『君に届け』
監督 熊澤尚人


ヤマのMixi日記 2010年10月20日19:59

 いくらレディースデイとはいえ、カップルすら1組しかなく、むろん男同士や男一人で来ている客はなく、 男女比率が2対約3〜40という異様な状態で観た(苦笑)。

 それにしても、今時の十代というのは、周回遅れのようにして古風になっているのか、それとも、軽佻浮薄のほうが、金品に留まらない消費社会創出のために、メディアによって過剰に演出されていたイメージに過ぎないのか、なんだか僕らが十代の頃の少女漫画の世界を観ているような気がした。

 それとともに、やっぱ若いときというのはエネルギーが要る時期だと改めて思った。自分のこと、友達のこと、ライバルのこと、親のこと、あれやこれや考え、思い悩み、迷い、“気”を消耗するめんどくさいことこのうえない季節やなぁと。今また、あんな状況のなかに放り込まれるとかなわんなぁなどと(苦笑)。

 多部未華子の笑顔の利かせ方が滅法うまかった演出に感心。けど、爽子(多部未華子)は、僕の目にも少々まどろっこしい。僕は、チヅちゃん(蓮佛美沙子)のほうが好きだな〜。


*コメント

2010年10月20日 21:56
(TAOさん)

私も千鶴ちゃんのほうがいいです〜。

ほんとに驚くほどに古風でしたね。
ケータイ小説を映画化した「恋空」も、山口百恵の赤いシリーズみたいでしたよ。
一部が暴走しているということはあっても、大半は奥手なままで、
10代の子の心のありようはそんなに変わるものでもなさそうです。


2010年10月21日 07:23
ヤマ(管理人)

僕は、意外と侮れないのが教育の力だと思っているとこがあって、
ちょうど中国の若者の過剰な反日反応の誘発に繋がった愛国教育同様に
日本の若者にも管理教育の浸透による閉塞感が、
僕らの頃のイメージでは測りがたい保守性を涵養しているような気がしてます(笑)。
それが“周回遅れ”の言わんとするところでして、
同じ古風でも、実はそこんとこが凄く違っている気がするんですよね。

僕らの頃、古風は、
そこから脱したいながらも脱しにくい身に染み付いていた克服の対象で
ここに描かれていたような憧れや向かうべき対象
という代物ではなかったですからねー。


2010年10月21日 08:08
(TAOさん)

そこから脱したいながらも脱しにくい身に染み付いていた克服の対象で
ここに描かれていたような憧れや向かうべき対象という代物ではなかったですからねー。


あ、それはたしかですね。
でも、管理教育によるものというよりは、自主規制のような気がします。
今は親もうるさくないし、ケータイでどこにでもピンポイントでつながるから、
その気になれば羽目をはずす機会はたくさんあるわけですが、
その分、彼氏がうるさく行動をチェックしていたりして、
女の子はそのことをまんざらでもなく思うみたいです。
なんだかんだ言っても、この年頃は誰かにしっかり保護されていないと
不安なのではないかなあ。
それとなんでもありだからこそ、純愛への憧れが物凄く強いのでしょうね。


2010年10月22日 06:55
ヤマ(管理人)

そうなんです。自主規制なんです。
で、どうしてそういう自主規制が働くようになったかってとこで
TAOさんは、社会や制度の及ぼすものより、パーソナルな物事のほうが
きっとウェイトが高いはずだってことなんでしょうね。

なんでもありだからこその純愛への憧れってのは、よく分ります。
不器用さに憧れる奴というのは、たいがい器用極まりない奴ですからね。
人は皆、ないものねだりとしたもんですから(笑)。

で、『君に届け』に話を戻すと、女子では爽子より千鶴だったのと同じく、
僕は風早(三浦春馬)よりもラーメン屋の龍(青山ハル)のほうが好きでした。

それと思ったのは、“女の子ものがたり”というのは、
本作もそうであるように得てして三人組なんですが、
男の子だとボックス!なんかでもそうだったように、
たいがい二人の話になっているのは、どーしてなんだろーってことでした(あは)。


2010年10月22日 10:13
(TAOさん)

あ、私もだんぜん龍が好き!
あんなに思いやりがあって自制心のある高校生って、
あまり現実的じゃないですけど、すばらしくいい男です。

女子3人組なのに男子は2人って、たしかに面白いですね。
たぶん男子は不器用だから、一対一のガチのつきあいしかできないからでは。
女子は一対一だとむしろ息がつまるようなところもあって、
女王様+側近2人とか、この映画のように姐御系2人+みそっかす1人みたいに
3人でうまくバランスをとるほうがラクなんです。


2010年10月23日 07:49
ヤマ(管理人)

龍から「俺は小さいときからずっとチヅ一筋だから」と聞いていた爽子が
千鶴の想いを早合点しつつも、ヘンに気を回して龍との約束を破って
伝えたりしてなかったところが良かったですね。
わりと御節介をやきすぎるのが女子にはありがちなことですが、
良かれとの自分の思い入れよりも、ぐずぐず約束のほうをきちんと守るところは
爽子の美点で、千鶴だとそうはできないはずですが(笑)。

千鶴の想いが擦れ違って一人舞台の失恋に見舞われた後、
龍が例の土手で今川焼きを二つ手にして待っている姿が良かったですね。
本編中、千鶴は龍の慰めより先に三人組での自棄食いで悲嘆にくれてて
龍は言わば当て外れのすっぽかしを食らった形になってましたが、
エンドロールを観ていると、確信的にずっと待ってたんでしょうね。
龍の用意してた(恐らくは冷めた)今川焼きを
きちんと別腹に収めている千鶴とともに腰を下ろしている二人の姿が出てきました。

2人と3人の話は、僕自身が十代の頃に強く感じていたことです。
どうして女子はそうなるかについては、
当時すでに自分なりの回答を持っていたわけではありませんが、
僕は、いつの頃からか、女子の心は不安定だから、
三角形という最も安定感に優る枠組みを求めるというか、
そういう形でないとなかなか長続きしないというか、
そういうことなんだろうと解するようになっているんですけどね(あは)。



推薦テクスト:「TAOさんmixi」より
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1597375263&owner_id=3700229
編集採録 by ヤマ

'10.10.20. TOHOシネマズ1



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