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プログラム説明
相対性理論を考慮した加減速運動のシミュレーションです。
恒星間航行をする宇宙船(五角形)を想定しています。
宇宙船は停止状態から1年間加速し、
3年間慣性航行した後1年間減速して目的地で停止します。
目的地は4光年先にあり、6.6年かけて (基準系 t=1〜7.6) 移動します。
基準系=宇宙船の外の世界視点と加速系=宇宙船と共に動く世界視点
から見た位置と時間をアナログ時計で表示します。
基準系と加速系は時間の流れが異なり、
また同時性の破れのため座標毎でも時間の流れが異なります。
座標系について詳しい解説(pdf)
より光速に近い場合
画面の見方
上段諸々の説明
加速「系」の定義の仕方は(実証しようがないので)いろいろありますが、
ここでは「レーダー座標系(空間・時間の定義に光時計を使用)」
の考え方を用いています。
光時計を用いる場合、宇宙船の前後の空間分布を求めるためには
過去・未来の情報が必要となるため、
加速開始前・減速完了後も計算に入れています。
なお別の系の定義(リンドラー座標系)を用いたとしても時空が歪み加速度・
速度は座標毎に異なる結果となります。
慣性航行(等速直線運動)では時間の進みは空間位置に依らず一定ですが、 加速・減速時には時間の進み方に分布ができます。
段階 | 宇宙船後方(x'<0) | 宇宙船(x'=0) | 宇宙船前方(x'>0) |
---|---|---|---|
加速中 | 速い | やや遅い | 宇宙船より遅い |
慣性航行 | 遅い | ||
減速中 | 宇宙船より遅い | やや遅い | 速い |
宇宙船の時間の進みが遅くなるウラシマ効果の説明は
「宇宙船に加速度が加わっているから」と説明されるのですが、
等速運動でも同時性の破れの影響があります。
加速系視点では基準系の時計の進みは遅くなりますが、
宇宙船が向かう先の時計が進んでいるため、
宇宙船の時計は外より遅れることになります。
別の言い方をすると、基準系・加速系関係なく
「相対速度を持つ相手側の系の(座標に固定した)時計は遅く進む」
「しかし同時性の破れのため、
視点側の座標を固定した場合は相手側の系の時計は速く進むように見える」
ことになります。
そして加速・減速時に加速系の前後の時計はイレギュラーな動きをして
最後の停止時には基準系より進み方が遅くなることになります。
参考文献
物理学30講シリーズ 相対性理論30講 戸田盛和著 朝倉書店
FNの高校物理
Wikipedia:en - Rindler coordinates
特殊相対性理論における 加速度運動(龍谷大学,pdf)