『ライフ・イズ・ビューティフル』『山の郵便配達』をめぐって
TAOさん
tricoloreさん
菜穂美さん
ミキさん
シネマの孤独」:スーダラさん
ヤマ(管理人)


  No.2037から(2001/11/30 08:44)

(TAOさん)
 ヤマさん、こんにちは。

ヤマ(管理人)
 ようこそ、TAOさん。

(TAOさん)
 不思議だ〜、いまライフ・イズ・ビューティフルを拝見したら、つい涙腺がゆるんで、涙がこぼれそうになりました。公開時に見たときは、いまひとつ感動できなかったのに!

ヤマ(管理人)
 なんと驚き、僕の日誌読んでだなんて、感激です。

(TAOさん)
 前半は楽しめたんですよ。でも、収容所の現実を強引にゲームにすりかえていく意志が、どうにも非現実的に思え、疎外感を感じたのでした。

ヤマ(管理人)
 あまりにも突拍子もありませんからねー。そんな馬鹿なって観る側がしらけないで済むよう、たっぷり時間を掛けて、前半で作り手は催眠術をかけようとしてたんでしょうが、あれも掛かりやすい人と掛かりにくい人がいますからね。時々の体調や状況によっても違ってきますし(笑)。

(TAOさん)
 まさに“催眠術”とは言い得て妙ですね〜。夫妻が温室に姿を消したと思ったら、次の瞬間、息子が温室から駆け出してくるシーンなど、すごくいいなあと思いました。でも、ベニーニの、ここが見せ場というときの「ため」の間が、ちょっと長すぎ、しつこすぎるように感じたんです。そこにひっかかりを感じたのが、第一の敗因でした。

ヤマ(管理人)
 言われてみれば、クサいとこに落ちかねないご指摘の要素はあったかとも思われます。僕にとっては、それをも上回る力が気にもさせなかったんでしょうね。

(TAOさん)
 疎外感の正体は、私が人の親になったことがないことなのかも知れません。

ヤマ(管理人)
 ああ、これはけっこう大きいと思いますね。

(TAOさん)
 ヤマさんというフィルターを通して、ようやく本質がかいま見れた感じです。

ヤマ(管理人)
 僕、さっき『山の郵便配達』観てきたとこなんですが、これもまあ、おやじ泣かせの映画でしたね。僕の好きな緑色が実にふんだんに色とりどりにってな調子で、いやぁ参りました。

(TAOさん)
 『山の郵便配達』はロングランだったもので、すっかり油断して、とうとう見逃してしまいました。山の風景は好きなので、見たかったんですが…。

ヤマ(管理人)
 僕の好きな緑色が色とりどりに現れて、眼福でした。ビデオではそこのところが惜しまれるやもしれませんね。

(TAOさん)
 スケールは落ちるでしょうが、ビデオ化を待つことにします。

(tricoloreさん)
 ヤマさん、こんばんは。

ヤマ(管理人)
 ようこそ、tricoloreさん。

(tricoloreさん)
 『ライフ・イズ・ビューティフル』、僕も読みながらちょっと涙腺に来るものがありました。

ヤマ(管理人)
 ありがとうございます。僕の日誌、ちょっと入れ込んでますかね(笑)。

(tricoloreさん)
 元々僕はこの映画大好きだった上に、世の中のお父さんの話というのは、僕は弱いんですよ。

ヤマ(管理人)
 それなら『山の郵便配達』は必見ですぞ。あれは実に親父泣かせの映画でしたから。

(tricoloreさん)
 その苦労を当然のものとして受け入れているヤマさんの日誌を読むと、僕は両手両足で拍手喝采ですね。本当に心から!

ヤマ(管理人)
 僕自身がどの程度果たせているかは、また別問題なんですけどね。

(tricoloreさん)
 まあ、うちの父親は借金と女作って家族を棄てて出て行ったなんて話は、もうネタにしか思ってないんですが、実際の父親としてのヤマさんからのそういう思いは、映画自体を超えたかもしれないくらいストレートで羨ましくも思うものでした。

ヤマ(管理人)
 お父さんが家出なさったという事実はシンドイものだったにしても、それによってこそ、tricoloreさんが学び得たものもあるはずで、映画について綴っておいでのものに窺われるような気がします。

(菜穂美さん)
 風邪をひいていて、半分死にかけているのですが、昨日見に行きました。

ヤマ(管理人)
 ようこそ、菜穂美さん。映画はそんなに無理してまで観るものじゃありませんヨ(笑)。過労で倒れたら、もともこもありませんよ。

(菜穂美さん)
 実は、上映終了したようで、このようにヒットした作品はムーブオーバーでこっそり上映されているのですよ。ちなみに、私が見に行ったのは新宿のシネマカリテです。土曜日に見に行こうとしたら立ち見なので一旦あきらめ、昨日出なおしたら空いていました。まだの方はぜひ。

(TAOさん)
 菜穂美さん、いつもタイムリーな情報をありがとうございます。まだ上映していたんですね、『山の郵便配達』。ここんとこずーっと情報誌も買わず、新聞の映画欄ですませているので、ちっとも知りませんでした。さっそく行ってこよう。

(菜穂美さん)
 TAOさん、ぜひご覧になってくださいね。14日までの上映だそうです。新宿のシネマカリテです。

ヤマ(管理人)
 オヤヂ泣かせです。TAOさんの真価が問われるときです(笑)。
 ご覧になった暁には、ご一報願います。

(菜穂美さん)
 このように緑の美しい映画は、絶対映画のスクリーンで観たほうがいいと思います。風景の美しさだけでも、必見といえるでしょうね。

ヤマ(管理人)
 それはもう、率直に言って、そのとおりです。緑色の好きな僕など、なおさらそう思います。

(菜穂美さん)
 そういえばこの掲示板も綺麗なグリーンが基調ですね。

ヤマ(管理人)
 はいな。ついでに言えば、僕が入り浸っている掲示板もみんな緑色が基調だったりします(笑)。

(菜穂美さん)
 犬の「次男坊」も名演でした。長男役の俳優は、FILMeXで観た『ランユー』というスタンリー・クワンの映画で、いきなり男同士のラブシーンを見せてくれたりしていますが、ここでは好青年ですね。最初と最後のシーンが両方とも出発するところというのが、うまいなあ、と思いました。感動を押し売りしていないのもいいですね。

ヤマ(管理人)
 親父ファンタジーって線を保ち得た成果だと思っています。日誌綴る間がなかったんだけど、綴っとこーかなー(呟き)。

(菜穂美さん)
 それはぜひ!楽しみにしています(というか、実は、ヤマさん書いていないのかな、と思わず 探してしまったのですよ)。

ヤマ(管理人)
 そうまでおっしゃっていただいたなら、日誌にしておきましょう。

(ミキさん)
 ヤマさん、こんばんは。

ヤマ(管理人)
 ようこそ、ミキさん。

(ミキさん)
 『山の郵便配達』は、だいぶ前に観ましたが、山の風景の清々しさには本当に心が洗われたの、憶えています。息子に肩車されたお父さんが昔のことを回想するシーンがありましたよね。あれはキました(笑)。ああいうシンプルなストーリーって、ストレートに心に染みます。

ヤマ(管理人)
 ミキさんにしても、僕にしても、性愛映画ばっかに観入ってるんじゃないって、この際、断固表明しときましょうね(笑)。僕の場合、一番好きなのは、やっぱり性愛映画ですが(えへへ)。でもって、ホラーが苦手ってとこは、ミキさんと同じ。確かそうでしたよね。

(ミキさん)
 あれは映画館で観るべき。きっとテレビの画面で観たら『花様年華』のようにガックリきそうです(笑)。

ヤマ(管理人)
 『花様年華』は、僕、映画館で観て、文句たれてたんですが(笑)。


-----かくして『山の郵便配達』の日誌をアップ(2001/12/09 19:36)-----

(スーダラさん)
 ご無沙汰してました。

ヤマ(管理人)
 ようこそ、スーダラさん。

(スーダラさん)
 『ライフ・イズ・ビューティフル』でTAOさんが書かれていましたが、子供を持つ親の心境というのは、そうでない者には決して辿りつけないものなのだなぁと改めて痛感しました。

ヤマ(管理人)
 ちょうど、親父泣かせの映画の日誌が続いてしまいましたね(笑)。

(スーダラさん)
 最近になって父親がもう70歳になろうとしていることに気がついて、果たして自分が彼とどの程度のことを語ってきただろうかとしみじみ考えてしまったり、ふと考えるのが怖くなって、そこから逃げ出してしまったり・・・。そんな自分を振り返らずにはいられませんでした。

ヤマ(管理人)
 僕はもう親父を亡くして10年余となりますから、最早かなわない話ですが、気になるようだったら、今のうちですよ。

(スーダラさん)
 それから、全く話は変わりますが、学生時代の僕のサークルの1つ上の先輩の女性で「私は緑色の人になりたい。」と言われていた人がいました。青でもなく赤でもなく黄色でも白でもなく、地味だけど暖かい感じのする緑が好きなのだと、確かおっしゃってました。その人の印象と共に随分経った今でも心に残っている言葉です。

ヤマ(管理人)
 僕もそっくりそのままこの言葉を若い頃に使った覚えがあります。その1年先輩の女性は、映画がお好きでしたか? もし、そうなら『山の郵便配達』薦めてあげるといいですよ。

(TAOさん)
 ヤマさん、ついについに見てきましたよ〜。

ヤマ(管理人)
 お待ちしてましたよ(笑)。

(TAOさん)
 この掲示板のおかげでスクリーンで見ることができて幸せ。ほんとうに、緑、緑、またまた緑。しかもほどよい湿度を感じさせる柔らかな緑でしたねえ。

ヤマ(管理人)
 ね、眼福だったでしょ。色も話もしっとり感に満ちてましたね。

(TAOさん)
 そして父性本能(オヤジ本能?)をやたらと刺激する息子でありました。ええ、今回はすんなり親父に同化し、

ヤマ(管理人)
 「は」に引っ掛かっている僕ですが(笑)、この味を共有していただき、嬉しく思いますね。

(TAOさん)
 いままでろくに会話もしなかった息子と思わぬ機会を得て、淋しさと喜びを噛みしめ涙しました。
 でもね、終わりに近づくにつれ、私の意識は別の方向に向かい始めたのです。あーうちの父もさぞかし仕事を継いでほしかっただろうに、と。

ヤマ(管理人)
 あ、オヤジに同化して楽しんだだけでなく、殊勝にも孝行娘の気持ちも触発されちゃったんだ(笑)。

(TAOさん)
 私にも妹にも、宅建の資格をとっておけと、ひところはずいぶんしつこく言われたものです。住宅建設と不動産取引の会社を経営しているので。ほんとは息子がほしかったでしょう。娘でも、どちらか一人は継いでくれれば、と願っていたはず。そのことは以前からわかってはいたのですが、無理強いされないのをいいことに、ただ自分のことだけ考え、妹にも「無理することないから」と言ってきた私。
 ああ、父もこんなふうにバトンを渡したかっただろうになあ。胸が痛みました。もはやバトンをもらうことはできそうにないけど、せめて父の仕事への思いなどは身を入れて聞いてあげよう、と珍しく殊勝な気分になって帰ってきました。

ヤマ(管理人)
 お父さんに、もう応えてあげることは出来ないけれど、今の私からの気持ちですって、この映画のビデオでもDVDでもプレゼントしてあげればいかがですか。あるいはまだ上映中なら、その趣旨でもって観に行ってもらうとか。きっと喜んでくれると思いますよ。
by ヤマ(編集採録)



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