小沢〜跨線橋の印象 9163(9263)レ 小沢
倶知安峠を下ってきたC62は小沢で小休止します。
当初は運転停車扱いでしたが、1990年から上りが、1991年からは上下とも正式に客扱いをするようになりました。ここから稲穂トンネルまで続く延々8kmの峠路は、上りの倶知安峠にも匹敵する急勾配の連続で、C623は小沢までの長い下りで水を作り、小沢の短い停車時間でカマを整えて、それに備えます。
この小沢の駅は昔ながらの懐かしい木の跨線橋が残っています。駅舎は運行2年目のときにこじんまりしたものに建て替えられてしまいましたが、この跨線橋は今でもそのまま残っています。蒸機全盛時代の面影をとどめるこの古びた跨線橋・・・ある夏の夕方、C62の撮影を終えたあと、同宿のFさんと一緒にじっくりと撮影することにしました。
北国の夏の陽は長い。18:00近くなっても差し込んでくる光はさほど低くありません。
恐らくは国鉄時代から無数の蒸機の煙を浴びたであろうこの跨線橋。柱や板の1枚1枚すべてにそれら蒸機たちの息吹の余韻が残っているようです。
通路を通るとひどく懐かしい思いが・・・昔はどこの駅もこんな感じだった・・・。
汽車が着くと乗り換え案内の放送があって「●●行きは橋を渡って△番線から・・・」
今はこんな放送ほとんど聞かなくなっちゃいましたね。
その通路の真ん中あたりの壁に張り紙が。
え?マムシ出没注意?(^^;
「マムシの出没する時期になりました。特に次の箇所にご注意ください。 駅舎の回り、こ線橋、ホーム等」・・・って全部じゃないかあ!(・・;)
思わず屋根を見てしまった私でした。
実はこの小沢の駅、駅自体がマムシの巣なのです。駅のホームを支えている石垣の隙間から出入りしているそうで、暑い晴れた日中はホームの真下で休んでいて、夜になったり雨が降って涼しくなったりすると石垣の隙間からニョロニョロ這い出してくるんだそうで。(・・;)
それが証拠に、朝起きて散歩がてら駅を歩いてみると、2番線にも3番線にも枕木の上に脱皮したマムシの抜け殻がた〜くさん!
武田旅館のおばちゃん曰く、「それ拾ってオサイフに入れておくとお金貯まるんだよ〜。」
そう言われてもねぇ。(^^;
ヘビ苦手なヒトは決して夏の夜にこの駅の周りをウロつかないように。駅の構造自体は今も変わってないですから。(^^;
ホームの小樽側まで行ってよく見ると、跨線橋の下に羊蹄山が見えていました。
やがて長かった夏の陽も没し、跨線橋は次第に黒い影と化していきます。さあ、マムシが出てこないうちに宿に帰ろ!(^^;
武田旅館。「C62ニセコ」と共に過ごした8年間、私が定宿にしていたところです。いつ泊まりに行っても同じメンバーがいましたが、特に運転日数の減った最後の3年間はほとんどの常連メンバーが運転日全出席に近い状態で、来た時点で次回以降の宿泊予約もしていったので、なかなか一般の人は予約が取れなかったようですね。
この跨線橋をモチーフに9163レの小沢発車を撮ってみました。モノクロで撮ると、まるで国鉄時代を彷彿させますね。
(↓1991年11月 小沢)