次第だが、どちらも素晴らしい演奏であることに間違いはない。
敢えて言うなら、僕はMEYERとWINDのデュオが好きだ。親しみのある名曲揃いというのも良かった。   (2014.03.08)



試聴サイト : http://www.jpc.de/jpcng/jazz/detail/-/art/P-Catherine-M-Wind-New-Folks/hnum/3832926
         http://www.philipcatherine.com/pages/english/cd/2/new_folks.html

.

.