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 四国三十六不動霊場第12番 四国霊場第13番奥之院

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〒779-3133 徳島市入田町金治230

建治寺縁起

弘法大師ゆかりの地

 当寺は白鳳時代天智天皇の頃(661〜671)役行者(えんのぎょうじゃ)を開基に、金剛蔵王大権現を御本尊として発祀しました。弘仁年間(810〜824)弘法大師が四国巡礼の折、当山に登り霊験あらたかなその聖地に感じ入り、修行場所として最適な霊地と逗留されることとなりました。その修行中、金剛蔵王大権現を感得し自ら御本尊像を彫刻、深く岩窟の奥に安置されました。
 天正年間には阿波藩主蜂須賀公祈願所として栄え、近年では貞阿上人の業績にと今なお脈々と命打っています。現在、蜂須賀公が刻ませた像を加えて二体の金剛蔵王大権現像が祀られています。


金剛蔵王大権現

 金剛蔵王大権現(建治寺では、親しみを込めて「権現さん」と呼んでいます。)釈尊の教えといっても現在生きているわけではないので、大日如来が仮の姿で現れて説法します。しかし、大日如来の姿はあまりにも大きすぎるためその役割ごとに仏があり、観音菩薩や不動明王などの仏は皆その一部を担っています。権現さんもその一つです。それを、「金剛蔵王大権現は釈尊所変の教令輪身にして大権化仏である」と言います。
 権現さんは特に、貪瞋痴(とん・じん・ち)の煩悩を中心に清めていくのがその働きです。貪とは、欲望が深いこと。満足しなければ、どれだけ成長しても喜びは無い。心が貧しかったら、いつがきても心の感激がない。瞋とは、怒り。わずかな事で腹を立ててブツブツ言う。もう少し穏やかに素直に、怒りさえ表していなければ場の雰囲気も和やかであったのに、急に冷めてしまったといった事がある。痴とは愚かさ。智慧、考えを広く持てない。権現さんは、それらを消滅し、その教えを広げていくために仮の姿となって現れるのです。
 その姿は、右手に三鈷杵(さんこしょう)、左手には刀印を結び、右足は虚空を蹴り、左足は大地を踏みしめる。青黒い体は慈悲を表し、怒髪逆立つ忿怒(ふんぬ)の形相はいかなる悪魔も降伏しないものはないといいます。 


不動明王・阿弥陀如来

不動明王

◆当寺は、四国三十六不動霊場第12番札所です。建治の瀧から当山へ向かう道中に“鎖の行場”がある。その鎖を幾世にもわたって堅持し続けた霊木を彫り上たもので、清水悠幸(滋賀県出身)作である。最後に仏像の右手に剣をはめ込んだところ、その手を強く握り締め剣は決して抜けなかったという。清水先生は、多くの弟子を持ち活躍されている能面師であり、本堂拝殿に奉納された面三体も清水先生作である。

◆当寺の阿弥陀如来は、康珍(?〜1505)作の徳島市内では最古の在銘像として、徳島市指定有形文化財に指定されている。康珍は、南北朝期から桃期へと引き継がれた慶派の仏師の一人で、他に東寺講堂大日如座像などがある。重圧感を強調した表現に伝統を垣間見ることができる。


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大瀧山 建治寺

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