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『ゴジラxコング 新たなる帝国』(Godzilla x Kong: The New Empire) | |||||
監督 アダム・ウィンガード | |||||
もうロートル映画愛好家には、今どきのエンタメ作品の画面の過剰さがむつこくて、目が受け付けなくなっているのかもしれないなどと思ったのは、前々日に『猿の惑星』のリブート三部作を継いだ新シリーズ第一作『猿の惑星/キングダム』を観て撃沈したばかりだからかもしれない。 ジャンルは違うけれども何だか遠い昔に洋ピンを観て、凄いなぁとそのパワフルで雄々しい見せ場の肢体にも行為にも声にも圧倒されながらも、観ているうちに次第に倦んでいったのと近いような感覚を味わった。とにかくのべつ幕なしにコングもゴジラもやりまくっていて疲れてくる。怪獣アクションの醍醐味は、こういうことじゃない気がしてならなかった。 もう少し勿体をつけるというか、見えそうで見えない抑制の末の開陳があっての見せ場というのが、怪獣映画であれ、成人映画であれ、和ものの真骨頂で、そこが好いのだとの感が拭えない。もっとも和ものであっても、アダルトビデオなる身も蓋もないものに目を奪われたことでかなり変質したように感じる部分は、和もの怪獣映画でもVFXといった視覚効果技術が観る者の目を奪っていったことによって、同じように目に余るものになってきているような気がする。 怪獣映画ではないが、『キングダム』の第二作以降や『ゴールデンカムイ』などにも、まるで食指が動かなくなってしまった。老兵は去るのみというのがこのジャンルにおける近頃の僕の心境だと改めて思った。 すると映友が「流石のヤマさん。言い得て妙。」とのコメントを寄せてくれたのだが、果たしてこれは褒められたのだろうか。だが、率直なところ「こりゃ洋ピンみたいだなぁ」と思ったのである。歳の知れるところかもしれない。ゴジラがどこか守護神化してきているのは、God を冠しているからのみならず、かつて本家の我が国でも辿ってきた道だから驚くまでもなかったが、モスラの毳毳しくバタ臭いデザインにはげんなりした。 推薦テクスト:「お楽しみは映画 から」より http://takatonbinosu.cocolog-nifty.com/blog/2024/04/post-664cd1.html | |||||
by ヤマ '24. 5.19. TOHOシネマズ8 | |||||
ご意見ご感想お待ちしています。 ― ヤマ ―
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