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『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』 | |||||
監督 上田慎一郎 | |||||
ヤマのMixi日記 2024年12月18日21:16 え? なんで? と、釈然としない部分もあったけれども、なかなか面白かった。ピュアさと翳りを湛えた天才詐欺師のマコトを演じた岡田将生は、なかなか凄いなぁ。『重力ピエロ』['09]のときの奥野春を彷彿させるような人物像だったが、十五年前の作品だよ、あれ(驚)。 八木警部(皆川猿時)のところをどう観るかだなぁ。それはそれとして、リモコンが壊れた状態で熊沢(内野聖陽)が難しいショットを決める場面の幸運と、地主の孫娘に扮した美来(森川葵)が写真による試しを躱す場面の対照がなかなか効いていて、美来の場合は運の強さではなかったところにやられたと思った。 *【コメント談義】2024年12月18日 22:46~12月23日 22:37 ヤマ(管理人) ケイケイさん、映画日記拝読。七人目の詐欺師、取って付けた感、ありましたか? めっちゃ重要な役処でしたやんか。一年半前から潜入してたわけやから。美来の場合は運の強さではなかったところに僕はやられたと思ったのですが、そこに繋がる重要な役割を果たしていたわけやし。 それより僕がちょっと引っ掛かったのが八木警部(皆川猿時)のポジション。どこから加担し始めたのだと受け取りました? 映画の最後に、何?マコトは受刑していたのではなくて面会に行ってただけやったのか!と「騙されたぁ」と唸ったんやけど、そんなら、なんで…との釈然としないものも湧いたのでした。 (ケイケイさん) ヤマさん、今テレビで『トラベルナース』観ています。現在佳境(笑)。岡田くん、熱演中です。本当に成長してますよね。顔面に演技が追い付いております(笑)。 >ところで、七人目の詐欺師、取って付けた感、ありましたか? めっちゃ重要な役処でしたやんか。 あそこは、司法書士ではなく、当初から弁護士で良かったと思いますよ。なら、伏線になりますし。それなら文句ないな。マコトを観て、「まぁイケメン!お母様は女優さん?」と言っていたなと、後でニヤニヤしておりました(笑)。 重要な役割って、どんなところが? 見逃しています。 ラストの無音は、私も一瞬、これは夢なのかと感じました。彼は、あの老人施設で死んだと思いましたし(原作はそうらしいです)。三人の殺人刑の再審が、あんなに早いわけないとも思いましたし。でもヤマさんと同じで、無罪を勝ち取ったと素直に取る方が、私自身が嬉しいですからね。 ヤマ(管理人) 重要な役割というのは、司法書士が写真を並べて本当に孫なのかどうかを試す場面のこと。一味だからこそ、一枚混じっている筈の偽写真を当てさせる仕掛けで橘を騙せるわけで、美来が正答を返せたのは熊沢のラッキーショットとは違って、まさに出来レースだったからだよね。前もって示し合わせてたんだなぁと。 (ケイケイさん) えぇぇぇ!そうだったの?! 私は動物的な勘が動いたと思ったけどなぁ。神野三鈴が、教えていたって事? ヤマ(管理人) だって、一年半前から潜入してた7人目の詐欺師なんだから、それこそ、そこんとこが役割だったわけでしょ。 (ケイケイさん) 神野三鈴を観た時、彼女びっくりしていませんでしたか? ヤマ(管理人) そこが元女優の女優たるゆえんだし、チームマコトのエースじゃありませんか(笑)。 (ケイケイさん) あそこは女優じゃなくて、詐欺師のびっくりなんじゃないですか?(笑)。 ヤマ(管理人) もっとも僕も7番目の詐欺師の正体が明かされるまで、熊沢のスーパーショットと同じく“強運(動物的勘)”だと思ってたけど(たは)。でも、あ、そういうことだったのか!ってね。だから、場面の対照がなかなか効いていると思った。 (ケイケイさん) >それより僕がちょっと引っ掛かったのが八木警部(皆川猿時)のポジション。どこから加担し始めたのだと受け取りました? 熊沢とマコトが繋がっていたのを知った直後。すごく怒っていたでしょう? 詐欺は止めろって。あそこは作り手のミスリードだったんだなぁと思いました。 >映画の最後に、何?マコトは受刑していたのではなくて面会に行ってただけやったのか!と「騙されたぁ」と唸ったんやけど、そんなら、なんで…との釈然としないものも湧いた…。 ここも受け取りが違うなぁ(笑)。マコトもお父さんも受刑していたと思いました。先に橘に嵌められた父が収監され、その後、父の汚名を晴らすべくした事が元で、マコトが収監。マコトが先に出所、その後、収監中の父親に面会に行ったと思っていました。ヤマさんはどの辺で、マコトの受刑はなかったと思いましたか? ヤマ(管理人) 八木警部が「詐欺は止めろ」って言ったとき、今ならまだ引き返せるとも言ってたけど、既に加担していてこの台詞はないだろうってことからすれば、おっしゃるように「熊沢とマコトが繋がっていたのを知った直後」ってことになるよね。でも、僕は最後のネタ明かしの説明場面で、マコトが母親のことを(夫が)出所してくるまで会わないと決めているというようなことを言ってたから、あの最初のマコトの出所だと思わせた場面は、ただの面会からの帰りだったのかと、してやられたなと思ったのよね。 (ケイケイさん) 美来がマコトを迎えにきて、お帰りといっていませんでしたか? ヤマ(管理人) 最初のバイクでの迎えの場面でヘルメット、脱いでた? (ケイケイさん) うん、私はそういう記憶があります。でも一か月前なんて、もう自信がないわ(アハ!)。もう最近は全然短期記憶に自信がないですよ。今まで散々8歳上の夫をバカにしていましたが、ついに私も来ております。ここは八木さんかお茶屋さんにお尋ねしたいですね。 ヤマ(管理人) 僕は、最後の場面で、あのとき迎えに来てたのは三鈴ママで実は出所ではなく、面会だったのか~と感心させられたんだよね。お帰りなさいは、単なるお帰りなさいだったんやなぁと。 (ケイケイさん) 三鈴ママが夫と会わなかったのは、冒頭じゃなくて、面会を終えたマコトを迎えに来たバイク女性、あれが美来と思わせて、三鈴ママでしょう? この時で表しているんじゃないですか? それでラストのバイク姿で種明かしだと思いました。 ヤマ(管理人) 天才詐欺師マコトの出所ではなかったのなら、途中で出てきた面会シーンでガラス板を挟んで向き合っていた二人の受刑者と面会者の立場は逆だったのかと感心し、それならマコトが刑務所から出てきたときに不意に襲われるのを察知してうまく躱した場面も納得できるし、天才詐欺師という触れ込みが生きてくると思ったわけ。 (ケイケイさん) これはお父さんとの面会シーンですよね? ヤマ(管理人) うん。その時点では、まだお父さんだと判らなかったけど。 (ケイケイさん) 私は冒頭でマコトは出所。以降はムショ暮しのお父さんのところへ、マコトが面会に行っていると思っていました。ヤマさん説では、マコトが受刑者で、お父さんが面会って事? ヤマ(管理人) 観客にそう思わせておいて、実は逆だったってことに最後に気付かせる技が見事やったというのが僕の説。 (ケイケイさん) ようわからん(笑)。もう少し解説希望です(お願い)。 ヤマ(管理人) マエの付いてる天才詐欺師より、前科など付いてないほうがまさに天才らしくていいじゃない(笑)。 (ケイケイさん) うん、それには賛成(笑)。 ヤマ(管理人) でしょ? そんなら…(笑) (ケイケイさん) でもムショ暮しって、いろいろ入れ知恵もあるって言うじゃないですか。腕に磨きがかかったかもしれません(笑)。 ヤマ(管理人) 刑期を終えて娑婆に出て来て直ちにあれだけのチームが組めるってことでの天才よりも、熊沢を引き入れて橘の隙を突くべく、ムショにも入らずに準備していたと解するほうが納得感があるもん。で、そうなると、熊沢がマコトの仕掛けに嵌められた際に、彼にマコトが詐欺師で刑期を終えて出所したばかりであることのみならず住所まで教えた八木警部は、その時点で既に一味でないとおかしいし、出所した早々から住所まで簡単に警察に押さえられている天才詐欺師ってことよりは、ハナから八木警部が加担していたと解するほうが納得感があったわけ。 (ケイケイさん) これはヤマさん説が当たっていそう。だいたい、何であんなに熊沢の個人情報を知っていたのか、そこは謎でした。幼馴染で警部の八木が、当初から仲間なら、これは簡単ですよね。 ヤマ(管理人) でしょ? そんなら…(笑) (ケイケイさん) それとこれとは別です(笑)。 ヤマ(管理人) でもね、そうすると、なんで八木警部は、熊沢に止めろなどと言うのかが分からなくなる。マコトの計略は税務吏員の熊沢抜きでは成立しないわけだからね。まぁ、止めても止まらないことを見越して八木警部が言ったのだとしても、何故そうする必要があるのかが腑に落ちない。だから、モヤモヤッと来たんよ。 (ケイケイさん) 不首尾だと、二人とも身の破滅ですよね。止まらぬことを見越してというより、破滅しても悔いはないか?と、反芻させていたんじゃないですか? 自分にも言い聞かせていたと思います、警部。 ヤマ(管理人) 覚悟のほどを試していたと? 八木警部のキャラじゃない気がするなぁ。 (ケイケイさん) 話し変わるけど、皆川猿時、すごく素敵だったですよー。コミカルな役より、こういう真面目で貫禄のある役が、似合う気がしました。 ヤマ(管理人) いい味出してたね~。それには賛成(笑)。 (ケイケイさん) ヤマさんは八木警部のキャラは、どういう風に観ていますか? 私は義理人情や友情に厚い人で、職務には忠実なれど冷徹にはなれない人情家、てな感じかな? リアルの警部は絶対しない事ですが、映画だから、悪人懲らしめるために許して、的な人です(笑)。 ヤマ(管理人) 八木警部のキャラについては、ケイケイさんの見立てと同じよん。そんな彼が、妙に手の込んだ試しとかする?(笑) (ケイケイさん) う~ん、自分はパクられるの上等だけど、親友には罪を犯して欲しくない、とか? だから、あの警告、かな? いや違うかな(笑)。「公務員」の悲哀は、八木警部も少なからずあったでしょうね。 ヤマ(管理人) 警察署長が橘に取り込まれてることを八木警部がぼやいてたもんねぇ、熊沢んとこの税務署長もそうだったように。 (ケイケイさん) そう!上司に不満は、公務員に限らず、サラリーマンには付き物ですよね。今は私も解放されましたが、この作品を観て、過去の思い出が去来し、スカッとしました! | |||||
編集採録 by ヤマ '24.12.18. あたご劇場 | |||||
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