北四線〜羊蹄に魅せられて・・・
9163(9263)レ 倶知安〜小沢
倶知安で呼吸を整えたC62は、わずかな停車時間で小沢に向けてスタート。倶知安を発車してしばらく行ったところが北四線踏切。おそらく沿線で最も有名な撮影地だったでしょう。ここに来た男たちは皆例外なく、C62とともに秀麗な羊蹄山の虜となってしまうのです。(^^;
もっとも、気難しいこの麗峰はなかなかその全容を現してくれることが少なく、いつもどこからか雲を呼んで体の一部を隠してしまうのでした。となると、フラれた男が何度も何度も恋した女性にラブコールをするごとく(今だったら「ストーカー」って言われてるかも (^^; )、ここに通い詰める男が続出するのもまた当然・・・ということになるワケで。
もっとも、羊蹄に執念を燃やす男たちの姿は「悲恋物語」というよりはむしろ「スポーツ根性モノ」のノリになっていたように思えますが。(^^;
♪お、も、い〜こんだ〜ら、しれんのみちぃを〜♪
倶知安を発車したC62は大きく左にカーブを切るとしばし防風林の間を直進してきます。その直線の先、線路が再び左カーブを切るあたりに養豚場がありました。いかにも田舎らしい(?)養豚の匂いが漂ってくる場所でしたが、ここが正面に羊蹄を入れて、直進してくるC62を撮れるポイントでした。そのものズバリ「ブタ小屋」というのが撮影地の愛称でしたね。(地元の方、ごめんなさい〜〜) 実はこの手前、線路の西側にミズバショウが群生しているポイントがあって、そこだとミズバショウとC62をからめて撮れるんですが、一度そこでレンズを水没させておまけに写真は大失敗という苦い経験をしてから、私は恐れをなして近づかなくなっていました。(^^; 下の写真で、線路脇に人が見えるのがその「ミズバショウ」ポイントのあたりですね。
この場所から見ると、巨大な羊蹄山に比べてC62がひどく小さく見えたものです。
「C62もデカいけど、もっとデカいものがあるんだぞ!」と言われているような・・・。
(↓1995年5月 倶知安〜小沢)
しかし、そうそう山が見える日ばかりじゃありません。雨の日も多かったわけで・・・。雨ともなればこの倶知安界隈は驚くほど鉄ちゃんがいなくなってしまうんですが、そんな雨の日、私は一人、北四線の手前にあるクトサン川の鉄橋へ出かけてみました。5月。小さな川は雪融け水で増水し、流れはやたらと速くなっていました。
(↓1990年5月 倶知安〜小沢)
ところが私はこの北四線踏切で、きれいな雪の羊蹄を撮れたことは一度もありませんでした。というのも、ここは天気予報が「晴れ」と出るや、早朝から三脚が林立するモノスゴイ場所でして・・・中には上り9162レの撮影を捨ててまでこの場所にこだわる人もいたくらい。当然のんびり屋の私が踏切にノコノコ歩いて行くころには、それこそ猫の入る隙間もなくなっているワケで。(^^;
もともとは狭い小さな場所だったのですが、運行3年目に「写真撮影者が集まるため」という異例の理由で倶知安町が拡幅を申し出て、今のような広い場所になりました。
下の写真は運行初年度の6月に撮ったもの。平日だったので場所は取り放題だったのですが、汽車が来る直前になってまたも一筋の雲が・・・。(ToT)
(↓1988年6月 倶知安〜小沢)
さすがに夏になって天候が安定してくると、羊蹄もきれいにその全容を現す日が増えるんですが、雪がない夏の羊蹄はねぇ・・・。
「羊蹄山 雪がなければ ただの山」
誰だこんな句詠んだヤツは〜〜〜!
羊蹄怒って噴火するぞぉ!
(↓1989年8月 倶知安〜小沢)
・・・だもんで、夏はあえて山を狙わずにサイドから流し撮りやったり、C62のサイドビュー狙って撮ることのほうが多かったです。それに、ここは夏場は黄色い花が群生する場所でしたから、それをC62とマッチさせて撮るのもよかったですね。
(↓1991年8月 倶知安〜小沢)