He選鉱所  探検: 北の細道 He選鉱所

He選鉱所のインクラインを遡る




北海道某所

   山中から採掘した、金属元素を含んでいる岩石から目的の金属を抽出し、
金属塊や金属粉を生産する一連の工程を製錬という。

金属生産の目的で採掘した岩石(鉱石)には、目的金属を含む有価鉱物の他に、
「脈石」(みゃくせき)=尾鉱(びこう)鉱石の中で利用できない部分 と呼ばれる無用鉱物も含まれている。
そのため、鉱石中の細かく混じり合った有価鉱物と脈石の分離が第一工程となる。
鉱石は破砕・粉砕・摩砕によって細分化され、
その各段階での鉱粒の粒度に応じた 製錬工程を行い、まず鉱石から脈石を除いて、
目的金属の含有率ができるだけ高い部分(=精鉱)を得るようにしている。
この工程を『選鉱』と言い、一般に製錬工程の中心となる一工程を指す。

『選鉱』は複数の鉱物で構成されている鉱石を処理して、
その中の有用鉱物と不要鉱物を物理的手段で選別することである。
有用鉱物が二種類以上含まれる場合はこれらを互いに分離することも含み、
これら処理技術全般を『選鉱』と言い、石炭の場合はこれが『選炭』になる。


鉱物の色沢・比重・濡れ特性・磁性・誘導率などの性質が鉱物の種類ごとに違うことを流用し、
手選法、比重選鉱法、重液選鉱法、浮遊選鉱法、磁力選鉱法、静電選鉱法などの各種選鉱法がある。

『選鉱』で得られた純度の高い『精鉱』は泥上または粉状であり、
まずは水分除去のための 「V焼」(かしょう)原料に変化を起こさせて性質を変えるために赤熱以上の温度で行う加熱処理 (ロータリーキルン)
そして化学成分を変化させる 「焙焼」(ばいしょう)製錬本工程に適した化学組成にするため、鉱石が溶融しない程度の温度で化学変化を起こさせる加熱処理 (焙焼炉)などの加熱処理を行う。

一般に鉱物内の金属原子は、非金属原子と結合して酸化物・硫化物などの化合物を形成し、
電気的に正(+)の状態で存在している。
よって金属抽出のためには、還元剤等の化学反応を用いてその金属原子に電子(−)を与え、
非金属原子との結合を解くと共に電気的に中性な金属状態にすることが必要である。
その後、電解・ガス・蒸留・第三金属付加などにより、更に粗金属からの純度を高めるのである。


このような処理を行う工場、それが『選鉱所』であり、
今回は亜鉛鉱55t/日、マンガン鉱100t/日の処理を誇るある鉱山跡の選鉱所を探索する。
付近は近年立入禁止区域となったため、場所については伏せさせていただく。
連鎖するように発見した遺構の数々。

「廃の神」の導きのような、巨大選鉱所の廃墟に潜る。




インクライン・巻揚げ機・アイドラー・・・


prayfor3104
( ̄u ̄;)巻揚げ機





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