【午前十時の映画祭】
『さよならをもう一度』(Goodbye Again)['61]
監督 アナトール・リトヴァク


ヤマのMixi日記 2011年09月10日14:08

 本編が始まる前に邦画『セカンド・バージン』の予告編が流れるという巡り合せが絶妙だった(笑)。

 体つきの色っぽさでは絶対に鈴木京香が勝ってるぞと思いながらも、当時、四十代半ばのバーグマンの表情の醸し出す哀感と喜び、失意にけっこう見惚れていた。彼女が演じていたポーラは、二十三歳だったかのフィリップ(アンソニー・パーキンス)に四十歳と告げていたが、五歳くらいサバを読んだと見たほうがいい感じ(笑)。

 二十歳も年の離れた青年と遂にベッドを共にした後の物思いを抑えたライティングのなかで暫く映していたショットでの表情が味わい深く、フィリップの勤め先の法律事務所の所長の娘である少女が無頓着に「あの女の人の年は幾つなの?」と母親に訊いているのを耳にして、いたたまれなくなってフィリップを残し、一人ホテルを後にして車を運転している際の涙目で視界が妨げられ、ワイパーを作動させる有名な場面に、おぉこれか…とその場面だけの覚えに感じ入ったりした。

 螺旋階段の手摺を抑えながら「I'm old,I'm old!」と悲痛な叫びをあげる時代はもう今や過去のものという趣がある一方で、今なお『セカンド・バージン』がNHKドラマと同じキャストで映画化されるヒットを飛ばすのだから、古くて新しい主題なのだろう。

 しかしなぁ〜、フィリップにしてもロジェ(イヴ・モンタン)にしても、羽振りがよくて色男であるのはよく判るけど、大した男のようには思えないのに、ポーラが魅せられるように、女性たちは熱い視線を送るのかねぇ(不承)。



*コメント

2011年09月10日 14:40
(アリエルさん)
この映画見ていますが、記憶がうっすらとしか。
他の映画とまざっているか?
バーグマンはインテリアデザイナーでしたっけ?

パーキンスとの年の差、年下男は今では珍しくないですが、
20年下って、よほど女のほうに自信がないとできません(笑)。

しかしなぁ〜、フィリップにしてもロジェ(イヴ・モンタン)にしても、
羽振りがよくて色男であるのはよく判るけど、大した男のようには思えないのに、


私も大した男には思いません。!(^^)!

とくにモンタンは、年をとってからの方がよくなった男優ベスト1くらいです。
この時、いくつかしら?

『セカンドバージン』は知りませんが、TVドラマからですか?


2011年09月10日 21:53
(TAOさん)
これを見たのは15歳の春休みだったので、
バーグマンってずいぶんゴツイおばさんになったなあと思ってました。
若い女は残酷で、やがて自分も歳をとるということがまるでわかってません(笑)。
パーキンスとモンタンにもまるで惹かれず、
私にとってのいちばんの収穫はブラームスの3番で、
この後カラヤン指揮ウィーンフィルのレコードを買いました。
そういえば20歳の頃、初々しいバーグマンの『間奏曲』を見て、
またしてもブラームスのピアノ曲にぞっこんになり、
バーグマンといえばブラームスのイメージですよ。


2011年09月10日 22:19
ヤマ(管理人)
◎アリエルさん
そうです、そうです、インテリアデザイナーでしたよ。
1961年で既に立派にそういう職で自立し、
住み込みの若い家政婦まで雇ってましたね。

ポーラを観てても、『セカンドバージン』の るい(鈴木京香)にしても
女性の側の自信でっていうのではなく、若い男のほうからの熱意によって
という感じでしたね。
女性の側の自信が色濃く感じられたのは、東京タワーの詩史(黒木 瞳)かな?(笑)

この時のイブ・モンタンは、四十歳だったようですよ。
彼の演じたロジェも発展家なのは甲斐性だから、
やっかみはしても、それで非難するものではないけれど、
ステディをないがしろにしてってのはスマートじゃないですよね。
それじゃあ甲斐性なしですよ。
さらにダメなのは、けっきょく手中に取り戻したら、元と同じで
何らの学習効果も成長も遂げてないとこですね。
ま、調度品に対してとは違い、男を見る目のないポーラの自業自得っちゃ
自業自得でもあるんですが…(苦笑)。

『セカンドバージン』は、NHKドラマですから、もちろんTVです。
これとその次の『マドンナ・ヴェルデ』は、珍しくも観たんですよ。


◎TAOさん、
そう言えば、本作中の心無い発言少女も15歳くらいだったような(笑)。
その頃のTAOさん、今よりずっとコワそうです(あは)。

それはそうと、『間奏曲』のバーグマン、素敵でしたねー。
本作でもブラームスの名はオープニングシーンで
コンサートのポスターが映し出される形で強調されます。
「ブラームスはお好き?」という台詞も二度も出てきますが、
字幕では「ブラームス、好きですか」でしたけど(笑)。


2011年09月10日 14:40
(アリエルさん)
記憶あってましたね。
ヤマさん、TAOさんのレスで、お話も思い出しました。
『ブラームスはお好き?』という映画として記憶していたなと、今、感じました。

ブラームス、私もピアノで以前、弾きました。
このところ弾いてませんが、今でも大好きです。
難しい曲が多いですが。

手が大きい人でないと和音が届かない。
きっと体が大きかった?

彼は生涯独身のお酒大好きな作曲家でした。バーグマンは北欧出身だと思うので、
北ドイツにずっといたブラームスに近い何かがあるのかな・・


2011年09月11日 23:53
ヤマ(管理人)
いろいろ記憶が繋がってよかったですね。
それにしても、ピアノでブラームスが弾けるなんて凄いですねぇ(羨)。

僕の高校の同窓生に、仕事の傍ら、月に1回、
地元のライブスポットでジャズピアノを弾いてる奴がいるんですが、
実に羨ましい限りであります。
編集採録 by ヤマ

'11. 9.10. TOHOシネマズ8



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