あなたの知らないニセコガイドツアー
2024年10月、倶知安町イワオヌプリ、
岩雄登鉱山
及び新見鉱床
跡を巡る探索ガイドツアーを開催。
男女19名の参加者が応募された(実参加は12名)。
今回は登山道に沿った遺構群の探索。
装備を整え簡単なミーティングの後、
木道からスタートする。
イワオヌプリ鉱山は明治12年に開坑、
明治19年には硫黄の蒸気製錬が行われた。
明治41年には共和町との間に、
索道が敷設、
その距離14kmとなる。
鉱山跡まではなだらかなハイキングコースで
約1時間の徒歩となる。
コース中間にある大沼で小休止。
海抜842m、水深15mの湖だ。
気づくと一人の女性参加者が、
もくもくと水面の小石付近に見入っている。
手にしたのは二ホンザリガニだ。
岩陰にいる小さな生き物。
絶滅も危惧される日本の固有種だ。
そうなると皆さん興味深々でザリガニ探しが始まる。
天敵の外来種やウチダザリガニがいないのか、
ここは安息の池のようだ。
更に進みハイキングコースを進むと、
突然、木々が途切れ荒涼とした風景に変わる。
ここが硫黄鉱山跡、
スタートから1.5時間程度で到着だ。
かつては200人以上が暮らす街があったことを解説。
いまでは想像できない荒々しい景色だ。
やがて耐火煉瓦が足元に散らばる一画に出る。
これは
焼取釜
の施設跡だ。
炊飯器のような硫黄製錬について説明する。
耐火煉瓦の広がる荒涼とした鉱山跡で、
回収硫黄による硫黄鉱山の衰退を解説後、
自由時間とする。
昭和12年に閉山。
それから約80年後の風景だ。
自由時間は撮影や周辺を歩く方々など、
それぞれ思い思いの形での探索となる。
天気も良く、
雄大な景色の中のハイキングとなる。
その後は別鉱床に向かう沢を登る。
このあたりからは足首まで水没しての登坂である。
沢を登りきると、
そこには坑口がある。
これは山向こうの鉱床を掘り下げたために、
水の逃げ場がなくなり、
それを排出するために掘られた人口の水路跡だ。
内部は約30m程度で埋没しているように見えるが、
水は流れている。
よく見ると水面に映る反対側の坑口の明かりが見えている。
以前は匍匐前進で対岸に何とか向かえたが、
積年の土砂の堆積で今は通過できない。
川廻しの転流坑を確認した後は、
再びハイキングコースで出発地点に戻る。
皆さんで昼食後は、
少し移動してマンガン土の試掘鉱床に向かう。
やがて紅葉の滝に到着、
しかし目的は滝ではなく坑道だ。
対岸には二か所の坑道がある。
ここは研究のために試掘された坑道で、
営利を目的とした鉱山ではない。
交代で渡渉し坑道跡を目指す。
ここは水没して川を渡る以外到達できない。
坑道内は狭く数mで埋没している。
手掘りの坑内は常時雫が滴り落ちている。
下流の坑道にアタックする参加者もいる。
深い山中にひっそり残る坑道だ。
坑道見学の後は温泉廃墟を探索して、
無事ガイドツアーを終了した。
参加の皆様、お疲れ様でした。
また、大変ありがとうございました。