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第185回市民映画会
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2011年の第163回から続けてきた地元紙での【見どころ解説】が御役御免になり、七年ぶりに前売り券を購入して観て来た。 激しい差別のもと公民権運動が起こりつつあった1961年当時のアメリカでの『ドリーム』にしても、ドイツ軍の空爆でいつ命を落としてもおかしくなかった1941年当時のイギリスでの『人生はシネマティック!』にしても、過酷な状況下で誇り高くタフに生き抜いた女性を描いて、なかなか観応えがあった。 『ドリーム』では前日、邦画の『羊と鋼の森』を観て「ひとかどの技量を備えた名もなき人物は、巷に数多いるとしたものだが、その“ひとかど”を希求し真摯に向かう生き方は、やはり清々しく気持ちがいい。」と記したことに通じる見事な生き様に心打たれた。 そしてまた『ライトスタッフ』['83]でエド・ハリスの演じていたジョン・グレンという人物は、アメリカでは本当に尊敬されているのだなと改めて思った。そして、独学で創成期のコンピュータ言語フォートランを習得したドロシー(オクタヴィア・スペンサー)が白人女性管理職であるミッチェル(キルステン・ダンスト)の言う「私は偏見なんか持ってないのだけど」に対して「わかってるわ…、あなたがそう思い込んでいるのは」と返していたのが痛烈だった。 『人生はシネマティック!』では、なんだかとてもクラシカルな風格と軽みを程よく載せている調子の良さに感心した。ダンケルクの海岸に30万人を超える兵士が集まっている場面の撮影風景が面白く、CGで描くのではないガラス板に書き込んだ兵士群を実景に重ねる撮影が目を惹いた。『ドリーム』でメインになっていたのはキャサリン(タラジ・P・ヘンソン)という名だったが、こちらではカトリン(ジェマ・アータートン)だ。二作とも女性映画としても上々の出来だったように思う。。 推薦テクスト:「映画通信」より http://www.enpitu.ne.jp/usr1/bin/day?id=10442&pg=20171127 | ||||||
by ヤマ '18. 6.23. 高知市文化プラザかるぽーと大ホール | ||||||
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