■「CANON PowerShot S30」ワイドレンズの巻
座間味島での進水式に次いで、2回目の使用となった御蔵島でのドルフィンスイムの結果から、2回目のインプレッションです。
■乾燥剤による結露対策
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デジカメ自体の乾燥 |
- 前回の座間味では、ハウジングのレンズ前と、デジカメのレンズ内の結露(曇り)に悩まされたため、今回は万全の態勢で臨んだ。
- というのも、ハウジングでは電源on/offが出来ず、3分程でオートパワーオフしても僅かながら電力を消費してしまうため、前夜の内にセッティングを済ましておく事が出来ず、またハウジングとデジカメとの隙間が殆どなく、小さな乾燥剤しか入れられないためである。
- 小さな乾燥剤の効果は、恐らく1時間に数%の相対湿度を下げる程度だろうし、デジカメ内部の湿気までは到底吸収できなかったものと思われる。
- そこで今回は、密封できるビニール袋「ジップロック」の中に、デジカメと大きな乾燥剤(ダイエー「食品用シリカゲル乾燥剤」10g×5袋入88円)とを前夜から入れ、デジカメ内部を完全に乾燥させておいた。
- セッティングは当日朝に素早く行い、この時混入した湿気用に小さな乾燥剤(ファンケル「乾燥剤12枚入」100円を2枚)をハウジングに入れて臨んだところ、全く結露なしでOK。途中、液晶モニター表示をon/offしながら、動画も含めて12〜13分に渡って撮っていたが大丈夫だった。
- シリカゲルはインジケーターの青い粒がピンクになったら替え時だが、天日に干すか、レンジでチンすれば何度か再利用できる。多少面倒だが、水中で使えないカメラほど虚しいものはなく、この位の手間は惜しむべきではないだろう。
■ドルフィンスイムでは...!?
- 水面付近では、直射日光を背中に受けるので、液晶モニターが点いているのかどうかすら、殆ど判別できない。少し潜って手で覆って、やっとフレーミング出来る程度。ひさしの長いフードを外付けするといいのかも。
- 少しでも操作感を分かり易くするため、またイルカの興味を引けないものかと (^^;;、色々と設定できる操作音を最大ボリュームで出してみたが、残念ながら水面の波音にかき消されてしまい、耳元に近づけないと全然聞こえなかった。
- ドルフィンスイムではシャッター速度優先で、1/250秒程度にして手ぶれを防ぐと良いとあったため、透明度の余り良くない御蔵の海に合わせてISO感度400に設定したら、1/1000〜1/125秒と、シャッター速度は十分早かったものの、粒子が荒れたような感じの画質になってしまった。
- ISO感度AUTOに戻したところ、1/125〜1/30 秒と、今度はシャッター速度が遅くなり過ぎ、手ぶれやイルカの動きによるブレが目立ってしまった。ISO感度の設定はマルチコントローラーの上下操作が必要なためハウジングでは出来ないと思っていたら、「MF」ボタンを押しながら「左右」を押すと上下に操作できると後から判明。取説はしっかり読まなくては...(^^;;
- やはり慣れない素潜りではゆとりが全然なく、全体的に手ぶれが多く、何を写してるか分からないショットも多々あった。
- イルカは予想外のところから、かなりの速度で近づいてくるため、ズームしたり、モードを切り替えたりしている余裕は全くない。いつでもパッと撮れるよう、そしてイルカの全身を捉える為にも、やはりワイドで撮るのがいいのだろう。
ここで、またまた衝動買い事件発生...(^^ゞ
ダイビング雑誌で、デジカメ用でレンズ前4mm!?からピントが合うという、INONの新しいワイドコンバージョンレンズ「INON UWL-105AD」(\24,000) の広告を見かけてしまったのである。
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ワイコン装着 |
ハウジングにワイコンを内蔵することで、ワイドからマクロまで何でも撮れる、というDIV社長の商品説明が前々から気にかかっていたのだが、ワイドレンズはピントの合う範囲が広くなる、つまり被写体深度が深いため、(ワイド)マクロにも強くなるとの事。
ただ純正ハウジングの改造はやはり心もとなく、二の足を踏んでいたのだが、大きさ的にも価格的にも手頃な外付けワイコンが発売になったと言う事で、ついに入手に踏み切ったのである。
6/15 OHのついでにレンズを \21,420 で購入、ハウジングに固定するマウントベース(\4,800)は CANON DC-300 用は在庫がなく (^^;; 取り寄せとなり、6/21に \4,280 で購入した。
マウントベースは、ハウジングのレンズせり出し部に被せてはめ込み、ハウジングの三脚穴に手締めのネジで固定する方式。
レンズは約90度回転させるだけで水中でも簡単に脱着でき、ADシリーズのマクロレンズ(別売)を取り付ける事も出来る。
とりあえずエントリー直後は、気泡を払うために一度外す必要があるだろう。
なお、ワイコンを付けるとフラッシュ光をさえぎってしまうため、外付けフラッシュが前提となっていて、そのためのディフューザーが予め付けられている。
手持ちの懐中電灯型のスレブ発光フラッシュ(カメラのフラッシュ光を検知して同期して発光するワイヤーレスのフラッシュ)と組み合わせて使えないかと思い、試してみると、、、なぜだか画像が暗くなってしまう!?
色々と調べてみると、、、どうやらデジカメのフラッシュ撮影の場合、一度プレ発光して露出などを確認してから、本当の撮影がされるそうで、スレブ発光フラッシュはこのプレ発光に同期して発光してしまうため、デジカメがアンダーに補正してしまうらしい。
残念ながらこの組合せでは使えないため、光ファイバーでデジカメのフラッシュ光を検知して、プレ発光をキャンセルした上で、自動調光して発光する「外部オートフラッシュ D-180」(\49,800) が既に発売されているが、やはりこれを買わなくてはならないのだろうか?
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ノーマル(ワイド端) | ワイコン(テレ端) |
視野角105.6度のワイコンは、水中では全然ケラレ(画面の四隅が丸く黒くなる)が出ないと言うことだが、陸上での画角は179度でワイド端で多少ケラレてしまう。
ちなみに、ペットボトル飲料のおまけに付いてた体長4.5cmの「イルカ消しゴム」でワイドマクロの効果を試してみた。
まずノーマルの状態で、ワイド端で撮ってみたのが左の写真。
ワイド端での最短撮影距離は10cmからとなっているが、ギリギリ寄ってみたものの撮影距離は15cm。
やはりノーマルでのマクロ性能はこの程度である。
右の写真がワイコンのテレ端で撮ったもの。
ワイコンのワイド端での最短撮影距離は4mmからとなっているが、カメラの影が入ってしまうため、テレ端で撮ってみた。
実際の撮影距離は5cmだったが、撮影データを見ると、ノーマルでのテレ端での最短撮影距離(30cm)に近い34cmとなっていた。
つまり、それだけ被写体深度が深くなったということなのだろう。
これだけ寄れれば、、、もしかしたらウミウシフェチ道に陥ってしまうかも!? (^^ゞ
なお、ノーマルでの最短距離のフラッシュは画像が白飛びしてしまうし、ワイコン装着時は内臓フラッシュはケラレてしまうため、両方ともフラッシュなしで撮っている。
果たして、実際の水中でのワイド感はいかなるものなのか、はたまたワイドマクロの性能は、、、早く水中で試してみたいものである。
■海での実写
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漁礁ブロック/座間味島9 | ハナビラウツボ/座間味島10 | キンメモドキ/座間味島13 |
魚眼みたいな超ワイドではないので、本当はノーマルとワイドとで撮り比べてみるとよく分かるのだが、なかなか海中ではそこまで気が回らず...(^^;;
直線的なもの程その効果は明らかだが、自然界には当然直線的なものは少ないので、ワイド感が得られるような構図をよく考える必要がある。
ワイドマクロは、思い切りマクロの被写体に近づかないと大きく写らないのだが、被写体と背景の構図や太陽の向きなど理想的なアングルを探すのも、このアングルと思っても手前の障害物などでカメラを置きたい所に置けないなど、なかなか難しい。
定番の魚群の場合も、やはり思い切り近づきたいが、そうは綺麗に固まりになってこちらに向かってきてくれず、また近づけば近づくほど群れはバラけてしまうし、これまたなかなか難しい。
まずは被写体の位置と向きを確認、そして背景をどう写し込むか、太陽の向きは、余計なダイバーや排気の泡とか入り込んで来ないかなど、アングルや構図を考え、ストロボの位置やカメラの絞りなどを調整、被写体に逃げられないよう近づけるだけ近づき、表情やタイミングを見計らって撮る!、、、なんて難しい事なのだか (^^;;
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