あなたの知らない美唄ツアー2019
2019年5月12日、美唄炭鉱跡を巡る、
探索ガイドツアーを開催。
約6か所を探検する。
事前にSNSで募集、参加表明されたのは男女計17名。
市街地に朝8:00集合。
ほぼ全員初対面ということで、注意事項や段取り等簡単なミーティングのあと早速出発。
全員連なって、山中を歩く。
まずは昭和8年以降の施設、三井美唄炭鉱跡施設を目指す。
うっすら遺構が望めるため、すでに興奮気味の参加者もいる。
積込ビンの巨大廃祉に向かって、
のっけから斜面を登る。
女性の参加者も8名と賑やかな状況だ。
巨大な遺構内部に進む。
いきなりの異空間に驚きの参加者もいらっしゃるようだ。
山中に忽然と残る廃祉に全員で分け入る。
ズリや選炭についてガイドした後、
まずは付近全体を全員連なって歩く。
突然の穴など危険個所もあるので注意して進む。
そしていよいよ謎の隧道跡へ案内。
ここは短い隧道ながら、
藪に阻まれてwww上の紹介も少ないポイントだ。
積極的な質問もあり、ガイドしながら進む。
今回はご夫婦での参加も多く、
いきなりの隧道跡を楽しんでおられるようだ。
ここからは各自、自由探索時間を設けた。
写真撮影、遺構に登る人、談笑する方、
皆さんしばし各自で過ごされている。
再び各自家用車で少し移動後、別の山中を歩く。
長靴の方、トレッキングシューズの方、
全員ハイキング程度の装備での参加だ。
そして現れたのは火薬庫の廃墟。
森に眠る煉瓦の遺構だ。
その奥がどうなっているのか、興味津々の参加者までいらっしゃる。
到達した二連坑口「奥沢通洞」。
流れ出る温泉水の温度を測定、13.8℃ー冷泉だった。
昭和37年の「スクラップ&ビルド政策」に起因する、
密閉、そして閉山に伴う補助金等についてお話しする。
移動中に河床に埋没するレイルがあり、
その規格や重さについて解説する。
全員水没することなく川を渡る。
そして朽ち果てた変電所遺構に到達。
変電所の三つの機能や三相の碍子について説明を行う。
一旦全員で散策する。
変電所遺構内部の破壊された壁、
高価なトランス等の搬出のための意図的な破壊を解説する。
昭和モダンな窓の意匠などに注目の方もいる。
一通り回った後は、再び自由時間。
各自で探索を行う。
遺構自体、残留の空き缶、ツタの絡むコンクリートと興味の対象がそれぞれだ。
変電所内部の一角には表紙の無い朽ちた雑誌が・・・。
数名が駆け寄り、年代や広告商品の価格について話がはずんでいる。
後に推論から雑誌の年代と種類を特定された方もいる。
快晴の中、林道を歩き移動。
炭鉱の工程に沿って、
別の遺構へ向かう。
ここは結構な斜面だが、全員で注意して下る。
いよいよ付近で最も巨大な遺構、
運用大幹線だ。
圧巻の大きな廃墟。
みなさん写真撮影に余念がない。
各自、自由に散策する。
少し険しいルートも通る。
脱落者なくみなさん安全に通過する。
内部まで深く踏み込むのが本ツアーの目的だ。
昼食後、再び移動し「第二坑」に到着。
漏斗型の廃墟、原炭ポケット前で比重差を利用した「重液選別」、
そして泡を使った「バウムジグ選別」についてお話しする。
一日処理分の原炭を積込んだポケット下に立つ参加者。
剥きだした鉄筋、朽ちたコンクリート。
粒度分けの方法などを解説する。
またまた各自、自由時間。
安全に配慮し、探索エリアだけは指定する。
皆さん思い思いに堪能されているよう。
少し上流へ移動し、今回一番の難路。
ここはハードルートとなるが全員登頂。
謎の隧道を目指す。
そして各自、ヘッドランプやヘルメットを装備しての探索だ。
照明無しでは闇の廃トンネルを進む。
この頃には参加者たちの親睦もかなり進んでいる。
内部では貝の化石が帯状に堆積する。
支保工の木材は腐りきっている。
普段の生活では得られない非日常だ。
快晴の中、「沼東小学校」の探索だ。
ここは皆さんの疲労度合いなどを確認し、
想定以上の追加探索とした。
昭和49年廃校の小学校跡の散策だ。
かつては29学級、1,500名の在籍があった。
校舎内を見てみよう。
3階建ての校舎内、螺旋階段を行く。
1階は水没し、水面に建屋が映り込む。
かつては上空から見るとメガネのような校舎、かなりの時間探索する。
周辺に残る廃車にも興味は尽きない。
後に古い衛星写真を確認された方もいるようだ。
近くの体育館に移動する。
鉄骨の骨組みしか残存しない体育館跡。
各々写真撮影と談笑が並行して進む。
天気も良く暑いぐらいだ。
ヤマを下り、炭鉱記念館で過去の資料を見る。
今訪れた場所を当時の写真と見比べる。
ジオラマや鉱区図も皆さん見入っている。
最上流に位置する坑口の廃墟に到達。
半水没した二連坑口だ。
かなりの山中である。
公園として整備された立坑跡に到着。
エレベーターのような機能、スピード、吸気排気等について説明する。
そろそろ終盤戦だ。
かつての美唄鉄道をアーチでまたぐ道路橋だ。
天井に着く蒸気機関車の煤。
皆さんまだまだ疲労の色なく、上部へも登られる。
こちらも廃線の美唄鉄道東明駅跡だ。
保存された蒸気機関車に乗り込む参加者。
笑い声の絶えない、スムーズな探索であった。
参加の皆様、お疲れ様でした。
また、大変ありがとうございました。
特に道東他からのお手伝いの方々、助かりました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。