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『ブラック・クランズマン』(BlacK k Klansman) | |||||
監督 スパイク・リー
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二十九年前に日比谷シャンテシネ1で観て、強烈なインパクトを受けた『ドゥ・ザ・ライト・シング』は、その年度のマイ・ベストテンの1位に選出した作品なのだが、それを観たときのような衝撃をオープニングから喰らい、久々に「リーが吠えている!」と唸らされた。 エンドロールで出演順と表示されたトップがアレック・ボールドウィンだったから、あの剥き出しのレイシストを演じていたのは彼だったのかと、また感心。リーを吠えさせたものが何なのかは、たびたび繰り返された「アメリカ・ファースト」が直截に語っているのだが、近年アメリカで頻発したテロにも等しい暴挙が記録映像で示されたのが印象深かった。今やとんでもない危機状態にあるとの現実認識なのだろう。 それにしても、半世紀前によもや本作タイトルの“黒人KKK団員”がいたとは驚いた。こういうことは、実際にあったという拠り所がないと、とてもじゃないがフィクションでは、ギャグでもない限りやれない設定だと思った。事の顛末というか経緯はいかにも御粗末なのだが、却ってさもあらんという気がしなくもない。事実は、小説より奇なりというような桁外れは、本作で映し出された近年の暴挙についても言えることで、想像の埒外にあるような出来事だ。日本もすっかりオカシクなってきているけれど、アメリカはどうなっていて、どうなっていくのだろう。 それはともかく、噂に聞く限りだったグリフィスの一世紀余り前の作品である『国民の創生』[1915]を初めて垣間見ることができたのは収穫だった。同作はドキュメンタリー映画ではないのだが、同作が百年前に壮大なスケールで撮られ大ヒットしたのは、決してフィクションではない現実だったというわけだ。 推薦テクスト:「ケイケイの映画日記」より http://www.enpitu.ne.jp/usr1/bin/day?id=10442&pg=20190324 | |||||
by ヤマ '19. 5.15. 新宿武蔵野館 | |||||
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