『荒野のストレンジャー』(High Plains Drifter)['72]
監督 クリント・イーストウッド

ヤマのFacebookタイムライン記事 2022年04月14日21:17

 拍車の音を響かせて馬に跨った流れ者(クリント・イーストウッド)がラーゴの町に入る前に通りかかった墓地の、まだ新しい墓標に記されていた文字が1882年没だったから、19世紀末の話としたものだろうが、登場人物たちのキャラクターや振る舞いのみならず、物語そのものも妙に釈然としないヘンな映画だった。早々に棺桶屋が登場したのに、なんで“用心棒”との邦題が付いていないの?とか思ったが、何のことはない、やはり用心棒ものだったのが可笑しかった。

 画面の寡黙と濃い顔のクローズアップが押し出してくる導入部にセルジオ・レオーネ張りの物々しさを感じたのだが、早々のカーリー(マリアンナ・ヒル)の訳の分からなさから、なんじゃこりゃ感が募り、自分らで捕えて刑務所送りにした悪漢三人組らしいのに、何故あれほど恐れるのか解せず、流れ者の男が翻意して“用心棒”を引き受けることにする運びにも首を傾げた。

 町中の人から見殺しにされて、鞭打ちで嬲り殺された保安官と流れ者の関係が何だったのか、結局、分からないままだったが、三人組との戦いを指揮してくれるなら「何でもする」という町長や現保安官の言葉に付け込んで、試すかのようにやりたい放題だった流れ者の真意は、どうやら町の連中に対する復讐だったようだ。だが、仮に本丸がそこだったとしても、もう少し出獄三人組に迫力がなければ、本作の構成そのものの底が抜けるじゃないかと、最後までなんじゃこりゃ感に引き摺られた気がする。


コメント
(ヤギ部長)
 『荒野の用心棒』だと、タイトルコードに抵触するからねぇ。

ヤマ(管理人)
 んじゃ『ラーゴの用心棒』とか、HELLのほうから『地獄の用心棒』とか、どぉ?(笑)

(ヤギ部長)
 そのほうがこの映画のテイストには合ってるかもね!

ヤマ(管理人)
 『地獄の用心棒』が、なかなかえいじゃろ? そう思うて、もう使われてるんじゃないかと検索してみたら、思いがけのう邦画のほうにあった(笑)。

(ヤギ部長)
 ほぅ、邦画にね!

(ヒラリン牧師)
 まあ、なんじゃこりゃ感と言えばそうだけど、それなりに面白かったですけどね、僕は、アハハ

ヤマ(管理人)
 楽しめるに越したことないよね~(笑)。

(カーリー理恵姐)
 私も、なんじゃこれ、だったよ。😆❗️

ヤマ(管理人)
 普通そうやと思うんやけど、イーストウッド・ブランドが効いてるのか、けっこう持ち上げられてる気がするで(苦笑)。

(カーリー理恵姐)
 いくら女性が生意気でも、わら小屋に引っ張って行って、犯したらあかんでしょ。しかも、オレのことを気に入ってるとか。オレ様系イーストウッドね。

(ヤギ部長)
 あのころはそれがカッコ良さだった? 男の解らせ方、のマカロニ版なのかな? 兎角この作品はレオーネの影響が大きい。

(ヒラリン牧師)
 カーリー理恵姐さん がそう思うのは全く当然です。イーストウッドの成長の過程です。
 ヤギ部長、全くそうですよ、セルジオ・レオーネは彼の師匠の一人ですからね。

ヤマ(管理人)
カーリー理恵姐、
 流れ者も流れ者やけど、どうも奴にはラーゴ町の住人全員に対する復讐心があるっていう設定やから、酒場の主人にも膨大なタダ酒ふるまわせるし、ルイスのホテルも爆破し、鉄砲屋にも市長にも牧師も保安官にも酷いことするわけね。ルイスの妻サラも寝盗ったりと、やりたい放題(笑)。
 じゃけど、カーリーのほうは何ゆえ、流れ者に綾をつけたり、付きまとうばかりか、入浴中の襲撃に出たりして、尚且つ怪我一つ負わせられんの? 何しに行ったわけ? ってなもんで、なんじゃこれ(笑)。
編集採録 by ヤマ

'22. 4.13. DVD観賞



ご意見ご感想お待ちしています。 ― ヤマ ―

<<< インデックスへ戻る >>>